ヤクルト8-1中日
ヤクルトは、すでに消化試合となっているのだが、消化試合と言えども公式戦である。オープン戦ではないのである。2020年に最下位に沈んだ時には、高津監督の投手運用に慣れていなかったこともあり、いわゆる消化試合がオープン戦のように感じてしまうこともあったのだが、今日のゲームを見て、あくまでも勝利を最優先して戦っていることを感じることが出来た。「勝ちに行って勝ったゲーム。」という印象である。
前回の登板で初完投初完封を飾っていた吉村は、今日も安定した投球を見せてくれた。前回の登板時に比べてストレートの球速は出ていなかったのだが(京セラドームとバンテリンドームナゴヤのスピードガンの違いもありましたかね?)、前回同様、ランナーを出しても危なっかしさを感じさせない投球でアウトカウントを重ねていった。この辺りは、複数の球種で簡単にストライクを取ることが出来るからこそ醸し出せる雰囲気なのかもしれない。取りたい時には、フォークを決め球に三振を奪いに行くことも出来るのだが、今日は、打たせて取る投球で中日打線を抑え込んでみせた。この辺りの引き出しの多さも吉村の武器である。勝てない時期もあったのだが、シーズン終盤に来ての2連勝は、吉村にとって大きな出来事であり、来シーズン以降に繋がるのではないだろうか?
7回からは、丸山翔ー木澤ー今野と1イニングずつ繋いでみせた。
来シーズンに向けてサバイバルレースの真っ只中にいると思われる今野が久々に1軍のマウンドに上がった。色々と投球フォームを試行錯誤していることが伺えたのだが、今野の武器であるストレートの質の良さは、今日の投球でも垣間見ることが出来たのではないだろうか?とにかくシーズン終了までアピールを続けてもらいたい。
打線は、サンタナのホームランを含む3安打4打点の活躍、オスナのタイムリー2ベースを含むマルチヒット、村上の2試合連続となるホームランと中軸の打者が結果を残すゲームになったのだが、並木のスクイズ含めて、チームで4つのバントを決め、そのバントが得点に結びついたように「勝ちに行って、勝ち切る。」もしくは「獲りに行って獲り切る。」姿が印象に残った。
高津監督のカラーの一つに機動力の積極活用という部分があったように私自身は感じている。無闇に盗塁、エンドランを仕掛けることはしないのだが、効果的な仕掛けをする中で、得点力のアップを図ろうとしている意図は伝わってくる。送りバントの企図についても、私はそれ程不可解に感じる場面は多くなかったと記憶している。攻撃時の作戦自体全てを高津監督が担っているということはないと思うのだが、私は、機動力の使い方という部分こそ野村克也監督の影響を受けているのかな?と感じることがある。野村監督は、積極的にランナーを動かしていた印象を持つファンの方もいるのかもしれないが、その実、送りバントをはじめ、オーソドックスな策、セオリー通りの策を用いることが多かった監督だと思っている。「動くぞ、動くぞ。」と相手に思わせながら、実際には、激しく仕掛けることは少なく、相手に考えさせることで自チームが優位に立てるように仕向けることに長けた指揮官だったのではないだろうか?目先の1試合だけでなく、シーズンを通して考えながら采配を揮う監督だった。その辺りの影響を高津監督も受けているのではないだろうか?チームが低迷しているため、この辺りの策は成功しても目立ってこないのだが、今日のゲームの送りバントとスクイズは、決して消極的な策には映らなかった。勝つために必要な策を講じる、それがたまたま送りバントであり、スクイズだったということなのだろう。
P.S 今シーズンオフに是非サンタナの打撃論の話を聞いてみたい。打席でどういう準備をし、相手投手のボールに対してどのようにアジャストしようとしているのかが気になっている。外のボールを逆方向に持っていくこともあれば、今日のようにセンター方向へ大きな飛球を飛ばすこともある。そして時には長い腕を器用にたたんで、レフト方向へドライブ回転の掛かったライナー性の打球を放つこともある。同じヒット、ホームランでも打球によって球質が全く違うのがサンタナの打撃の特徴のように感じている。本人なりに「こういったコース、球種のボールにはこういったスイングで対応しよう。」というようなマニュアルみたいなものがあるのだろうか?おそらく来た球を反応で打ちに行く「天才タイプ」のバッティングではないように思われるため、頭でどのように考えて打席に入っているのか気になっている。
プロ野球チップス2020 第2弾 C-07 ヤクルト:高津監督 (チェックリスト) (チェックリスト) 価格:150円 |
にほんブログ村
コメント
広いビジター球場で2試合連発の村上、一昨年までのらしさが戻ってきたかと思いたいがどうですかね。
ドームで連勝の吉村、空調が効いていたからではなく実力だと思いたい。次回登板に注目です。
相手が左ピッチャーだから澤井廉を出さないのか、まだ右膝の影響があるから出さないのか分からないですが来年は相手ピッチャーが左右関係なくスタメンで出場することを期待しています!
アームさんへ
現状1軍レベルのサウスポーへの対応に苦しんでいる部分はありますかね。来シーズンに向けた競争は興味深いですよね。
超匿名さんへ
吉村は、残りの登板も結果に拘ってもらいたいですよね。期待して見たいと思っています。