ちょっとした綻び

ヤクルト１－４巨人

ほんのわずかな綻び、ミスが試合を決定付けることがある。今日はそんなゲームだったのではないだろうか？石川は、先発として試合を作るという最低限の役割はこなしてくれたし、岩田は、守備でビッグプレーを見せ、足でも得点に貢献してみせた。太田は、1軍で起用されてから毎試合ヒットを放っている。悪くはなかったのである。しかし、この3選手は、各々、今日のゲームでは悔いを残しているはずである。2アウトランナーなしから2つの四球を与え、そのことが先制点に繋がってしまった石川、初回の大城の大飛球を捕球出来なかった岩田、8回のエラーが低迷的な追加点に繋がってしまった太田、いずれもちょっとした綻びだし、こういったミスをカバーできるゲームもあるのだが、今日は、いずれの綻びも試合を決める要因となってしまった。全体を通して褒められるゲームではなくなってしまった。

先発の石川は、5回で75球を投げ、被安打5、与四死球2の2失点という数字が残った。大ベテラン44歳の石川としては、悪くない数字ではあるのだが、一先発ローテを守る投手としては、5回75球での降板は、物足りなさも感じるし、おそらく本人も後1イニングは投げなければならないという気持ちは持っているのではないだろうか？もしチームが優勝争いをしているのであれば、中10日以上空けて先発する石川の存在意義も高まってくると思うのだが、今のチーム状況では、試合での石川のチームへの貢献度というものがどうしても高まってこないというのも現実ではないだろうか？だからこそ、石川自身も悔しさを感じていると推察する。その悔しさが石川が長年NPBのトップランナーであり続けた原動力であり、今後の活躍にも期待したいのだが、やはり今日のようにある程度失点を抑えることが出来たゲームに関しては、もう1イニングは投げてもらいたい気持ちがある。
そして今日に関しては、1回の2失点があまりにも痛かったし、取られ方も良くなかった。先頭の丸にヒットを許したものの吉川をダブルプレーに斬って取り、一旦はピンチを脱したかに見えたのだが、ここからヘルナンデス、岡本和に連続四球を与えてしまった。こういう所は、石川らしくない。相手先発が好調菅野であったからこそ、先制の1点を与えたくないという強い気持ちを持っていたのかもしれないが、ヘルナンデスを歩かせたことで、自分の首を絞めてしまうような状況になってしまった。大城の当たりは、守備で大いにチームに貢献してもらいたい岩田であれば捕球してもらいたい打球ではあったのだが、フェンス際まで飛ばされてしまったことに違いはない。今日のゲームに関しては、この2失点の持つ意味は非常に大きかった。

そして、今日センターでスタメン出場となった岩田は、大城の飛球を捕球出来なかった直後の坂本の左中間への大飛球は、完璧なタイミングでジャンプし、高い跳躍力を見せ、100点のプレーで捕球し、5回には、吉川の右中間への飛球に対して最短距離で快足を飛ばし、フェンス際で捕球する大ファインプレーを見せてくれた。坂本の打球、吉川の打球に対してのプレーは、元ロッテの岡田幸文を思わせるような素晴らしいプレーだった。それだけに大城打球は「岩田であれば捕球して欲しかった。」というのが私の思いである。あの打球をキャッチしてこそ、岩田をスタメン起用した意味があるのだと思う。決して大きなミスではないのだが、ちょっとした綻びではあったのではないだろうか？

そして太田の8回の守備に関しては、痛いプレーとなってしまった。太田自身、そこまで守備の良い外野手ではないのだが、球際での強さを見せることもあり、最低限のプレーはこなせる選手であるのだが、今日はヘルナンデスのセンター前ヒットをファンブルしてしまい、一塁ランナーを三塁まで進塁させてしまった。直後に岡本和に犠牲フライを浴びてしまい、太田のミスが致命的な1失点に繋がってしまった。1軍昇格後必死のプレーを見せてくれており、打撃でも少なからず結果を残しているのだが、今日のミスは痛かった。

このように石川も岩田も太田もちょっとした綻びが出てしまった。そしてそれが敗戦に繋がってしまった。結果はどうであれ、こういったゲームは減らしていかなければならない。逆にこういったゲームが増えてしまっては、勝ち星は増えてこないと考えられる。

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