2024年現役ドラフトの結果記事→「2024年現役ドラフト結果 | ヤクルトファンの日記」
上記の記事の通り、昨日の現役ドラフトでヤクルトは、広島から矢崎拓也を獲得し、柴田大地は、楽天へ移籍することとなった。現役ドラフトならではの、出入りになったという印象である。投手としてのタイプは矢崎と柴田は似ている部分があると思うのだが、実績という意味では雲泥の差がある。1対1のトレードでは絶対にあり得ない組み合わせなのだが、現役ドラフトでは、様々な要素が重なる中でこういった選手の入れ替わりが現実になるのである。ヤクルト目線で考えると、実績のあるパワー型のリリーバーが1枚加わったという意味で、ポジティブに捉えられる現役ドラフトになったのではないだろうか?
矢崎に関しては、珍しい成長曲線を描いた投手という印象がある。個人的には慶大時代から、「NPBではどうかな?」と感じていた投手であり、それ程評価をしていなかった。制球面が安定せず、投球の幅がどうしても狭まってしまう印象があったからである。また変化球の精度という部分にも課題があるのかな?と感じていた。しかしその加藤は、ルーキーイヤーのデビュー戦でヤクルト相手に9回1アウトまでノーヒットピッチングを続ける快投でプロ野球ファンに大きなインパクトを与えてくれた。
過去記事はこちら→「今日は加藤拓也を語る日 | ヤクルトファンの日記」
ただ「エイヤー!」と投げ込むタイプではなく、クレバーな部分も持ち合わせた投手であると感じさせてくれた。しかし、プロ初登板で1勝を上げて以降は、プロの世界の壁にぶつかってしまい、プロで2勝目をあげたのは、プロ入り6年目のシーズンとなってしまった。ドラ1投手がプロ初勝利を上げた後は、さっぱり結果を残せなくなってしまい、1軍での登板もままならない中で、プロ6年目のシーズンを迎えた。この時点で私は、ほぼ矢崎の存在は頭の中から消えていた。言い方は悪いが「終わってしまった投手」という印象を持っていた。ここまで結果を残せないでいると、ここから数字を残すことは、並大抵のことではない。しかし矢崎は、プロ6年目のシーズンに何かを掴んだかのようにリリーフとしてフル回転し、キャリアハイの数字を残してみせた。結果を残す中で、徐々に重要なポジションを任されるようになり、いつの間にか広島リリーフ陣の軸の一人となっていた。プロ入り7年目となる2023年のシーズンには、不調の栗林に代わってクローザーを務め、24セーブを上げるなど、広島の快進撃を支える存在に成長していた。
それ程上背はないのだが、角度を付けたリリースでストレートとフォークを巧みに投げ分け、打者を打ち取って行く姿は、自分の型を確立したことを感じさせてくれた。大卒ドラ1で入団しながら5年間は鳴かず飛ばずの状況が続いたため、ここから結果を残すのは簡単なことではなかったはずである。苦しい状況から這い上がった経験も今後の武器になりそうである。
今シーズンは登板数を大きく減らしてしまい、コンディション面という意味では、不安も感じるのだが、コンディションが整うようであれば、大きな戦力になってくれる可能性はあるのではないだろうか?
柴田については、ヤクルトでは全く活躍することが出来なかった投手である。日本通運時代から、そのボールの質の良さに注目が集まり、2021年のドラフトでは、3位という高評価でヤクルトに入団した。しかし、その才能が実戦の舞台で輝くことはなった。2軍でも投げてみなければ、分からないと言ったような不安定な投球が解消されず、3年間で1軍のマウンドに上がったのは、たった2回のみという結果になってしまった。私自身は、柴田の良い投球というものをこれまで見たことがないのだが、同じイースタンリーグで対戦する楽天が現役ドラフトで柴田を指名したということは、やはり投げる才能という部分を高く評価しているフロント、スカウトがいることを示しているのではないだろうか?
この移籍は、柴田にとっては大きなチャンスである。強く腕を振って打者がから空振りを奪えるようなストレートを1軍の舞台で見てみたい。
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