ヤクルト1-1中日(延長12回)
試合前に山田と田口の登録抹消が発表された。両選手ともに中心選手なだけにどうしても影響は出てしまう。30日のゲームは、投手陣の粘りもあって何とか引き分けに持ち込んだが、山田不在の影響はすでに出ていたのではないだろうか?昨シーズンは、山田が離脱後チームは踏ん張り切れなかったのだが、今シーズンはどこまで耐えられるだろうか?
先発の吉村は、オープン戦で最も安定した投球を披露してくれた先発投手である。期待して投球を見ていたのだが、この日も素晴らしい投球を見せてくれた。ストレートはおそらくアベレージでも150キロ近い球速を記録し、変化球も安定していた。中日打線が早く仕掛けざるを得ない展開に持ち込んでみせた。3回に田中に先制タイムリーを許した場面で変化球でストライクが取れず、カウントを3-0としてしまい、その後ストレートを続けてタイミングを合わされてしまった場面があったのだが、この場面以外は、ほぼ完璧な投球内容だったと思う。7回で84球を投げ、被安打6、無四球、10奪三振で1失点という数字は素晴らしい。6安打を許し、三振を10個奪いながらも球数が7回で84球ということで、自分のペースで落ち着いて投げていたことを感じさせてくれた。昨シーズンは、開幕直後の好投が中々勝ち星に繋がらず、いつの間にか状態が落ちてしまったことがあったが、今シーズンはどうだろうか?この日も勝ち星には恵まれなかったが、今日のような投球を続ければ、自然と勝ち星も増えてくるはずである。
リリーフ陣は、8回から山本ーエスパーダー清水ー大西ー石山ー嘉弥真ー木澤とこまめなリレーで粘り切ってみせた。ロースコアの競り合いという中で、苦しい場面も多かったのだが、エスパーダ、大西、嘉弥真は、一打勝ち越しを許すという厳しい場面でもよく投げ切ってくれた。特に大西は、村上のエラーもあり、気持ちの切り替えが難しかったと思うのだが、最後はしっかり中田を打ち取ってみせた。また田口が離脱してしまったことで、ブルペンのリーダー格としてクローザーの役割も求められるであろう清水が格の違いを見せてくれたのも、今後に繋がりそうである。
打線は、いきなり山田を欠くこととなり、オーダー含めて修正が求められた。この日は、1番塩見、2番西川、3番オスナ、4番村上、5番サンタナ、6番武岡、7番中村、8番長岡、9番吉村というオーダーとなった。高津監督は、これまで打線のバランスを重視したオーダーを組むことが多いという印象があったのだが、この日は、1番~5番までとにかく核となる打者を並べたオーダーとなった。その分6番以降が迫力不足にも感じるオーダーとなった。
このオーダーで何とか涌井と中日の強力リリーフ陣を崩したかったのだが、12安打で4つの四球を選びながら、得点は1点止まりに終わってしまった。
まずは、老獪な涌井の投球を褒めなければならないのだが、3回の0アウト1、2塁、打者吉村の場面での2塁牽制死は、痛かった。カウント1-2という場面で刺しに行く牽制を実行した涌井と中日守備陣が素晴らしかった。という言い方も出来るのだが、こういったプレーは極力減らしていかなければならない。直前に先制点を奪われた中で、同点に追い付きたかったのだが、ここで一旦流れを失ってしまった。
開幕戦に続いて、負けパターンの展開に陥ってしまったのだが、それでも8回に前日に続いて松山からチャンスを作り、1アウトから青木のヒットと代走赤羽の盗塁でチャンスを作ると、オスナにタイムリーヒットが飛び出し、同点に追い付いてみせた。代走赤羽の初球スチールには痺れた。赤羽は並木や丸山和に比べれば、スピードがある選手とは言えず、特別盗塁が上手い印象もないのだが、ゲーム終盤の難しい場面でよくスタートが切れたと思う。スタートのタイミングも悪くなかった。開幕戦も2戦目もチーム単位で積極的な走塁を意識していることが伝わってくる。今後積極的な走塁が裏目に出る場面も当然出てくると思うのだが、常に次の塁を奪うことを意識してプレーするというチーム方針をどこまでブレずにやり切ることが出来るだろうか?私の中では、シーズン通しての新たな注目ポイントが出来たと感じている。
山田不在の影響については、この1試合を見ただけでも所々に感じることが出来た。開幕戦で活躍し、6番で起用された武岡は、ノーヒットに終わってしまった。7回の1アウト1,3塁の場面に関しては、開幕戦で長岡に代打川端を送ったように、武岡にも代打を投入する可能性もあるかな?と思ったのだが、高津監督は、そのまま武岡を打席に送った。山田が登録抹消となり、今後は、今いるメンバーで戦わざるを得ないため、武岡にある程度の責任を担ってもらうという高津監督の覚悟を感じる采配だった。武岡は、三振に倒れ、結果を残せなかったのだが、この辺りは新たなステージに足を踏み入れたからこその結果と捉え、今後も苦しみながら成長していってもらいたいと思う。
また守備、走塁に不安のあるサンタナは、ゲーム展開によっては、どこかでベンチに下がることが多いため、この日のような展開になると、終盤打線に迫力がなくなってしまう部分はどうしても出てきてしまう。この日は、延長12回引き分けということもあり、ベンチ入りの野手陣は全員使い切ることとなった。山田を欠く中で、高津監督をはじめとした首脳陣は、先々の展開まで想定しながら、今まで以上に頭を使ってゲームマネジメントをしていかなければならない。途中交代で入る選手が、モチベーション高くプレー出来るように(選手が準備出来ていない中で起用することがないように。)、信頼関係を築いていかなければならない。
1-1というスコア以上に両チームに動きがあり、12回2アウトからの村上のフェンス直撃の2ベースなど、最後の最後までハラハラドキドキの展開だったのだが、この日のゲームに関しては、「投高打低」の中日相手だからこそのゲーム展開にも感じた。今のチーム状況で他のチームとも同じようなゲームで粘り切ることが出来るだろうか?この日の引き分けという結果にはある程度満足しているが、今後のゲームのことを考えると不安は少なくない。
いつも、気づけば神宮に 東京ヤクルトスワローズ「9つの系譜」 [ 長谷川 晶一 ] 価格:1980円 |
にほんブログ村
コメント
今年の吉村は期待できると思わせる投球でした。2年目の飛躍となって欲しいところです。
超匿名さんへ
かなり質の高い投球内容でしたよね!