ヤクルト3-2阪神
今日は阪神の先発が伊藤将、ヤクルトは、山田、塩見を欠く打線で特に下位打線に迫力を感じなかったため、勝つとしたらロースコアのゲームに持ち込むしかないと思っていたのだが、その通りのゲーム展開に持ち込むことが出来た。もちろん危ない場面もあったのだが、ゲーム全体のマネジメントということで言えば、ほぼゲーム前に想定していたようなゲームに持ち込めたのではないだろうか?
そして現在のヤクルトの切り札である川端が今日も大仕事をしてくれた。先日のDeNA戦での決勝タイムリーについては、このブログでそれ程触れなかったため、今日は大いに川端について触れてみたいと思う。
ヤクルト先発のピーターズは、今日も立ち上がりから安定した投球を見せてくれた。初回はサンタナ、今日セカンドでスタメン起用となった三ツ俣の好守もあり、チームが上手く流れに乗っていく感覚を覚えた。三ツ俣は、2回にもダイビングキャッチでピンチの芽を摘むなど、期待されていた守備面でチームに貢献してみせた。その後もピーターズは威力あるファストボール系のボールとスライダ、カーブを上手く織り交ぜ、初回に味方打線がプレゼントしてくれた1点を守り続けてみせた。
しかし今日も球数が80球程となり、相手打線が3巡目となった6回に掴まってしまった。球数で言うと80球、イニングで言うと6回がピーターズにとっての鬼門となっている。中野に四球、ノイジーにヒットで0アウト1,2塁のピンチを招くと、続く大山にタイムリー2ベースを浴び、同点に追い付かれてしまう。佐藤輝は三振に斬って取ったのだが、続くミエセスの所で、ベンチは木澤にスイッチする。その木澤は、ミエセスにセンターフライを打たれ、犠牲フライで1点を勝ち越されてしまったかに見えたのだが、三塁への進塁を試みた大山をノイジーが本塁へ生還する前にアウトとし、阪神の攻撃を同点止まりで抑えることが出来た。大山の走塁ミスと言えば走塁ミスなのだが、ヤクルトの守備陣もよく冷静に三塁を狙った大山を刺しに行ったと感じるプレーだった。素晴らしい判断だったと感じる。終わってみれば、このプレーが勝敗を分けたと言っても過言ではなかったかもしれない。
直後の7回表に川端の2点タイムリーヒットで勝ち越し点を奪うと、7回石山ー8回清水ー9回田口というリレーでリードを守り抜き、ビジター甲子園で勝利を手に入れてみせた。9回の田口は0アウト1,2塁のピンチを招くなど、大歓声の甲子園で苦しい投球となったのだが、その雰囲気に飲みこまれることなく、反撃を1点で止めたことにメンタルの強さを感じさせてくれた。今日は投手陣だけでなく、これまで足を引っ張ることが多かった野手陣も守備で投手を支える場面が目立ち、そういう意味でもナイスゲームとなった。
打線は、相手先発がセリーグ屈指のサウスポーである伊藤将だったこともあり、苦戦することはある程度計算の内だったと思うのだが、その伊藤将相手にまずは初回に先制点を奪えたことは、その後のゲームマネジメントを考える意味でも大きかった。初回は、先頭の並木が内野安打で出塁すると、その後サンタナのヒットもあり、1アウト1,3塁とチャンスを広げると、村上のレフトへの犠牲フライで先制点を奪ってみせた。村上のライナー性の打球をノイジーが前進しながら捕球したため、ホームのタイミングは非常に微妙なものとなったのだが、三塁ランナーの山崎が判断よくホームを陥れてみせた。難敵伊藤将相手に良い形で先制することが出来た。
その後は、伊藤将の前に苦しんだのだが、同点に追い付かれた直後の7回に先頭の村上が2ベースヒットを放ちチャンスメイクをするとその後長岡が死球、中村が四球で出塁し、2アウト満塁というシチュエーションを作り、ここでヤクルトベンチは、切り札の川端を代打で起用する。代打川端を切るタイミングが難しいゲームが多々あるのだが、今日は「ここしかない。」という場面で川端を起用することが出来た。ここで川端はカウント0-1からの低めのツーシームを素直に弾き返すと、打球はピッチャー伊藤将をかすめて、センターへ抜ける2点タイムリーヒットとなった。1打席勝負で伊藤将をしっかり攻略した川端は本当の「代打職人」である。昨シーズンはコンディション不良もあり、苦しんだのだが、今シーズンは、2021年シーズンにも劣らない活躍をここまで見せてくれている。今日の一打は、先日のDeNA戦に続いて、勝ちに直結する見事な殊勲打となった。Twitterで思わず「オールスターで川端を見てみたい。」と呟いてしまう程、川端の技術を感じることが出来る一打だった。
チームは低迷を続けているのだが、今日のゲームでは守備で走塁でも積極性があり、チームとして伊藤将を攻略しよう、ロースコアの展開できっちり勝ち切ろうとする姿勢が伝わってきた。現在売り出し中の並木、今日スタメン出場となった三ツ俣、守備は苦手でも役割を果たそうとするサンタナなどの好守が勝利に繋がった。9回の田口の粘り含めて、「ナイスゲーム」という言葉を使いたくなるゲームとなった。
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コメント
やっと一昨年、昨年のような戦いが出来てきましたね!
最近の試合は面白い試合が増えて最高です。
これで今日の高橋奎二が完投、完封してくれたらと淡い期待をしています
アームさんへ
そうですね。ロースコアの展開に持ち込みながら、粘り強く戦っていく形のゲームが増えてきましたよね。
相手の伊藤は甲子園でずっと勝っていたそうで、そういう相手を負かしたのは痛快でした。私はDH制のないセリーグの野球はそれはそれで面白味があると思っていますが、川端はその制度があったならば首位打者を狙えそうな雰囲気がありますね。
超匿名さんへ
伊藤将は、個人的にかなりレベルの高いサウスポーだと思っているため、その伊藤将相手に勝てたことは大きかったですよね。
川端の打撃技術は素晴らしいですよね。