ヤクルト0-1x広島(延長11回)
スコア的には、0-1なのだが、試合内容はと言うと、防戦一方のゲームだった。そんな中でもピンチを凌ぎ、逆にこういうゲームは押され気味のチームの方に勝機が巡って来るのではないか?とも思ったのだが、最後の最後までヤクルトに流れが傾くことはなく、田口が石原にサヨナラホームランを浴びて、8連敗となってしまった。昨年の12連敗時も感じたのだが、今回の8連敗も流れの悪さ以上に「実力不足」という印象が強い。シンプルに力負けしてしまっているゲームが多く、連敗が止まったからと言って、そこから巻き返したり、流れが変わったりする可能性は低いと感じている。
私は、このブログで何度か、数年後のヤクルト野手陣について、危惧する部分があるということを書いてきた。山田の年齢的な衰え、塩見の怪我の多さ、村上のメジャー移籍、これらが重なると思われた2025年、2026年辺りは、チームが非常に危険な状況に陥る可能性が高いと思っていた。その前に何かしらの手を打つ必要があると感じていたし、ヤクルトのフロントも2022年のドラフトで西村、澤井、北村恵を獲得したり、今シーズン途中にはサンタナ、オスナと3年契約を結んだとの報道がなされたりと動きは出しているのだが、私が思っていたよりも早く、まさに「今」危惧していたことが現実となってしまった。2021年、2022年シーズンに他チームと比べて大きなアドバンテージとなっていた村上の不振、山田の怪我と不振、塩見の長期離脱にサンタナの離脱も重なってしまい、他のメンバーでカバーしきれない状況に陥ってしまっている。プロの世界でも超一流、一流と呼ばれるような選手とそれ以外の選手とでは、明確な実力差が存在していると考える。ヤクルトで言えば、やはり村上、山田、塩見辺りは、NPB全体という枠組みで見ても、スペシャルな選手だと思うし、オスナ、サンタナも優秀な助っ人外国人選手だと思う。しかしこれらの選手が怪我や不調に苦しんでしまうと一気にチームが弱体化してしまう。私は、プロ野球に関しては、「チームあっての個」というよりも「個あってのチーム」という考え方をしている。やはり高い能力を持った選手が多くいるチームの方が強いチームになるのではないか?と考えている(もちろん選手のタイプによるバランスというものも重要だと考えているが。)。チームの核となる選手が不振に陥ってしまったり、怪我で離脱してしまうと、どんな名監督であってもチームを浮上させるのは至難の業になってしまうと思っている。
そんな中で高津監督をはじめとする首脳陣は、様々な手を打ちながら、悪い流れを止めようとする姿は伝わってくる。しかし采配だけで勝利を重ねることは、難しいことである。1つ勝ったとて…というチーム状況なのではないだろうか?それでも気持ちを切らさずに戦い続けてもらう他ないのだが…
今日のヤクルト打線は、広島先発大瀬良からは、6イニングで宮本が放った2安打の身に抑えられ、その後の5イニングは、ハーンー塹江ー栗林ー森浦ー黒原の前に、丸山和が放ったヒット1本の合計3安打に抑え込まれてしまった。冒頭にも触れたのだが、塩見が長期離脱、山田はコンディション不良とそれに伴う不振、村上は、昨シーズン以上に状態が悪く、サンタナも怪我で試合には出場していない。シーズン前にはいわゆる不動のレギュラーと思われた選手達が思うような結果を残せないでいる状況である。こうなった時に、代わりの選手が出てくれば良いのだが、そんなことは、滅多にお目に掛かれないことである。特に野手に関しては、1軍レベルの投手の球筋に慣れるところから始めなくてはならず、結果が出るまでにそれなりの時間が必要になることが多い。そうなると主力が離脱してしまったり不振にお陥ってしまうと、簡単には穴は埋まらなくなってしまう。これは、ヤクルトに限らずどのチームでもそうだと思うのだが、ヤクルトの場合、野手陣の層の薄さも相まって極端にチーム力が落ちてしまっている印象である。今日は「広島投手陣に危なげなく抑え込まれてしまった。」と感じるゲームだった。相手側から見れば、今のヤクルト打線は、怖さも嫌らしさも感じないのではないだろうか?不振でもチームの頼みの綱である村上が今日は5打数5三振と散々な結果に終わってしまい、得点を奪うチャンスすらほとんど作ることが出来なかった。
村上に関しては、昨シーズンから書いているのだが、私には、どこが悪くなっているのか、さっぱり分からない。ある程度ボール球は見逃せているし、強いスイングも出来ているように思う。甘いボールにはしっかり手を出せているように感じるのだが、あまりにも空振りが多過ぎるのが気になる所である。昨シーズンも同じことを感じていたのだが、昨シーズン以上に数字を落としていることが気になる。三冠王を獲得したことからも分かるように、村上は、本来、長打(ホームラン)と打率の両面が期待できる選手である。だからこそ、相手から警戒され、四球も増え、高い出塁率を残すことが出来ていた。しかし、今の村上は、あまりにも三振が多過ぎる。2020年~2022年シーズンまでと、2023年、2024年シーズンでは、目に見えて数字が悪くなっているため、何らかの原因があるはずなのだが、素人の私にはその原因が全く分からないのである。数字を落としてしまった要因をしっかりつかみ、打撃を修正していかなければ、メジャー挑戦も遠退いてしまう。
「村上は3年18億、ポスティング容認。 | ヤクルトファンの日記 (ysfan-nikki.com)」←このブログ記事の中でも書いたのだが、私は、村上のメジャー挑戦を全力で応援したいと思っている。2021年、2022年の村上には、メジャーで通用するのではないか?と思わせるだけの説得力があった。だからこそ村上がヤクルトに在籍している間は、全てのシーズンでリーグ優勝を狙ってもらいたいと考えていた。しかし実際には、村上が大きく数字を落とす中でチームも数字を大きく落としてしまっている。このままだと下手をするとポスティングを利用してのメジャー挑戦が出来るかどうかも怪しくなってきてしまう。力があることは分かっているため、後は、狂った打撃をどこまで修正できるか?という部分がポイントになることは間違いないだろう。何とか復調してもらいたい。
投手陣は、今日は久々に小澤が先発ということで、私は単純に小澤を先発へ戻したと思い込んでいたのだが、実際には、オープナーとしての起用で、2回までの登板となり、3回から高橋がマウンドに上がることとなった。いわゆる「デザインされた継投」ということになるだろうか?立ち上がりに不安のある高橋に対して、安定感のある小澤に1回、2回を任せ、3回から高橋がマウンドに上がることとなった。まずは小澤が2回無失点とオープナーとしての役割を果たした。個人的にはオープナーを使う場合、2番手でマウンドに上がる投手は、出来れば下位打線から始まるイニング(投手が打席に入るイニング)から投げ始めるのが理想的と感じているため、今日はそういった展開にならなかったことが気になったのだが、高橋は、そんなことはお構いなしに、8回途中まで広島打線を無失点で抑え込んでみせた。毎回のようにランナーを出す苦しい投球ではあったのだが、それでも打線がほぼ完璧に抑えられている中で、よく粘ってくれたと思う。小澤も高橋も今日の登板を良いきっかけにしてもらいたい。
その後のリリーフ陣も大西、山本が火消しの役割を果たし、10回も木澤が無失点で凌いだのだが、11回のマウンドに上がった田口が先頭の石原にサヨナラホームランを浴びてしまった。6月27日に逆転サヨナラ負けを喫してしまった時には、この石原に13球粘られた末に、四球を与えてしまい、そのことが逆転サヨナラ負けに繋がってしまったのだが、今日は田口の武器であるスライダーを完璧に捉えられてしまった。まだレギュラーを獲得した訳ではないのだが、この石原は、気になる捕手である。広島の石原と言えば「石原慶幸」のイメージが強いのだが、近い将来、広島の石原と言えば「石原貴規」という時代が来るのだろうか?
P.S そんなゲームで2安打と気を吐いた宮本は、見事ですね。川端の陰に隠れながらも代打で結果を残していた集中力の高さは健在ですね。
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コメント
マツダという球場のせいだけではなく、単純にチームが弱いですね。近年は珍しくなくなっている只の最下位ではなく、ダントツのという言葉が付く結果に終わりそうなチーム状態に見えます。村上の状態や抑え不在を筆頭に問題だらけですね。
超匿名さんへ
広島ファンで埋まるマツダスタジアムの難しさはあるかもしれませんが、それよりも自チームの実力ですよね。何とかチーム状態が上がってくると良いのですが…。難しいですかね。