ヤクルト5-4オリックス
9回表を迎えた時点で、スコアは、2-4。試合の流れや、今シーズンのヤクルトのチーム状態を考えると、勝てる可能性は限りなく低いと感じていた。先頭の村上が三振に倒れた時に、その気持ちはより一層強くなった。しかし今日は、ヤクルトがここから鮮やかに試合をひっくり返し、鮮やかに試合を締め括ってみせた。主力、若手、ベテラン、助っ人外国人選手が、各々の役割を果たし、首脳陣の期待に応えてみせた。高津監督の采配も含めて「鮮やか」という表現がぴったりくる9回の攻防となった。
2-4で迎えた9回表、オリックスは今シーズン途中からクローザーを任されているマチャドをマウンドに上げてきた。昨シーズンまでMLBでバリバリ投げていた投手であり、開幕前から評判の良かった投手である。150キロ台後半を記録するストレートとチェンジアップのコンビネーションが特徴であり、時折投げ込まれるスライダーもキレの良い球種である。この投手から2点を奪うのは至難の業かな?と思っていたのだが、村上が三振に倒れた後にサンタナがヒットで出塁すると代走の赤羽が果敢に盗塁を企図し、2塁を陥れると、オスナも内野安打で続き、1アウト1,2塁とチャンスを広げてみせた。ここで山田は、2球目のインコースのボールに詰まらされてしまうのだが、その打球がセカンドとライトの間に落ちるタイムリーヒットとなり、1点を返すと、相手のミスも重なり、1アウト1,3塁という場面で代打の青木を迎えることとなった。青木はマチャドが投じた初球のチェンジアップ(スポナビはストレート表記)を捉えたのだが、ショートの紅林の好守に阻まれてしまった。それでも紅林が2塁へトスする前にボールをこぼし、そのことによって、ダブルプレーを免れることが出来、この間に同点に追い付くことに成功した。
続く武岡の打席では、赤羽に続いて青木も盗塁を決め、一打勝ち越しのチャンスを作ると、ここで今日セカンドスタメン出場となっていた武岡がライト線へ勝ち越しタイムリー2ベースを放ち、この1点が決勝点となった。
選手各々が仕事をした見事な攻撃だった。
・絶対に出塁して欲しい場面でマチャド相手にヒットを放ち、役割を果たしたサンタナ。
・代走で出場し、常識的には盗塁を企図する場面ではなかったのだが、果敢に盗塁し、2塁を陥れてみせた赤羽の好判断。
・三塁線への当たりで必死に走り、内野安打をもぎ取ったオスナ。
・本来の打撃には程遠いが、執念のヒットで1点差に詰め寄った山田。
・相手の連係ミスを見逃さず、2塁から3塁へ進塁した代走並木の走塁。
・マチャド相手に初球からしっかりコンタクトし、同点に導く一打を放つとともに、続く打者武岡の場面で盗塁を決めたベテラン青木。
・一打勝ち越しの大事な場面でマチャドのチェンジアップ(スポナビではストレート表記)を強く弾き返し、決勝打を放ってみせた武岡。
1イニングの攻撃だけで、これだけ多くの選手の名前を挙げることが出来たということは、采配含めて素晴らしかったのだと思う。この攻撃が勝利に直結したことで、チームとして気持ちよく交流戦を終えることが出来たのではないだろうか?
そして9回裏の守備についても鮮やかなものがあった。1点リードの9回のマウンドに上がるのは、ここの所状態を上げ、しっかりクローザーとしての役割を果たしていた田口だと思っていたのだが、実際にマウンドに上がったのは、木澤だった。何故木澤だったのか?という部分は分からないのだが、とりあえず田口にアクシデントが起こったという感じではないようである。おそらくは、田口よりも木澤の方が準備が整っていたことや、9回のオリックスの打順の巡りを考えた中で木澤を投入したのではないだろうか?
その木澤は、太田、代打杉本、紅林の3人を完璧に抑え込んでみせた。西田とのバッテリーとなったのだが、ツーシームの残像を活かしてスプリット、カットボールで打者を打ち取る完璧な投球を披露してくれた。緊迫した場面の9回にしっかり自分の投球を披露して試合を締め括ることが出来た意味合いは大きいと感じる。木澤にとってもチームにとっても今後に繋がる9回裏となった。
9回の攻防は本当に鮮やかだった。
しかし8回までは非常に苦しいゲームとなった。一昨日、昨日とオリックス打線に打ち込まれてしまっていたのだが、今日も先発のヤフーレは、オリックス打線の前に苦戦した。いつもより多少制球にバラつきがあるようにも感じたのだが、そこまで悪い出来には感じなかったし、ある程度はいつも通りの投球が出来ていたと思う。しかし今日のオリックス打線は、ヤフーレのボールをギリギリまで引き付けて、センターから逆方向をチームとして意識しているように感じた。そのことによって、ボールをよく見極められてしまい、タイミングを外したいナックルカーブも上手く拾われてしまう場面があった。5回で101球を投げさせられ、3点を失ってしまった。良く粘れていたとは思うのだが、相手打線に今日のようなアプローチをされてしまった際に、どう対応するか?という部分は、今後の課題になりそうである。今日のオリックス打線の対ヤフーレ対策は、一つの答えを示したように感じる。おそらく他球団も追随するのではないだろうか?
P.S 交流戦は、9勝7敗2引き分けで凌ぎ切ってくれましたね。終わってみれば、不振の西武に3連勝出来たこと、今日の最終戦で逆転勝利を手に入れたことの2点がポイントになったのかな?と感じています。リーグ戦が再開すると、すぐに巨人、広島とのカードが待っています。ここを五分以上で凌げれば、まだまだチャンスはありそうですね。
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コメント
チームは下位に低迷している状況ですが、交流戦に勝ち越せたのは好材料ですね。リーグ優勝本命の阪神が躓いたのを見て、やはり交流戦は怖いなとも思います。
超匿名さんへ
何とか踏ん張りましたね。セリーグはまだ混戦ですからチャンスはありますよね。リーグ戦再開明けの巨人、広島との6試合も何とか踏ん張ってもらいたいですよね。