FA制度で、西武からソフトバンクへ移籍した山川穂高の人的補償について、今日1日情報が錯綜した。第一報としては、日刊スポーツが「西武が山川穂高の人的補償で和田毅指名へ」という下記の記事を出した。
【西武】山川穂高の人的補償に和田毅指名へ 近日中に発表 ソフトバンクの顔が衝撃の移籍 – プロ野球 : 日刊スポーツ (nikkansports.com)
日刊スポーツ引用
このことによって西武ファン、ソフトバンクファン中心に野球ファンが大きく反応することとなった。これまでもFA移籍による人的補償は、様々なドラマを生んできた。特にプロテクト人数が28人という人数になってからは、本来プロテクトをしたくてもし切れないと感じるケースも多く、過去にも和田一浩の人的補償で移籍した岡本真也、寺原隼人の人的補償で移籍した馬原孝浩、炭谷銀仁朗の人的補償で移籍した内海哲也、丸佳浩の人的補償で移籍した長野久義辺りは、旧球団のファンからプロテクトを外したことへの批判的な意見が数多く聞かれた記憶がある。
今回の和田の件に関しても日刊スポーツの第一報が出て以降、ファンから驚きの声が上がっていた。しかしこの時点では、まだ「決定」という報道ではなかったため、個人的には、この報道について、ブログに記したり、Xでポストすることは控えていた(正式発表があるまで待つこととした。)。すると夕方になって、山川の人的補償に関する発表がソフトバンク球団からなされたのだが、人的補償として移籍するのは和田ではなく、甲斐野央との発表だった。何故当初の報道と違ったのかは分からないのだが、その後日刊スポーツより下記の記事が出ている。
【ソフトバンク】人的補償、異例決着の舞台裏 当初は和田毅で打診も反響など鑑み急きょ方針転換 – プロ野球 : 日刊スポーツ (nikkansports.com)
日刊スポーツ引用
この記事の中で「西武は10日時点で、昨年末にソフトバンクから出されたリストから和田を指名する方針を固めていた。方針通りにソフトバンク側に和田で打診したが、反響の大きさなどを鑑み、両球団が話し合って急きょ方針を転換。現に和田の移籍報道があったこの日、ファンや世間からの批判の声が殺到した。不祥事を起こした山川獲得の際にも球団に多数のクレームが寄せられたが、同じような声が相次いだ。再度の協議の結果、西武は手薄なリリーフ補強として甲斐野を選び直した。」
という一文が書かれている。この一文に関しては、一野球ファンとしてどうしても引っ掛かりを感じてしまう。
①プロテクト外の選手を指名しても、その後球団間で協議をして、人的補償の選手を変更することが可能なのか?
②日刊スポーツが事前に報道していなければ、そのまま和田が人的補償として西武に移籍していたのか?
③和田がプロテクト外だったことを日刊スポーツが大々的に報じてしまったことに問題はないのか?(世間の反応を見るために日刊スポーツと西武、ソフトバンク両球団が意図的に報道を出したのか?それとも日刊スポーツのシンプルな誤報だったのか?シンプルな誤報であれば、和田がプロテクト外だったことを報道してしまった日刊スポーツに、ソフトバンクは厳重注意をするべきだと考えるが、今の所そういった発表、報道は確認できない。)
個人的には上記3点に引っ掛かりを感じている。
①については、過去に日本ハムから中日へ大野奨太がFA移籍した際に、日本ハムは人的補償として岩瀬仁紀を指名したが、岩瀬がこれを拒否したため、両球団での話し合いの上で金銭補償に切り替えたとの真偽がはっきりしない報道がなされたことがあった。噂話にしては、具体性のある話だなと感じた部分もあるのだが、その後この件を問題視するような動きや報道もなかったため、私自身は、あくまでも真偽不明の話として捉えていた。しかし今回の人的補償の報道を見ると、私が理解している人的補償のルールを破るような行為が行われているのではないか?という疑念が浮かんできてしまう。野球ファンにそういった疑念を抱かせてしまっていることについては、間違いなくマイナスに働いてしまう部分が大きいと思う。
これを機に、FA制度や人的補償制度にメスが入る可能性も出てくる可能性があると思われる。
②についても引っ掛かりを感じている。日刊スポーツの記事には、「西武は方針通りにソフトバンク側に和田で打診したが、反響の大きさなどを鑑み、両球団が話し合って急きょ方針を転換。」と書かれている。この一文が真実だとすると、事前に報道したことで、人的補償の選手が変更になってしまったこととなる。一選手の移籍に関して、報道機関の存在がこれほどまでに関わってしまって大丈夫なものなのだろうか?
③については、②の続きのような項目になるのだが、実際には移籍しなかった和田がプロテクト外だったという報道がなされてしまったことは、ソフトバンク球団の空気感ということを考えると非常に大きな出来事のように感じる。表に出てはいけない情報が出てしまったようにも感じるのだが、大丈夫なのだろうか?この部分についても個人的には引っ掛かりを感じている。実際にはどういった経緯で「西武が人的補償で和田を指名へ」という記事が出てきたのだろうか?
人的補償という制度については、FA制度による球団間の戦力格差を少しでも抑えるために出来上がったルールである。個人的には、これまで人的補償選手の選択というものは、外から見て楽しんでいたのだが、近年の補償が必要ないCランクの選手への人気の高まりや、補償が必要となるAランク、Bランクの選手がFAで移籍する際にファンからの批判的な言葉を浴びやすくなっていることに、この制度の限界を感じ始めている。
私は、28人というプロテクト枠がある以上、チームの功労者であってもプロテクトしきれなくなることはやむを得ないことだと思っている。しかし長年チームを支えた人気選手が人的補償という形でチームを去ってしまうことに強い抵抗を感じるファンの人の気持ちも理解できる。そんな中で今と同じ形で人的補償という制度を残していくことは出来るのだろうか?何か違った方法を真剣に検討していかなければならない時期に差し掛かっているのかもしれない。
過去記事は下記の通り
・えっ!?マジで!?内海!? | ヤクルトファンの日記 (ysfan-nikki.com)
・丸の人的補償は長野 | ヤクルトファンの日記 (ysfan-nikki.com)
内海、長野が人的補償で移籍することによって、実際に巨人ファンを辞めたという人もいるのでしょうかね?ちなみに内海、長野が移籍した後のシーズン、巨人はリーグ優勝を果たしているんですよね。ファンを納得させるためには「優勝」という分かりやすい結果が求められる部分はあるでしょうね。ソフトバンクも同様なのではないでしょうか?
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コメント
FA移籍の補償がどうあるべきかは悩ましい問題ですね。移籍する選手からは移籍の幅が狭まるような人的補償はない方が良いし、補償選手を出す球団もそうでしょう。ドラ1の権利譲渡だとダメージが大きそうで、流出側の球団が翌年に単にドラ1を2人指名出来るようにして(その場合は投手1人野手1人とするとか)はどうかと思います。ただ国外移籍は補償選手はないので、将来的にはそれに合わせて金銭の増額辺りにおちつきますかね。
超匿名さんへ
FA移籍をする選手が移籍しづらくなっている空気感があるのは、少し気になっています。またルールがどこまで徹底されているのか、今回の件でファンに疑われてしまっている部分も課題ですよね。今後どうなっていきますかね?