リーグ戦再開！快勝！明日に繋げ！

ヤクルト４－２巨人

9回に2点を失い多少ヒヤッとしたのだが、吉村が戸郷に投げ勝ち、打線も多彩なバリエーションで4点を奪い、快勝と言って差し支えない内容のゲームでリーグ戦再開となったゲームを勝利で飾ってみせた。今シーズンはこういった良い形での勝利を翌日に繋げられない場面が目立っている。今回は、今日の勝利を明日の勝利へ繋げてもらいたい。

今日の吉村は、3回で60球を要すなど、立ち上がりは球数が増えてしまった。しかしこれは、相手があってのことであり、ボールの威力、キレ自体は、あったのではないだろうか？球数が増えながらも3回まできっちり無失点で巨人打線を抑えると、4回～6回までの3イニングは、33球でまとめ、93球という球数で吉村が苦しんでいる7回のマウンドに上がることとなった。正直球数的にもこれまでのスタッツ的にも7回から継投に入るという策を取ってもおかしくなかったのだが、高津監督は7回のマウンドに吉村を送った。これは、吉村への期待値の高さを感じさせてくれる。今日はその期待に吉村が応えてみせた。吉川、坂本、岸田の3人を僅か5球で仕留め、吉村は、プロ入り以来初めて8回のマウンドにも上がることとなった。その8回にボールが多少抜けるようになり、大城と丸に四球を与えた所で降板となったのだが、また一つ階段を上ってくれた印象である。140キロ台後半～150キロ台前半を記録するストレートはコントロールも良く、質の良いボールである。そこに空振りを奪えるフォークとカウントを稼げるカットボール、スライダー、タイミングを外せるカーブとバランスよく配球し、相手打線を抑え込んでいく。今日も含めてスタミナ面での課題はあるのかもしれないが、「現在のヤクルトのエースは吉村。」と言いたくなるような投球を披露してくれた。中6日の登板間隔で、しっかり準備が出来れば、簡単には崩れないはずである。今日はレベルの高さを示してくれた。
リリーフ陣では、8回の1アウト1，2塁から吉村をリリーフした大西が立岡、ヘルナンデスをしっかり抑え、試合の流れを手放さなかった。吉村が2つの四球を与えて降板となった直後の嫌な場面だっただけに、難しいシチュエーションだったと思うのだが、良く投げ切ってくれた。大西の存在はチームにとって非常に大きい。
9回は石山が長野に2点タイムリー2ベースを浴びてしまい、ヒヤッとしたのだが、最後は田口がきっちり締めくくり、逃げ切ってみせた。

打線は、多彩なバリエーションで4点を奪い、今後が楽しみになるような攻撃を見せてくれた。初回は先頭の西川がいきなり戸郷のストレートを捉えると打球は、右中間を破る2ベースヒットとなった。丸山和が送り、1アウト3塁という場面を作ると、ここで長岡がタイムリーヒットを放ち、難敵戸郷相手にいきなり先制点を奪ってみせた。4回には、山田が戸郷の高めに浮いた失投のフォークを見逃さず、レフトスタンドに飛び込むソロホームランを放ってみせた。今日の山田は、第1打席から打撃フォーム、スイングに力強さを感じたため、2打席目以降が楽しみだったのだが、その2打席目でいきなり結果を出してみせた。山田のコンディションに関しては、日々状況が変化してしまうと思われるため楽観視は出来ないのだが、今シーズンの中では、最も良い状態にあるのではないだろうか？明日以降も楽しみである。
6回は、先頭のサンタナがセンターオーバーの2ベースヒットで出塁するとその後ワイルドピッチ後に山田が四球で出塁するもののオスナは、キャッチャーファールフライに倒れ、1アウト1，3塁で打席には、8番中村を迎えることとなる。続く打者が投手の吉村ということを考えると、中村の打席でどうしても1点が欲しい場面だった。中村のバントの上手さを考えればスクイズという選択肢はなくはないのだが、3塁ランナーがサンタナであることを考えるとスクイズを選択するのは、難しい場面に感じた。個人的にはスクイズが失敗してしまうリスクとサンタナが怪我をしてしまうリスクを考えると中村の打撃に掛ける場面だと感じていた。しかし高津監督は、カウント２－１の4球目にスクイズのサインを出し、中村は難易度の高い場面でのスクイズをしっかり決めてみせた。決めた中村、走ったサンタナはもちろん素晴らしいのだが、この場面でスクイズのサインを出すこと自体が凄いことだと思う。今日の奇襲とも言えるスクイズが成功したことによって、明日以降のゲームでは相手チームがヤクルトに対して色々なことを警戒しなければならなくなるはずである。おそらく明日以降のゲームでは、今日のようなスクイズは当分使わないと思われる（セーフティスクイズであればあり得るかな？）。しかし相手チームはケアしなければならなくなる。そういったシーズン全体を見渡した中でも今日の3点目は意味のあるものになったと思う。
8回には、6回のチャンスで凡退してしまったオスナがタイムリーヒットを放ち、試合の流れをがっちりと掴んでみせた。

今日のゲームは吉村の好投と打線の多彩な攻撃により勝利したゲームである。この気持ちの良い勝利を明日の勝利に繋げてもらいたい。