第105回全国高校野球選手権大会で印象に残った選手

高校野球


第105回全国高校野球選手権大会も仙台育英ー慶応の決勝戦を残すのみとなった。昨年優勝を果たした仙台育英の須江監督が残した「青春って凄く密なので。」という言葉があったのだが、コロナも5類へ移行し、これまでの甲子園の姿が戻ってきたように感じられる大会だったのではないだろうか?コロナ前とコロナ後という括りが良いのかどうかは分からないが、これまで以上に変化を感じる大会となった。そんな大会で印象に残った選手を数名ピックアップしてみたい。
過去記事はこちらから以下の通り
第95回センバツ高校野球で印象に残った選手 | ヤクルトファンの日記 (ysfan-nikki.com)
第104回全国高校野球選手権大会で印象に残った選手 | ヤクルトファンの日記 (ysfan-nikki.com)

投手

森 煌誠(徳島商)
・徳島県予選の投球を見た時から、ストレート、スプリットのキレと角度は超高校級だと感じたし、カーブもピッチングの幅を広げる非常に良いボールだと感じた。球種は少ないが、しっかりコントロールすることが出来ているため、完成度の高い投球を披露してくれた。進路は社会人野球とのことだが、将来性は№1の投手に映った。

東恩納 蒼(沖縄尚学)
・センバツ後にも取り上げたのだが、完成度の高い右腕である。「高校の大会に一人社会人の投手が交じっているようだ。」という寸評を何度か目にしたが、私も同様な感想を抱いた。シチュエーションによってピッチングを切り替えられるし、変化球のコントロールも抜群だった。敗れた慶応高校戦でもフォークを解禁するなど、引き出しの多さを見せてくれた。現ソフトバンクの東浜の高校時代を彷彿とさせる投手だった。

高尾 響(広陵)2年
・高尾も東恩納同様、センバツ後にも取り上げたのだが、今夏はしっかりパワーアップして甲子園に戻ってきた印象である。右バッターでも左バッターでも強気にインコースを突くことが出来るのが、この高尾の武器だと思っている。現広島の野村や河野の後を継げる投手だと思うのだが、インコースの使い方という部分では、高校時点では高尾に分があるかもしれない。レベルの高い投手である。

小松 龍一(花巻東)2年
・高尾同様2年生からもう一人、小松の名前を挙げたい。現オリックスの山岡や、元西武の西口の姿が浮かんできた。しなやかなフォームから投げ込まれるストレートとスライダーは切れ味抜群であり、1年後はプロ注目の存在になっているのではないか?と期待させるだけのボールを投げ込んでいた。個人的に好きなタイプの投手である。

湯田 統真(仙台育英)
・層の厚い仙台育英投手陣の中でも実践力という意味では、№1ではないだろうか?150キロを超えるストレートと縦のスライダーとのコンビネーションは抜群である。高校レベルであれば大崩れする姿が想像できない好投手である。パワーを感じさせながら粗さを感じさせない完成度の高い投手に成長してくれた印象である。

黒木 陽琉(神村学園)
・黒木に関しては、甲子園で見るまで全く知らない投手だったのだが、カーブ、スライダーのキレ、コントロールが絶品だった。特に左打者は、ボールに見えたボールがストライクゾーンへ曲がり落ち、ストライクに見えたボールがボールゾーンへ曲がり落ちるため、お手上げ状態だったのではないだろうか?打者にとってはっきりと邪魔になる球種を持っているという意味で、非常に印象に残る投手となった。

その他では、大阪府大会決勝で大阪桐蔭相手に快投を見せた福田幸之介(履正社)、湯田同様ストレートにボリューム感を感じ、チェンジアップとの緩急も上手く使えていた高橋煌稀(仙台育英)、吉永健太郎譲りのチェンジアップで好投を見せた安田虎汰郎(日大三)辺りが印象に残った。
平野大地(専大松戸)は、怪我で登板機会がなかったのだが、本来であれば高卒即プロ入りも狙えた逸材である。今まさに苦しい時間を送っていると思うのだが、コンディションを整えてもう一度マウンドに戻ってきてもらいたい。

野手
佐々木 麟太郎(花巻東)内野手
・佐々木のバットコントロール、パワーは、やはり超高校級だった。いわゆるドカベン体型であり、この夏もコンディションが整わなかった部分はあったようだが、現日本ハムの清宮の高校時代と比べても全く見劣りしないスラッガーだと思う。守備、走塁面で大きな期待は出来ないかもしれないが、打撃については世代№1と言って間違いないだろう。将来日本を背負う長距離砲に育ってもらいたい。

森田 大翔(履正社)内野手
今夏評価を上げた選手の一人ではないだろうか?大阪府大会でも甲子園でもバットで結果を残してみせた。しっかり振れること、飛距離が出ることはそれだけで才能である。バッティングという意味では、現阪神の井上の履正社高校時代の姿と重なった。

真鍋 慧(広陵)内野手
・佐々木同様、下級生時から注目を集めてきた真鍋は、身体つきが一段と逞しくなっていた。エンゼルスの大谷や巨人の秋広を見れば分かるように、近年大型スラッガーがしっかり成長するようになってきている。これは本人の努力以外に育成のノウハウが出来始めていることを示していると思う。真鍋もこれから更にパワーが付いてくれば、プロでも面白い存在になりそうである。打席で迫力を感じさせてくれるスラッガーである。

横山 聖哉(上田西)内野手
・横山に関しては、県大会から追うことが出来たのだが、堂々とした立ち居振る舞いが印象的である。パワーと肩の強さは超高校級である。ショートとしてのフットワークという意味では、「凄い。」と感じさせてくれるプレーは少なかったのだが、おそらく肩に絶対の自信を持って守っているのだと思われる。常に自信満々でプレー出来ていること自体が魅力的に映った。即プロも見えてきたのではないだろうか?

丸田 港斗(慶応)外野手
・俊足、好打の選手は、毎年何にも現れるのだが、丸田に関しては、スピードを野球という競技にしっかり落とし込むことが出来ている。守備、走塁面が非常にハイレベルである。打撃面でも力強い打球を放っており、将来的にはプロを狙える逸材だと感じた。ポジションは違うのだが、元西武の高木大成の桐蔭学園時代を思い出させてくれるようなクレバーなプレーぶりだった。

松本 大輝(智弁学園)外野手
・横山にも感じたことなのだが、身体が出来ており、自信満々にプレーしている姿が魅力的だった。今大会№1投手と言っても過言ではない森から放ったホームランは、見事だった。パワーとスピードが融合した楽しみな選手である。

尾形 樹人(仙台育英) 捕手
・右打者、左打者の違いはあるのだが、現日本ハムの郡司のような総合力の高い捕手だった。スタイルも良く、打撃面ではまだまだ伸びしろを感じさせてくれる。仙台育英の複数の投手を見事にリードすることも出来ているし、捕手としてのフットワークもハイレベルである。今大会の捕手では最も印象に残った選手である。

その他では、甲子園でもバットを短く持ちながらホームランを放ってみせた熊谷陽輝(北海)、投手としても遊撃手としてもセンス抜群だった中山優月(智弁学園)、センバツからの成長を感じさせてくれた知花慎之介(沖縄尚学)、下級生時から打撃フォームを変え、以前よりボールの見極めが出来るように感じた佐倉俠史朗(九州国際大付)、個人的には身体能力を活かして野手として見てみたい投手兼外野手の寿賀弘都(英明)辺りが印象に残った。




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