あの頃の高梨が戻って来た

2024試合結果


ヤクルト1-2阪神

5連勝はならなかったが、良い試合だった。まずは、高梨が7回11奪三振2失点という快投を見せてくれたからこその好ゲームということが出来るのではないだろうか?2本の被本塁打は、いずれも失投の類であり、高梨自身悔いは残ると思うのだが、昔の高梨の姿が戻って来たかのように感じる奪三振マシーンっぷりだった。

高梨が今シーズン初めて1軍のマウンドに上がったのは、7月末のことだった。先発起用されたのは、8月に入ってからのことである。カットボールやツーシーム系のボールの割合を増やし、生き残りのために投球スタイルを必死になって模索しているように感じた。そんな努力が実を結んだのか、高梨はここまで5~6イニングを2~3失点以内に抑え、試合を作り続けてみせた。そして今日は、若き日のボールの威力とキレで勝負していた「あの頃の高梨の姿」が戻って来たように感じた。ストレートに力があり、フォークのキレ精度も抜群だったため、阪神打線を相手に面白いように三振を奪ってみせた。ボールが走っている時の高梨は、こういった相手を圧倒するような投球が出来るのだが、ここ数年の投球内容を見ていると、このタイミングでこういった投球を見せてくれるということは、良い意味で予想外だった。やはり私の中では、高梨と言えば、ストレート、フォーク、カーブの印象である。ボールが走っている時の高梨は、この3球種で打者と勝負することが出来るだけのスキルを持っている。今日は、もちろんカットボール、ツーシームも使っているのだが、昔の高梨の姿を見ているようでどこかエモーショナルな気持ちにさせられた。
それだけに佐藤輝、前川の2人に浴びた2者連続のホームランが痛かった。佐藤輝にはフォークが甘くなったところを完璧に捉えられ、前川には、カウントを悪くして、四球を嫌ったのか外角を狙ったストレートが真ん中に入ってしまったところを完璧に捉えられてしまった。33歳になっても投球に若さ、蒼さを感じるのが高梨である。この部分を今から修正することは難しいのかもしれないが、それでも工夫はし続けてもらいたい。

高梨が好投する中で、打線は何とか援護をしたかったのだが、苦手ビーズリーの前に抑え込まれてしまった。ビーズリーに関しては、開幕直後に対戦した時には、このブログ内で「阪神の中では序列が下の先発投手」というような表現をした記憶があるのだが、カットボール、スライダーを右打者、左打者関係なく内外に投げ分けることで打者から見ると非常に対峙し辛い投手であることを理解した。ビーズリーなりの型を持っており、相手がどこであろうと、自分のスタイルを貫けるだけの強さを感じることが出来る。今日は、初回にそのビーズリーのワイルドピッチで1点を先制したのだが、そこから追加点を奪うことが出来なかった。積極的に盗塁を仕掛けるなど、ビーズリーを揺さぶろうとする姿は見られたのだが、ビーズリーの投球は乱れなかった。この辺りがビーズリーの強さだと感じる。
ビーズリーがマウンドを降りた後の8回、9回には、それぞれ桐敷、ゲラからチャンスを作ったのだが、後一本出すことが出来なかった。
8回に関しては、7回裏のピンチを凌いだ直後であり、先頭の代打増田がヒットで出塁したため、一気に流れを変えたい所だったのだが、西川がランナーを進めることが出来ず、ヤクルトベンチは、1アウト1塁から岩田に送りバントを命じる策に出た。この策に関しては、賛否分かれるのではないだろか?私自身は「否」の意見である。岩田を先発起用しているということは、こういった場面で送りバントを命じることに何ら不思議はないのだが、1点ビハインドの8回、ビジター甲子園でのゲームということを考えると、2アウト2塁というシチュエーションを作れても、阪神は、それ程嫌には感じなかったのではないだろうか?「同点まではOK」くらいの気持ちで対応出来てしまう場面のように感じた。それであれば、1塁ランナー並木との間でもう少しプレッシャーを掛けても良かったかな?という気持ちがする。もちろん岩田は、まだまだ1軍での実戦経験に乏しく、あの場面で余裕を持って打席に入ることは難しく、相手バッテリーにプレッシャーを掛けることは難しかったのかもしれないが、多少リスクを背負ってでも一球目はウエイトするなどの策があっても良かったように感じる。2アウト2塁という形を作れたため、この策が失敗した訳ではないのだが、岩田には、ここで何かを仕掛けられる雰囲気を持った選手になってもらいたい。

巨人に連勝するなど4連勝で甲子園に乗り込み、高梨も快投を見せてくれたのだが、後一歩届かないゲームとなってしまった。




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コメント

  1. 超匿名 より:

     高梨は自身の来季の巻き返し、チームもペナント奪還に向けて計算のできる先発が戻ってきたと期待が持てる結果だったと思います。次は小川の番ですね。

    • fiys より:

      超匿名さんへ

      今回の高梨は、調子の良い状態での投球でしたよね。ストレートの走りやコントロールがイマイチな際にどういった投球が出来るのか?という部分がポイントになりますかね?

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