当たり前ではない。

2024試合結果


ヤクルト1-3中日

中日先発の高橋宏斗は、今シーズン開幕直後は出遅れたものの、その後圧倒的な投球を見せ、もしかすると防御率0点台もあり得るのではないか?と現実的に感じさせてくれた時期もあったくらいである。今日はその高橋宏相手に村上がソロホームランを放ったのだが、そのホームランが、今シーズン高橋宏が浴びた最初のホームランだったということである。改めて高橋宏の凄さを感じることが出来たのだが、その一方で村上の凄さも感じることが出来た。
村上VS高橋宏は、令和の名勝負の一つだと思っている。三冠王を獲得した2022年シーズン、高橋宏相手に驚愕のホームランを放った記憶は今でも鮮明に覚えている。2022年と言えば高橋宏が飛ぶ鳥を落とす勢いで頭角を現したシーズンである。勢いのある若手投手相手にホームランを放つ若きスラッガーの姿を見て、村上がヤクルトに在籍する期間は、全てのシーズンでリーグ優勝、日本一を現実的な目標として捉えなければならないと思ったものである。
しかし2023年シーズン、2024年シーズンと村上は、数字を落としてしまい、対高橋宏という意味でもねじ伏せられてしまう場面が目立っていた。私は、村上がレギュラーを奪った2019年シーズン~2022年シーズンまでの姿を見て、村上は、2022年シーズンのような数字を当たり前のように残すものだと勝手に思い込んでしまっていた。NPBでは、敵なしに近い存在として君臨するものだと思っていた。しかし実際には、23年、24年と思ったような数字を残せていない。それでもリーグトップクラスの数値は残しているため、今でも図抜けた実力を持った選手という認識に変わりはないのだが、2019年~2022年までの村上の数字に関しても「当たり前」に残した数字ではないことを実感している。日々の鍛錬の積み重ね、フィジカル面、メンタル面の充実など様々な要素が高いレベルで揃った中で結果を残してきたことをファンは忘れてはならない。
中日の高橋宏に関しても当たり前のように防御率0点台を狙えたわけではないし、被本塁打0を継続していた訳ではない。
野球は、数字のスポーツと言われる側面もあり、私自身数字は大いに参考にさせてもらっているのだが、数字にとらわれ過ぎてはいけないという思いも持ち合わせている。私は、どこかで「村上ならこれくらいやって当たり前。」、「高橋宏ならこれくらいやって当たり前。」というような感覚で野球を見てしまうことがあるのだが、その裏では、1試合1試合に向けて血の滲むような努力と準備を続けていることを忘れないようにしたいと思う。

前段が長くなってしまったのだが、今日のゲームは、3回にヤクルト先発ヤフーレが、川越に先制3ランホームランを浴びてしまったことにより、かなり厳しい展開になったことは間違いない。中日の若きエース高橋宏相手に、3点のビハインドは、間違いなく3点以上の重みがあった。それでも直後の4回に「おっ!」と思わせてくれたのが、村上のソロホームランだった。インコースやや真ん中より低めのカットボールを捉えると打球は弾丸ライナーでそのままライトスタンドへ突き刺さった。角度が付いていなかったため、フェンスオーバーはしないかな?という打球に見えたのだが、打球は失速せずにそのままホームランとなった。おそらくかなりの打球スピードだったのではないだろうか?今シーズンの高橋宏相手に、こういった打球を放てる村上は、やはりとんでもない選手だということを実感することが出来た。色々と試行錯誤を続けていると思うのだが、この一発を見ただけで、NPBでは図抜けたスラッガーであることを証明してくれたように感じる。
結局打線は、村上のソロホームランによる1点に抑え込まれてしまったのだが、だからこそ村上のホームランが際立ったのではないだろうか?

ヤクルト先発のヤフーレは、3回に川越に先制3ランホームランを浴びるなど、6回で95球を投げ、被安打8(被本塁打1)、与四死球2の3失点で負け投手となってしまった。これで今シーズン10敗目となってしまったのだが、以前のブログにも書いたように、今シーズンのヤフーレの投球は、大いに評価してよいと思っている。NPB1年目ながら、開幕からほぼローテを守り切り、試合を作ってくれている。巷で噂され続けている「ボールが飛ばないのではないか?」という部分が現実なのであれば、来シーズン以降ヤフーレが壁にぶつかる可能性はあるのだが、似た球速帯のボールを駆使して、打者に的を絞らせず、打たせて取る投球スタイルは、希少価値が高い。
2番手で2イニングを投げた原もリリーフとして短いイニングで全力で腕を振ることが出来ている。やはり近藤一樹や近藤弘樹の姿が重なる。覚悟を決めた人間の強さを感じさせてくれる。

21年にリーグ優勝、日本一、22年にリーグ優勝を果たしたヤクルトではあるが、今シーズンは最下位に沈んでいる。強いことが当たり前ではないことを感じさせるシーズンとなっている。




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