阪神の型

2024試合結果


ヤクルト0-3阪神

昨年のチャンピオンチームであり、今シーズンも現在首位巨人と2ゲーム差の2位に付ける阪神は、チームとしての必勝パターン、いわゆる「型」を持ったチームである。今日はスコア的には中盤まで0-0で推移し、最終的には、3-0というスコアで阪神が勝利することになるのだが、点差以上に実力差を感じるゲームとなった。それは、阪神の型の中でゲームが推移している印象が残ったからである。もちろん初回の増田の打球含め、少しでも状況が違っていれば、また試合展開も変わっていたと思うのだが、それでも阪神の強さというものを感じさせられるゲームとなった。
今シーズンの阪神は、昨シーズンに比べて個々の選手の状態自体は落ちているようにも感じるのだが、それでもこの時期に十分優勝を狙える位置に付けているのは、チームとしての戦い方が出来上がっているからこそだと思う。セリーグの優勝争いは最後までもつれそうである。

そんなゲームであったからこそ、初回の攻撃は惜しかった。阪神先発の大竹を相手に先頭の長岡がヒットで出塁するとサンタナ、オスナが四球で出塁するなど、2アウト満塁のチャンスを作り、今日6番ライトでスタメン出場となっていた増田に打席が回った。その増田は、カウント2-2と追い込まれた後の6球目の高めのストレートに上手くバットを入れ、ボールにスピンをかけると、打球はレフトフェンス際への飛球となった。そのままスタンドインするかな?というような打球だったのだが、この打球を阪神レフトの前川がフェンスに激突しながらも捕球してみせた。前川は、決して守備の上手い選手という印象はないのだが、右手を上手く伸ばして打球をキャッチしてみせた。シチュエーション的にも最高のプレーになったのではないだろうか?
この場面で3点もしくは4点入っていれば、試合展開は、大きく変わったはずである。そんな場面で冷静に打球を処理した前川のプレーは素晴らしかった。増田の打球に対しては、グローブが届くギリギリまで我慢して、フェンス際でキャッチしたプレーは、大いに称賛されるべきプレーだったのではないだろうか?
ヤクルト側からすると、このチャンスを逃したことによって、大竹を立ち直らせてしまった。今日の大竹は四球が多く、らしくない投球にも見えたのだが、それでもクレバーに試合を作れるところに「らしさ」を感じさせられた。チャンスを作っても、チャンスに感じないようなそんな安定感を感じさせてくれた。甲子園に乗り込む前の巨人との2連戦で機能していた打線は、甲子園では繋がることがなかった。阪神の投手力と守備力の高さを見せ付けられる結果となった。

ヤクルト先発の小川は、約1か月空いての先発登板となったのだが、変化球も上手く駆使しながら粘り強く阪神打線を抑え込んでいった。最終的には、6回に森下、大山に連打を浴びた所で降板となり、代わった田口、木澤が得点を許してしまったことにより、負け投手となってしまったのだが、ベテランらしい、そして小川らしい、投手としての引き出しの多さを感じさせてくれた。今シーズンの小川は、コンディション不良での離脱もあり、ここまで2勝にとどまってしまっているのだが、毎年、投球フォームを試行錯誤したり、新たな球種を習得したり、投球スタイルを変えたりする中で長きに渡って安定した成績を残し続けている。決してサイズには恵まれていないのだが、常に相手を抑え込むための方法を考え続け、努力していることが伝わってくる投手である。大ベテラン石川も偉大な投手なのだが、この小川もおそらくは、同業者から評価される投手なのではないだろうか?若い頃のストレートの威力は、今はないのだが、それでも安定して試合を作れるところに小川の凄みを感じることが出来る。おそらくもう1試合か2試合登板する機会があると思われるため、次回の登板も楽しみにしたいと思う。
小川の粘りの投球を勝ちに繋げたい所だったのだが、ピンチで登板した田口、木澤が阪神の勢いに飲まれてしまい、7回には原が森下にタイムリーを浴びてしまい、この1点が致命傷となってしまった。阪神打線は、セリーグ6球団の中では、特に強力打線という印象はないのだが、昨シーズンから「線」として機能するようになっているし、森下、大山、佐藤輝は、数字以上に威圧感を感じる。一昨年までの阪神は、巧打者タイプの選手が複数人いても、頼りになる長距離砲に乏しく、相手チームに怖さを感じさせられる打線ではなかったのだが、今の阪神打線には多少なりとも怖さを感じる。守備がしっかりした中で、必要最低限の得点能力を有している印象である。
今シーズンのヤクルトも甲子園では非常に苦しい戦いを強いられた。来シーズン以降は、巻き返してもらいたいのだが、阪神との実力差に甲子園の圧が加わることで、難しいゲームが続いてしまっている。

P.S 阪神の森下は、一段レベルアップした印象ですね。昨シーズン、今シーズンの前半はまだまだ脆さを感じる部分があり、特に変化球に崩されることが多かったように感じるのですが、最近は、ボールをしっかり見極め、自分のスイングが出来ているように感じます。プロ2年目でここまでアジャストしてきたか?という印象です。




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コメント

  1. 超匿名 より:

     小川は粘りの投球で試合を壊さなかったのは評価できます。でも今季チームが低迷した原因の1つなのは間違いないでしょうし、来季の巻き返しを期待しています。
     近本によく打たれます。最多安打争いもありますが、この人を多く塁に出すと足によるプレッシャーを掛けられて戦いにくくなりますからね。もう少し抑えないと阪神戦の勝ちは近くなりませんね。

    • fiys より:

      超匿名さんへ

      小川もすでにベテランの域に入ってきましたからね。上手くコンディションを作って、来シーズンに臨んでもらいたいですよね。

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