今年も他球団のドラフトについても簡単に振り返っておきたい。
・2023他球団のドラフト | ヤクルトファンの日記
・2024年FIYS的1人モックドラフト | ヤクルトファンの日記
巨人 ドラフト1位 石塚裕惺(花咲徳栄)右右 内野手
・1位で金丸(関西大)に入札したのだが、抽選で逃してしまった巨人は、すぐさま将来の主力候補になり得る内野手、石塚の獲得に切り替えた。石塚は、坂本勇人のようになり得る逸材だと感じる。良い選手を獲得できたのではないだろうか?
また2位では浦田(九産大)を獲得したのだが、この辺りに、今の巨人がどういったチームを作ろうとしているのか伝わってくるような気がした。今年の戦い方を見ていても、守備、走塁という面で高いレベルにある選手を揃えようとするチーム方針は伝わってくる。1位で遊撃手の石塚を獲得しながらも2位で大学生遊撃手の獲得に動いた所に、巨人の特徴が伝わってきた。
個人的には、石塚、4位の石田(北星学園大付)については、将来のスター候補として高く評価していた選手であるため、この2人の選手の獲得は将来という部分で非常に楽しみなのではないだろか?
3位の荒巻(上武大)、5位宮原(東海大静岡キャンパス)も一芸に秀でた楽しみな選手である。
ソフトバンク ドラフト1位 村上泰斗(神戸弘陵)右両 投手
・宗山(明大)、柴田(福岡大大濠)を逃してしまったソフトバンクが次に指名したのは、高校生投手の村上だった。甲子園には縁のなかった投手なのだが、ストレートの威力は、抜群である。打者が差し込まれたり、振り遅れたりするのが、画面上で伝わってくる迫力がある。如何にもソフトバンクが好みそうなタイプの投手である。
3位安徳(富士大)、6位岩崎(東洋大)は、即戦力の投手である。安徳は村上同様キレのあるストレートに特徴がある投手であり、リリーフで1年目から期待できるのではないだろうか?
野手は、庄子(神奈川大)、宇野(早稲田実)、石見(愛工大名電)とタイプの違う3人の内野手を指名してきた。層の暑いソフトバンクで他の選手との競争は熾烈なものになりそうである。ここでは触れないが、育成契約の選手含めて、チーム内で激しい競争原理が働いているソフトバンクは、毎年ソフトバンクにしかできないドラフトを展開してくる。
阪神 ドラフト1位 伊原陵人(NTT西日本)左左 投手
・金丸を逃した阪神が外れ1位で指名したのは、社会人の即戦力サウスポー伊原だった。金丸と比べるとスケールダウンしてしまう印象はあるのだが、先発でもリリーフでも使い勝手が良さそうな所が伊原の長所ではないだろうか?個人的にはリリーフとして1年目からフル回転する姿を想像している。
2位でスケールが大きく、投手としての総合力も高い高校生投手今朝丸(報徳学園)も確保し、1位、2位でチームの核になりそうな投手を2枚獲得できたのは大きかったのではないだろうか?全体を見るとちょっとこじんまりしている印象も残るのだが、3位以降は、今のチームに必要な選手をピンポイントで獲得したということだろう。
日本ハム ドラフト1位 柴田獅子(福岡大大濠)右左 投手
・日本ハムのドラフトはとにかくブレない。獲得に向かう選手の基準がしっかりしていることが伝わってくる。今年も№1評価である宗山に入札し、逃すと二刀流での活躍も期待される柴田の獲得に切り替えた。柴田に関しては、どちらかというと「投手」として評価するチームが多いのかな?と思っていたのだが、大谷や矢澤、もっと言えば上原らを様々な考え方で戦力にしようとしてきている日本ハムであれば、柴田もまずは投手、野手両面で可能性を探ることになるだろう。日本ハムと柴田、「相思相愛」の関係なのではないだろうか?
2位藤田(東海大相模)、3位浅利(明大)、4位清水(前橋商)、6位山城(法大)は、どの投手もこれから投手としてのスキルを学んでいかなければならない投手だと思うのだが、潜在能力の高い選手ばかりである。この辺りの指名も日本ハムっぽさを感じさせてくる。
山縣(早大)に関しては、アクロバティックな守備をプロの世界でも是非披露してもらいたい。
DeNA ドラフト1位 竹田祐(三菱重工West)右右 投手
・今年のドラフトで個人的に最も興味深い指名をしたのが、DeNAである。正直私自身は、DeNAの指名が最もピンと来ていない。何故こういった指名になったのか、まだ分かっていない。しかしDeNAは、昨年のドラフトでデータやメカニックという部分までドラフト候補をしっかり評価して獲得に向かっているとの報道を目にした記憶が残っている。そういったことを踏まえれば、おそらくチームとしてしっかり根拠を持った中で竹田、篠木(法大)、加藤(徳島IS)、若松(高知FD)、田内(おかやま山陽)、坂口(国学院大)の獲得に向かっているのだと思う。おそらくドラフト直後の評価という部分では、高い評価が得づらい指名だと思うのだが、3~4年後にどういった評価がなされているかじっくり待ってみたいと思う。
まずは竹田、篠木が即戦力として働けるかどうか?という部分が第一のポイントになりそうである。
ロッテ ドラフト1位 西川史礁(青山学院大)右右 外野手
・1位で入札した西川を抽選の末に獲得してみせた。ロッテと言えば本拠地を千葉に移転して以降、中々和製大砲が育ってこなかった歴史がある。しかしホーム球場であるZOZOマリンスタジアムにホームランラグーンが設置されるなど、チーム全体で魅力的なチーム作りを図っている最中であると感じている。そんな中で西川、宮崎(ヤマハ)、立松(日本生命)と打撃に特徴のある3選手を指名した部分は興味深い。宮崎、立松については、私が実施したモックドラフトでは230名のリストに名前を入れていなかっただけに驚きの指名ではあったのだが、おそらくチーム内では、宮崎、立松の起用法の青写真はすでに描けているはずである。そうでなければこれ程の思い切った指名は出来ないだろう。この3選手がどのようなプロ野球人生を送っていくのか要注目である(立松もおそらく入団すると思うのですが、どうなるでしょうね。)。
一条(東洋大)、坂井(関東第一)、広池(九州東海大)は、首脳陣の腕が試される指名という印象があります。
広島 ドラフト1位 佐々木泰(青山学院大)右右 内野手
・宗山の外れ1位で指名したのは、長距離砲の佐々木だった。長打力不足に悩むチームには、うってつけの選手を指名出来たのではないだろうか?広島は何となく末包のよなイメージで長距離砲の獲得は中位以下で検討するのかな?と予想していた(4位で渡邊も指名しましたが…)のだが、1位でしっかり佐々木を確保できたのは、大きかったのではないだろか?
2位の佐藤(富士大)も、金丸、中村(愛工大)の次のグループで名前が挙がってくる好投手である。私の中では1年目から先発として結果を残せるだけのものを持っていると感じている。
3位の岡本(甲南大)、5位菊地(千葉学芸)含め、クセの強いメンバーが揃ったドラフトになったと感じる。
楽天 ドラフト1位 宗山塁(明大)右左 内野手
・1位で5球団が競合した宗山を獲得したこともあり、非常に華やかな指名になった印象がある。
宗山に関しては、1年目からレギュラーとしての活躍が見込める選手である。楽天の顔として10年以上プレーしてくれる可能性のある「宝」のような選手である。この選手を獲得できたことだけでも、今年のドラフトは大成功である。
そして2位では、広島の佐藤と同様、金丸、中村の次点グループと評価されている徳山(環太平洋大)の獲得に成功した。1位宗山、2位徳山の並びは、破壊力抜群である。コンディションさえ整えば、徳山もドラ1級の評価がなされる投手である。
3位中込(徳島IS)、4位江原(日鉄ステンレス)はパワー型リリーバーとして1年目から起用されるだろうし、5位吉納(早大)も4年次の成長が顕著だっただけに楽しみである。
ヤクルト ドラフト1位 中村優斗(愛工大)右左 投手
・2024ヤクルトドラフト指名選手 | ヤクルトファンの日記
オリックス ドラフト1位 麦谷祐介(富士大)右左 外野手
・オリックスは、1位で金丸に向かうのでは?と予想していたのだが、実際には西川へ入札し、抽選で外れた後に指名したのは、麦谷だった。私は、今年の野手のドラフト候補の中では、宗山、石塚の次に名前を挙げたいのが麦谷だった。外野手では№1の評価である。その麦谷を1位で獲得できたのは大きいのではないだろうか?新人王候補として名前を挙げたくなる野手である。
2位~6位、そして育成指名についても実にオリックスらしい指名となった。即戦力投手、スケールの大きな高校生投手、使い勝手の良さそうな社会人のユーティリティプレーヤーと満遍なく獲得してみせた。ソフトバンク、日本ハムにも感じるのだが、このオリックスも近年、チームとしてドラフトの方針、基準というものがしっかり固まってきている印象がある。オリックスのお家芸にもなっている下位の社会人投手、東山(ENEOS)、片山(NTT東日本)がどの程度プロの世界で通用するか?という部分も注目である。
中日 ドラフト1位 金丸夢斗(関西大)左左 投手
・1人の選手の存在が、チームを大きく変えることがある。金丸はそれくらいの力を持った投手だと思っている。中日にとっては、最高の投手を獲得できたのではないだろうか?高橋宏斗との同学年コンビは、左右のエースとしてチームの売りになるはずである。本当に金丸がチームに加入しただけで、来シーズンの中日は手強くなるのでは?という予感がしている。
2位でもサウスポーの吉田(西濃運輸)を獲得した。1位で金丸を獲得できただけに、この吉田については、チームとしては慌てずに育てることが出来るのもプラスに働くのではないだろうか?そして1位、2位で即戦力投手を獲得できたからこそ、3位森(桐光学園)、5位高橋(北照)、6位有馬(聖カタリナ高)というロマンあふれる高校生選手の獲得に向かえたのではないだろうか?
4位で石伊(日本生命)をしっかり確保したこともプラスポイントである。
西武 ドラフト1位 斎藤大翔(金沢)右右 内野手
・今シーズン大きく負け越し、最下位に沈んでしまった西武は、宗山、石塚を獲得することが出来ず、ドラフトも苦しい立ち上がりとなったのだが、その中でもサイズがあって機敏に動ける斎藤を確保し、2位では1位候補とも言われていた渡部(大商大)を確保してみせた。3位の狩生(佐伯鶴城)含め、上位3人は非常に魅力的である。
4位以降は、如何にも西武らしい独自色豊かなドラフトとなった。一見癖の強そうな指名に見えるのだが、こういったドラフトをモノにしていくのが西武である。育成ドラフトで7名獲得するなど、今後を見据えた精力的なドラフトが出来たのではないだろうか?
今年に関しては、まずは中日のドラフトが評価されるのではないだろうか?即戦力と将来の両面をしっかりカバーしたドラフトが出来ている。3年連続最下位に沈んでいるチームが変わるきっかけになるのではないだろうか?
その他のチームでは、宗山、徳山を獲得した楽天、石塚、石田という個人的な推し選手を獲得した巨人が良いドラフトを展開したように見えた。
興味深い指名に映ったのは、DeNAとロッテである。この2チームに関しては、私の中では、現段階ではピンと来ていないのだが、数年後にどんな評価がなされているのか注目してみたい。
ヤクルトに関しても、良いドラフトが出来たと思うのだが、個人的には、やはりある程度人材が揃っていた高校生投手の指名が1人はあって良かったのではないか?という気持ちを持っている。
皆さんは、どの球団のドラフトが気になったでしょうか?
P.S 今後は育成ドラフトについてもブログ内で触れていく必要があるでしょうね。本ドラフトと育成ドラフトの垣根が低くなってきている印象ですね。
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コメント
横浜が独自ドラフトですね。正直ヤクルトがこの指名だったら…かなり不満をぶつけてしまうかも…汗。他チームなので冷静に応援できます
加藤(徳島IS)は東洋大学在学のまま徳島で野球を再開したのですね。大学野球の挫折した人の再起の場として独立が機能してますよね
加藤の徳島での実績は1年ですが(もう一年様子見などせず)それでも3位指名した横浜の思い切りの良さは素晴らしいと思います。
4位若松(高知FD)は大学3年から投手なんですね。動画を見る限り確かにストレートは速そう。
ロッテは打つ奴が欲しいのは分かるのですがそれだけ苦労しているわけですよね。大阪桐蔭藤原とか履正社安田とかまだまだこれからですけど……怪我とかですかね、一年レギュラーで打ってくれる人は中々出てこないですね。西川、宮崎(ヤマハ)、立松(日本生命)は大学代表四番に社会人(立松は四年目)と比較的完成されてるのでその辺も考えているのかな。立松は入団するでしょう。迷ってるなら入団しますよ。多分生まれてから野球漬けだったわけですからプロになりたい、いやほかならぬご両親がプロにさせたいと思うのではないかな。妄想ですけどね汗
青山学院は二年連続2名ドラフト一位指名。黄金時代っすねぇ