2014年のヤクルトのドラフトを振り返る(他球団を含む)

ドラフト


このブログを書き始めてから10年以上の月日が経ち、ドラフトに関しても10年前に自分がどんなことを書いていたのか振り返ることが出来るようになった。こういった記事を書くことが出来るのが、長年ブログを書き続けてきた者にとっては、喜びとなっている。
今日は2014年のドラフトを振り返ってみたい。当時のドラフト関連の記事を下記に貼り付けます。興味のある方は読んでみてください。
2013年のヤクルトのドラフトを振り返る(他球団も含む) | ヤクルトファンの日記
2014ヤクルトのドラフト(1) | ヤクルトファンの日記
2014ヤクルトのドラフト(2) | ヤクルトファンの日記
2014年ドラ1 12人は誰だ! | ヤクルトファンの日記
2014ヤクルトドラフト予想遊び | ヤクルトファンの日記
2014ヤクルトドラフト指名選手 | ヤクルトファンの日記
2014他球団のドラフト | ヤクルトファンの日記

2014年のヤクルトのドラフトと言えば、黒歴史的な扱いを受けることが多い。投手陣を厚くする必要性があるチーム状態ではあったことは事実ではあるのだが、あまりにも実力が未知数の「即戦力投手」をかき集めてしまい、結果として失敗ドラフトに終わってしまったという苦いものとなってしまった。
このブログの読者の方であれば、分かってもらえると思うのだが、私は、それ程辛口のブログ記事を書くことが少ないのだが、2014年のドラフト直後のブログ記事の冒頭で、こんなことを書いている。
『個人的には今回のドラフトでヤクルトのチーム編成に大いに疑問を持つことになってしまった。2009年のドラフトから投手に関してはほとんど大学社会人のいわゆる「即戦力」と言われる投手ばかりをかき集めている。これでチーム状態が好転すればよいのだが、結果としては2年連続最下位という非常に厳しい現実を突きつけられている。そんなチーム状態の中迎えた今回のドラフトもいわゆる「即戦力投手かき集めドラフト」である。
ヤクルトというチームが完全に「負のスパイラル」に陥ってしまっているような気がしてならない。
育成ドラフト含めて大学社会人の投手を6名指名し、その他は高卒の捕手と大卒の長距離砲外野手(未完の大器)という指名結果には正直あきれてしまっている。1位の安楽投手を抽選で逃してしまい流れに乗れなかったのかもしれないが、非常に厳しいドラフトになったと言って良いのではないだろうか?明るい未来が見えてこない。
ここまで辛口の内容のブログを書いたことは、それ程多くないと思うのだが、2014年のドラフト直後は、「このままでは、ヤクルトが長い暗黒期に入ってしまう。」という強い不安感に襲われ、このような記事の書き出しになったことを覚えている。

私自身は、この年、岡本(智弁学園)の獲得を強く推していた。この年は、高校生野手のスター候補が複数存在し、ヤクルトは岡本や浅間(横浜高)の獲得に向かうことが出来る年だと考えていた。岡本の飛ばす能力と、高校生では上位の実力を持った投手との対戦でも自分の打撃が崩れない強さは、プロの入っても大きな武器になると思ったし、浅間の三拍子揃ったプレーには、華やかさを感じていた。投手を整備しなければならないチーム事情を考えれば、あり得ないことであることは重々承知していたのだが、私の希望は、1位岡本、2位浅間という高校生スターの2枚獲りだった。
しかしふたを開けてみれば、高校生の指名は、捕手の山川(福岡工大城東)を3位で指名したのみであり、内外野手の指名はなかった。正直この指名には驚いたし落胆したことを覚えている。
何故岡本を推したのか?という部分に関しては、「2014ヤクルトのドラフト(2)」でこのように書かせてもらっている。
「ヤクルトはここ何年も野手の助っ人外国人に恵まれていたため、日本人の長距離砲をドラフトで獲得しなくても何とか戦えていた。しかし昨年の記事にも書いたように長距離砲として獲得し、戦力になった選手は直近でも96年の岩村、2000年の畠山くらいである。これは少なすぎる。どこかで将来のスターとなるような長距離砲の獲得に動く必要はあると思う。私の中では、T-岡田、中田翔、筒香嘉智、大田泰示、高橋周平、大谷翔平辺りが近年獲得に向かって欲しかった長距離砲の選手なのだが、ヤクルトはこの中で入札した選手は高橋のみである。大田、大谷は入札しても獲得できる可能性は皆無に等しかったのかもしれないが、もう少し積極的に狙ってみても良かった選手達だと感じている。
今年の岡本に関しては、上記の選手達に比べると守備、走塁に弱点があるなど完成度では少し劣るかな?という印象がある。バッティング技術でも上記の選手達に比べると弱点が多いのかな?と感じている。しかし飛ばす才能は上記のメンバーと比べても遜色ないし、打席で狙い球を絞ったり、甘いボールを確実に仕留める技術は以外に高いものを持っていると感じさせてくれる選手でもある。プロの投手のボールに慣れるまでにまだまだ時間はかかりそうだが、ここら辺で長距離砲の獲得は考えた方が良いと思う。」と。
やはり私の中では、この年は、岡本入札しか考えられないという意見だった。しかしヤクルトスカウト陣は、安楽(済美)への入札を決断し、抽選を外して以降は、「即戦力投手かき集めドラフト」に走る形となった。私の思いとは、あまりにも乖離した形で進んでいくドラフトになってしまった。
一応毎年行っているドラフト予想遊びのメンバーも記入しておきたい。
1位  有原 航平(早大) 右投右打 投手→日本ハム1位
外れ 野村 亮介(三菱日立パワーシステムズ横浜) 右投右打 投手→中日1位
2位  竹下 真吾(ヤマハ) 左投左打 投手→ヤクルト1位
3位  桒原 樹(常葉学園菊川) 右投左打 内野手→広島5位
4位  ルシアノ・フェルナンド(白鷗大) 右投右打 外野手→楽天4位
5位  岩下 大輝(星稜) 右投右打 投手→ロッテ3位
6位  守安 玲緒(三菱重工神戸) 右投右打 投手→指名なし
7位  入野 貴大(徳島インディゴソックス) 右投右打 投手→楽天5位
8位  渡邉 雄大(新潟アルビレックスBC) 左投左打 投手→2017年ソフトバンク育成6位

こんなメンバーを挙げさせてもらっていた。個人的には「岡本+即戦力投手」を獲得できれば…と思っていたのだが、ドラフト前日の時点ですでに岡本入札の可能性は皆無となっていたため、自分の希望を捨てた予想遊びとなった。それでも即戦力投手が欲しいチーム事情であることは伝わってくる予想遊びの結果となった。

実際のヤクルトの2014年ドラフト指名選手は以下の通りである。
1位入札 安楽 智大(済美)  右投左打 投手 抽選外れ
外れ1位 竹下 真吾(ヤマハ) 左投左打 投手
   2位 風張 蓮(東農大北海道オホーツク) 右投右打 投手
   3位 山川 晃司(福岡工大城東) 右投右打 捕手
   4位 寺田 哲也(香川OG) 右投右打 投手
   5位 中元 勇作(伯和ビクトリーズ)左投左打 投手
   6位 土肥 寛昌(Honda鈴鹿) 右投右打 投手
   7位 原 泉(第一工大) 右投右打 外野手
育成1位 中島 彰吾(福岡大)右投右打 投手
この中で多少なりとも戦力になったと言えるのは、リリーフとして登板を重ねることもあった風張くらいである。その風張も「成功選手」と呼ぶことは出来ない。ドラフト戦略も選手の目利きも上手くいかなかったドラフトと言われてしまっても致し方ない。
しかし、2014年のドラフト関連のブログ記事を書いた時に読者の皆様から頂いたコメントを改めて読み返してみると、「即戦力投手を重視したドラフトを展開するべきだ。」という主旨のコメントも複数頂いており、「チーム状況を考えるとこういったドラフトを展開することも一つの戦略ではあったのだな。」ということも感じることが出来た。
また、2015年シーズンにヤクルトが真中新監督のもとリーグ優勝を果たせたことは、チームにとってもファンにとっても非常に大きなものになったと思う。もし、この年優勝出来ていなかったら、ヤクルトの迷走、暗黒期がしばらく続いたのではないだろうか?2015年は、畠山、川端、雄平、中村、山田らの高卒で入団して大きく育った野手が主力として活躍したことによってもたらされたリーグ優勝である。この年のリーグ優勝で、フロント陣、スカウト陣含め、チーム作りというもの、ドラフト戦略というものを改めて考え直すきっかけになったのではないだろうか?

他球団の指名についても触れているので、当時私が綴った言葉で今見返すと、面白い部分も触れておきたい。
2014他球団のドラフト | ヤクルトファンの日記
ソフトバンク
・「個人的には2位の栗原(春江工)はリーダーシップに優れた希少価値の高い捕手だと感じている。数年後にはプロ野球界を背負って立つ捕手になるのではないだろうか?」
捕手ではないが、内野手、外野手としてチームの主力として活躍。

巨人
・「岡本の一本釣りはおいしすぎます。こういった指名が出来るのが今の巨人の強みに感じる。守備、走塁に見るべきものがなくバット一本で勝負するタイプの選手のため、『0か100か』どっちかの選手だと思うが、個人的には評価の高い選手である。4,5年後どういった選手になっているだろうか?楽しみな逸材である。」
岡本の一本釣りは美味し過ぎましたね。日本を代表する長距離砲になりました。

オリックス
・「正直山崎福の単独1位指名は弱気の指名にも感じたのだが、4位でもう一人の即戦力候補高木を獲れたのが大きいと感じる。上手いドラフトが出来たのではないだろうか?」
高木は活躍できなかったが、山崎福は、チームに欠かせない投手としてリーグ優勝、日本一に貢献。

阪神
・「横山、石崎を指名できたのは大きいと思う。横山は個人的に大好きな投手である。高校時代に比べ身体が出来上がり、力強さが増している。まだ粗削りではあるが、リリーフならいきなり即戦力になるのではないだろうか?先発で大きく育てても面白そうである。
石崎も短いイニングならいきなり通用するのではないだろうか?力で押すピッチングは魅力的である。」
横山、石崎ともに大成せず。

日本ハム
・「1番人気の有原を獲得し、その他にも高校生のスタープレーヤー清水、浅間、立田、高濱と獲得して見せた。今の日本ハムならしっかり育て上げて数年後には全員1軍の戦力に成り得るのではないだろうか?」
有原は評判通りの活躍を見せたが、高校生のスタープレーヤーは、当時の期待値からすると、少し物足りなさが残るか?

広島
・「正直外れ1位で野間を選択するとは思わなかったが、緒方新監督が一目惚れしたということで非常に楽しみな選手である。」
スーパースターではないが、渋く輝くチームに欠かせない外野手に成長。

ロッテ
・「早大出身の二塁手というとヤクルトの田中浩がいるが、ドラフト時の評価としてはパンチ力がある分中村の方が上なのではないだろうか?ルーキーイヤーからレギュラーを奪取する可能性もあると感じる。」
ルーキーイヤーから出場を重ね、チームの主力へ。
・「岩下は個人的に推していたので4,5年後を楽しみに待ちたい。」
先発として主力に成長したが、活躍した期間は短め。

中日
・「私が推していた野村、浜田の2人を獲得した部分は非常に羨ましい。今年のドラフトで将来日本を代表する投手に成長する可能性が高いのがこの野村ではないか?と見ている。大型ではあるがコントロールも良くフォークのキレも素晴らしい。2~3年後の戦力だとは思うのだが、吉見の後継者になれそうである。
変則左腕の浜田は即戦力候補である。先発でもリリーフでも出来そうである。投げ方が変則と言うだけでなく球持ちも良く、コントロールも良い。セ・リーグの投手の中では即戦力度は高いのではないだろうか?」
野村、浜田ともに、プロでは結果を残せず。

西武
・「高橋はバランスが良く指先感覚にも優れている。身体が出来上がるとともに成長できる投手ではないだろうか?」
身体が出来上がるとともに力強さを増し、先発ローテの軸を担う。

DeNA
・「山崎康、石田に関しては、即戦力での指名だと思うのだが、正直1年目から大活躍する姿は今の所イメージできない。」
山崎康は、新人王を獲得すると、その後もクローザーとして大活躍。石田もチームを支える存在に。

楽天
・「今年も1位安楽、2位小野という高校生の逸材を2人獲得して見せた。チーム全体として高校生の育成に自信を持ち始めたのかもしれない。」
安楽はリリーフとして結果を残したが、素行面の課題もあり退団。小野はロッテ移籍後に頭角を現す。

やはりドラフトに関しては、やはり備忘録としてブログ記事などを残しておくと答え合わせが出来て面白いですね。




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