ヤクルト3-1巨人
昨日の時点で覚悟はしていたのだが、今日の試合前に塩見が左前十字靱帯損傷と半月板損傷の診断で長期離脱することが発表された。想定しうる最悪の診断結果ということになるだろうか?ヤクルトは、これまで怪我人の多さを指摘されたり揶揄されたりすることが多かったのだが、レギュラー格の野手でここまで大きな怪我人が出てしまうことは、これまであまりなかったのではないだろうか?塩見と言えば、その身体能力の高さを活かした躍動感あふれるプレーが魅力なのだが、これからの野球人生はどういったものになっていくのだろうか?何とか再びグラウンドに戻ってきてもらいたい。時間はかかるかもしれないが、私は待ちたいと思う。
塩見が離脱した中でどういったオーダーを組んでくるのかな?と思っていたのだが、今日のオーダーは、1番センター丸山和、2番ショート長岡、3番ファーストオスナ、4番サード村上、5番レフトサンタナ、6番ライト青木、7番キャッチャー中村、8番セカンド武岡、9番ピッチャーサイスニードとなった。巨人の先発がアンダースローの高橋だったこともあり、左打者を多く起用した部分もあると思うのだが、今後は塩見がいない中で様々なことを考えながらやり繰りしていかなければならない。
そんなゲームの前半は、昨日のゲーム終盤を思わせるようなチャンスでの拙攻の連続で嫌な雰囲気が漂ったのだが、その空気を変えてくれたのが、サンタナと長岡だった。
1点をリードされた直後の6回に、サンタナが高橋の低めのシンカーを豪快にすくい上げると、打球は高い放物線を描いてレフト中段へ飛び込む、特大の同点ソロホームランとなった。前の打席では、1アウト満塁の場面でダブルプレーに倒れてしまっていたのだが、この打席ではその借りを返すような一発となった。そしてサンタナは、7回に2アウト1,3塁というチャンスで回ってきた第4打席では、平内の外角低めのストレートをコンパクトなスイングでライトへ弾き返す勝ち越しタイムリーを放ってみせた。サンタナはヒーローインタビューの中で「甘いボールをしっかり打てるようにしたい。」と語っていたと思うのだが、今日のホームランとタイムリーに関しては、それ程甘いボールには思えなかった。長いリーチを器用に扱えるため、サンタナの中では「甘い」と感じるボールが他の打者より多いのかもしれない。様々な球種、コースによって様々な引き出しを持って対応するサンタナのバッティングは見た目以上にテクニカルなのかもしれない。
サンタナと言えば何と言っても打撃であり、守備、走塁に関しては、決して上手い部類には入らないと思うのだが、状況に応じた中で全力プレーが出来るところも魅力である。今日は、3回の1アウト満塁の場面でサードゴロダブルプレーに打ち取られてしまったのだが、打った直後に一塁へ向かって全力疾走を怠らなかった。こういう姿も魅力的である。凡打してしまってもすぐに次のプレーに頭を切り替え、ダブルプレー崩れでも1点が入ることをしっかり認識した中でプレーすることが出来ている。野球というスポーツを行う限りダブルプレーは付きものである。問題はダブルプレーを打ってしまうことではなく、全力プレーを怠ってしまうことだと思っている。昨日のゲームからチャンスでのダブルプレーが続き、ファンとしてはフラストレーションが溜まる場面もあるのだが、選手にとっては今日のサンタナの姿はお手本になるのではないだろうか(当たり前のことを当たり前にやるという意味で)?
そして、昨日の試合3打数3安打の活躍で、今日は2番に抜擢された長岡が、今日は4打数4安打1犠打と2番打者としての役割を完璧に果たしてみせた。元々私は、長岡の打撃技術の高さと小技の上手さを買っており、2番に定着できると面白いなとは思っていたのだが、ここに来て、逆方向にライナー性の強い打球が打てるようになってきている。2022年シーズンにはホームランを9本放つなど、意外なパンチ力を見せてくれたのだが、追い込まれてから外角のボールをちょこんと合わせてレフト前に運ぶ巧さも見せてくれていた。しかし昨シーズンは、そういった逆方向への巧さを感じさせる打球が減少していた。かなり打撃面で悩んでいるのかな?という印象があったのだが、ここに来て、また新たな姿を見せ始めている。ちょこんと合わせて逆方向に運ぶのではなく、強く振り抜いた中で逆方向に運ぶことが出来ている。こういった打撃が出来ると打率は上がってきそうである。7回に京本から放ったタイムリーも見事だった。元々一級品だった守備でも今日は良いプレーを見せ、昨日、今日とノリノリの2日間だった。この勢いを維持してもらいたい。
その他では、8回のピンチでこの回からセンターに入っていた岩田が、好返球でチームを救ってみせた。2塁ランナーは俊足の吉川であり、ヤクルトは外野の前進守備を敷いて勝負に出た。岸田のセンター前へのあたりは、岩田のほぼ正面への打球だったのだが、吉川は本塁へ突入してきた。100点のプレーが出来れば、ほぼホームで刺せるシチュエーションだったとは思うのだが、緊迫したシチュエーションで、その100点のプレーをすることは簡単なことではない。特にまだ経験値が高くない岩田のような選手にとっては、簡単なプレーではなかったはずである。しかし岩田は、この場面でもしっかり100点のプレーを見せてくれた。ホームへしっかりストライク返球し、吉川を刺してみせた。昨日、一昨日と競り合いを落としていただけに、もし吉川の生還を許してしまっていたら、ヤクルトは苦しくなったはずである。ここでの岩田のプレーはビッグプレーだった。
投手陣は、ここまでまだ勝ち星に恵まれないサイスニードが、今年一番の投球を披露してくれた。高めのストレートと低めのスプリットという高低を使いながら、カットボールも上手く活用し、巨人打線を抑え込んでいった。6回に岡本和に浴びたホームランは、2アウトランナーなしからの場面だったため、もったいないと言えばもったいないのだが、インハイのストレートをあれだけ完璧に捉えられては、岡本和を褒める他ないだろ。今日も勝ち星が付かなかったため、サイスニード自身、まだノッていけない部分もあるのかもしれないが、今日のような投球を続けてもらいたい。
リリーフ陣では、7回のピンチでマウンドに上がり、ルーキーの佐々木を注文通りの配球で三振に斬って取った山本、9回を任され、きっちり三者凡退に仕留めて石山の投球が印象的だった。嫌な流れで連敗してしまい、今日も競り合いという中でリリーフ陣のプレッシャーも大きかったと思うのだが、今日はよく粘ってくれた。
チャンスの連続だった前半に得点を奪えず、振り返ってみれば決して内容の良いゲームとは言えないのだが、それでも今日はどんな形でも勝ちが必要だった。リリーフ陣が固まらない中で競り合いを拾っていくことは簡単ではないが、何とか今日のようなゲームを一つでも拾っていきたい。この3連戦はロースコアの競り合いを1勝2敗と1つ負け越すことになってしまったのだが、今後は、こういったゲームの勝敗を2勝1敗ペースにしていきたい所である。
P.S コリジョンルールが採用されてからすでに9シーズン目となるのだが、外野の守備位置は非常に難しいと感じます。おそらくコリジョンルール採用前であれば、岸田のセンター前ヒットで吉川がホームに突入することはなかったと思うし、長岡のタイムリーもホームで刺されてしまっていた可能性が高いと思う。今日はヤクルトの極端な前進守備が功を奏し、もう1~2m前で守れなかった巨人の守備位置が裏目に出る結果となった。今後も1点勝負となるゲームは数多くあると思うのだが、外野の守備位置をどうするか?という部分に関しては、どの球団も頭を悩ますのではないだろうか?
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コメント
ホーム側からの映像だと岩田のバックホームがより完璧な送球だったと感じました。
サンタナはケガさえなければという選手だと思うのでこのままシーズン走り切ってほしいですね
長岡は気が早いですがB9GG狙ってほしいです。坂本がコンバートした今、セリーグトップショートは長岡だと示してほしいですね。
丸山はヒットこそ出ませんでしたが内容は良かったと思います。このままレギュラーを掴んでほしいですね
長岡丸山はもうまぐれや好調なだけという気がしませんね
山田塩見とレギュラーの怪我人が出てしまってますが若手の奮起に期待というところでやっと上がってきた濱田に期待してます
本来なら内山澤井も……けが人がどうしてこんなに多いのか…
saboさんへ
こういうチーム状態なだけに、若手の奮起には期待したいですよね。
ホーム神宮での巨人戦三タテを回避できてほっとしております。
塩見は全治不明とのことなので、いつどんな状態で復帰するのか状況が全く不透明ですね。またグラウンドに戻る姿を待ちたいですが、近年離脱が増えている山田やメジャー移籍が規定路線の村上のこともあり、ポスト○○を意識して試合を見ることが今季は多くなっています。saboさんも名前を挙げている濱田は私も期待しています。そろそろ何とかなって欲しい。彼が定着出来れば長打力の点では塩見の不在を補えますね。
超匿名さんへ
この先のシーズンのことなどを考えると、ヤクルトの野手不足が深刻になる可能性がありますよね。
濱田辺りの打撃に期待したいですよね。