木澤、森下翔の一発に泣く。

ヤクルト０－１阪神

ヤクルト高橋、阪神西純という両先発による我慢比べの展開からリリーフ勝負となり、8回のマウンドを任されたのは、木澤だったのだが、代わり端の初球を阪神ルーキー森下翔に完璧に捉えられてしまった。2学年下の森下翔にプロ初ホームランを浴びてしまい、それが決勝点になってしまったということで、おそらくは、木澤はかなり悔しい思いをしているのではないだろうか？経験年数も年齢も関係ない、これがプロの世界である。木澤は、今度は森下翔にやり返さなければならない。リリーフ投手というものは心身ともにタフさが要求される。今日は自らの被弾が敗戦に繋がってしまったのだが、それでも次週からこれまで通り、気迫を全面に押し出して、目一杯腕を振ってもらいたい。木澤に期待したいのはそんな姿である。

０－０で試合が推移していた8回裏、この回のマウンドを任されたのは、木澤だった。木澤の代名詞と言えば何と言ってもシュートである。この回先頭のルーキー森下翔に対して、初球にインコースのシュートを選択するのは定石通りである。しかしそのシュートが甘く入ってしまった。もちろん森下翔も木澤のシュートは十二分に意識して打席に入っていたはずである。そこに甘めのシュートが来たため、フルスイングで捉えられてしまった。森下翔は、初球に関しては、ある程度ヤマを張っていた部分もあると思うのだが、ドンピシャで捉えられてしまった。ボール1つ分でもインコースに投げ込めておればあれだけの打球を打たれることはなかったと思うのだが、投げ切ることが出来なかった。失投がしっかり結果としても「失投」になってしまった一球だった。
打った森下翔は、高校時代、大学時代とスラッガーとして名を馳せていただけのことはある。打った瞬間は阪神の4番大山を思わせるようなフォロースルーで完璧に捉えてみせた。1軍レベルの投手のボールにはまだまだ苦しんでいるが、今日のような割り切ったスイングが出来れば、もう少し長打は増えてくるのではないだろうか？

今日のゲームは1球に泣く形となってしまったのだが、今のチーム状況を考えると、こういったロースコアのゲームに持ち込めていること自体は、悪くないと感じる。先発の高橋はゲーム中盤にバタつく場面もあったのだが、ストレートで打者を押し込む場面が目立ち、ようやくボールのキレが戻ってきた印象である。これで2試合続けて6イニングを投げ切れたということで、このまま状態を上げていってもらいたい。106球を投げ、最後までストレートのスピードが落ちなかったことは収穫である。
7回を任された大西も今日は完璧な投球を披露してくれた。負けは負けだが、こういったゲームを増やしていきたい所だろう。

打線は、阪神先発の西純相手にチャンスは作ったのだが、1点を奪うことが出来なかった。阪神の強力な投手陣の中で西純については、まだ安定感に欠ける印象があり、付け入る隙もあると思うのだが、ヤクルト打線は、この西純も多少苦手にしている印象がある。今日は初回以外は毎回ランナーを出し、何度も得点圏までランナーを進めたのだが、そこで一本が出なかった。塩見に続いて山田も欠いてしまっている中で、どうしても6番以降が迫力に欠ける状態にあり、相手チームにプレッシャーを掛けることが出来ていないように感じる。昨日も今日も機動力も使いながら、ランナーを進塁させていこうとする意図は感じるのだが、今日は村上の盗塁失敗もあり、上手く機能しなかった。しかし、昨日、今日の盗塁や送りバントなどは意図を感じることが出来る仕掛けだったため、作戦としては問題なかったと思われる。今後もロースコアの展開に持ち込みながら状況に応じて積極的に動く野球を継続していってもらいたい。

P．S　村上の盗塁に関しては、ルーキーイヤーから2軍で積極的に企図していたし、脚も遅くないことから仕掛けることは全く問題ないと思っているのだが、今シーズンは失敗に終わることが多いですよね。決して盗塁が下手な選手ではないと思うのですが、走塁面でも自分の感覚と身体の動きが一致してきていない部分がありますかね？

※訂正
・木澤が森下翔に打たれた一球は、インコースを狙ったものではないですね。アウトコースへバックドアで入れに行ったものが中に入ってしまったボールでしたね。インコース狙ったものが甘くなったものではありませんでしたね。訂正いたします。