ヤクルト3-1巨人
今日のゲームに関しては、ピーターズ、清水、田口の三投手に大きな拍手を送りたい。この三投手の好投があってこその勝利だと思う。正直攻撃面に関しては、かなり危なっかしい場面もあり、紙一重で流れを失う可能性もあっただけに、やはり流れを手放さなかった投手陣を称えたいゲームである。
ヤクルト先発のピーターズは、今日も抜群の立ち上がりを見せてくれた。ファストボール系のボールも横変化のボールも縦変化のボールも思うままに操り、巨人打線を手玉に取っていった。初回、2回は、打者6人をパーフェクトに抑え、奪三振3で球数は26球というこれ以上ない立ち上がりとなった。3回に吉川に先制ホームランを許してしまったのは、もったいなかったが、これは外角高めのストレートを左中間スタンドまで運んだ吉川を褒めるべきホームランだろう。その後は、キレのあるボールをコントロール良く投げ込み、巨人打線を抑え込んでいった。ピーターズの課題であるスタミナ面に関しては、やはり球数が80球に近付いた辺りから抜けるボールが増えたり、ボールのキレが多少落ちるのか、打者に対応されてしまう場面も目立ったのだが、それでも序盤を球数少なく投げ終えることが出来たこともあり、6回、7回も何とかアウトを重ねてみせた。ヒヤッとする場面はあったのだが、最後まで踏ん張り切ってみせた。
7回で90球を投げ、被安打3(被本塁打1)、与四死球1の1失点という数字はピーターズにとってはほぼ完璧な数字と見て良いのではないだろうか?球数を抑えながらも奪三振が8つあったという点も今日のピーターズのボールが走っていたことを表す数字なのではないだろうか?
今のヤクルトにとって先発投手が7イニングを投げてくれることは非常に大きなことである。ここまで投げてくれれば、ヤクルト投手陣の一番の武器である、8回清水、9回田口という展開に持ち込めるからである。今日は7回裏の攻撃がちぐはぐなものとなってしまい、非常に嫌な雰囲気で8回表を迎えたのだが、ここで清水がその空気を吹き飛ばす投球を見せてくれた。先頭の吉川を1球で仕留めると、続く代打の梶谷、中山という左打者もきっちり斬って取り、三者凡退で巨人の攻撃を終わらせてみせた。嫌な流れを断ち切るというリリーフ投手として最高の投球を披露してくれた。中山から三振を奪った場面は、清水の気迫が伝わってきた。
この流れを引き継ぐ形で9回のマウンドに上がった田口も丸、秋広、岡本和という並びを三者凡退で切り抜け、試合を締め括ってみせた。3-1という2点リードのシチュエーションだったのだが、ランナーを出して岡本和を迎えると一発同点の場面となってしまうため、非常にプレッシャーが掛かったと思うのだが、慎重かつ大胆に自分の投球を披露できる田口は、やはりメンタル面含めてリリーフやクローザーに向いている投手である。四球は嫌な場面ではあるのだが、簡単にストライクを取りに行けば、一気に打ち込まれてしまう危険が高い打者に対して、際どいコースを突きながら、打者と対峙できるメンタルの強さと投手としてのスキルは素晴らしいものを持っている。ファンでさえ痺れてしまうような場面なのだが、そんな場面で自分の心と身体をコントロール出来る田口は超一流の投手である。
今日はピーターズー清水ー田口の継投、投球に酔いしれるゲームとなった。
打線は、巨人先発の井上の前に苦しんだ。井上は個人的に前橋商時代から非常にフォームがキレイでバランスが良い投手だと感じていたのだが、プロ入り以降怪我で苦しんだ時期もあったようだ。それでも順調にパワーアップしており、今日の投球を見た感想は、「NEXT今永」の第一候補になるのではないか?というものであった。ストレートのMAXは150キロを超え、スライダー、チェンジアップのキレも抜群だった。左手の出所が見づらいフォームでもあり、おそらく打者は球速表示以上に速さを感じているのではないだろうか?3回までの投球はほぼ隙の無い投球に感じた。
それでも4回に先頭のサンタナが2ベースヒットで出塁すると村上のヒットとオスナの四球で0アウト満塁とチャンスを広げると、今日6番に起用された元山のファーストゴロの間に同点に追い付き、続く中村の初球にスクイズを敢行し、中村が見事にベンチの期待に応えてみせた。元山のファーストゴロも中村のスクイズも初球であり、あっという間の逆転劇となった。
元山のファーストゴロに関しては、本当に紙一重の打球だったのだが、初球から積極的にスイングを掛け、しっかり捉えた打球を放てたことを評価したい。正直飛んだコースが少しでもズレていればダブルプレーになってしまっていたかもしれないのだが、それも野球というスポーツの面白さの内である。元山自身は、しっかりスイングを掛けて、井上のボールを捉えることが出来たという部分を自信にしてもらいたい。
中村のスクイズに関しては、十分に「あり得る。」場面での仕掛けだったのだが、元山が初球攻撃だったため、巨人バッテリーの頭の中にスクイズというものへの意識が多少薄れていた可能性はあると思う。そこを突いた高津監督の見事な采配だったように思う。
山田不在後、6番以降が迫力不足になっていると感じることが多いのだが、その中でこういった点の獲り方もあるんだな、ということを感じさせてくれた。
その後6回にはオスナが巨人の新外国人バルドナードから特大のソロホームランを放ってみせた。1点差のままだとピーターズを始めとする投手陣へのプレッシャーも大きかったため、この一発は価値あるものとなった。初対戦のバルドナードの初球を完璧に捉えたオスナの打撃技術が詰まった一発となった。
7回のチャンスでも追加点を奪い、少しでも楽にゲームを進めたかったのだが、その7回は、コントロールに苦しむ菊地相手に長岡がバントを決めれず(その後バスターを敢行し、ヒットで繋ぐことは出来たが…)、続く代打宮本も初球のバントを空振りしてしまい、飛び出した二塁走者の中村が刺されてしまう場面があった。長岡にしろ、宮本にしろヒットでバントの失敗をカバーした形なのだが(宮本は1アウト2,3塁を作りたい場面で1アウト1,2塁となってしまったため、ヒットでも取り返せていないという見方もできるが…)、この場面は2点リードしている場面であり、どうしても1点が欲しかった場面である。長岡も宮本もタイプ的にバントを決めなければならない場面だった。結局1アウト1,2塁から並木がダブルプレーに倒れてしまい、この回は3連打がありながら無得点に終わってしまった。もし試合をひっくり返されるようなことがあれば、間違いなく、7回裏の攻撃がクローズアップされたはずである。塩見、山田を欠き、村上も昨年と比べれば大きく数字を落としている中で、脇役陣が役割をこなせないとなると、勝利は遠退いてしまう。7回裏の攻撃に関しては、しっかり振り返りをする必要があるだろう。
P.S 燕パワーユニフォームは全身緑のユニフォームでしたね。賛否あるとは思うのですが、毎年デザインを変えるということは、こういったユニフォームも採用していかなければなりませんよね。個人的にはホームユニフォームとビジターユニフォーム+企画ユニフォーム1つくらいで充分かな?とも思うのですが、「TOKYO燕プロジェクト」も定着してきていますからね…好意的に捉えているファンの方が多いのかもしれませんね。
私は復刻ユニフォーム企画の方が好きかな…。
※明日は、私用でブログの更新が滞ります。ご承知おきください。
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コメント
打ち負ける試合が多い今季の巨人戦でしたが、相手側もヤクルト同様にベストメンバーではなかったので、いつもより打線の迫力が感じられなかった分戦い易かったんじゃないですかね。是非とも三タテ狙ってもらいたい。
個人的には緑のユニフォームは目にきつい気がします。慣れてないせいか画面越しですがスコアボードも見にくく思いました。ただ色々な企画をしてファンを楽しませる事は大いにやってもらいたい。ヤクルトにとってリーグ内の人気における順位を上げることは、優勝するよりずっと難しい問題だと思いますが、まずは土台として既存のファンを逃がさないようにしないとなりませんからね。
超匿名さんへ
3投手がきっちり仕事をしてくれましたよね。
ファンを楽しませる企画は必要ですよね。緑のユニフォームは賛否両論でしょうね。