思い出ショートショート㉔
前園の現役時代を覚えているという世代も少しずつ少なくなっているのかもしれない。日本サッカー界の「王」と言えば、私の中では三浦知良→中田英寿→本田圭佑というイメージがある。いわゆるサッカー界隈だけでなく、日本社会全体に少なからず影響を与えた個性のあるプレーヤーという印象である。この3名に並び得る存在だったのが前園真聖だったと思っている。
鹿児島実業時代から全国高校サッカー選手権大会で活躍し、サッカーファンにはよく知られた存在となっていたのだが、横浜フリューゲルスに入団した以降もその圧倒的な攻撃的センスで日本のサッカーファンを魅了してくれた。スピードとテクニックで相手DFを抜き去るドリブルは勿論の事、プレースキックで見せる両足からの正確なキック、得点も奪えて決定的なパスも出せるプレーの幅の広さが武器だった。
個人的には94年のJリーグセレッソ大阪戦でDF2人とGKを抜いて決めたゴールとアトランタオリンピックアジア最終予選準決勝、サウジアラビア戦で決めた2ゴールが特に印象に残っている。この頃は、まだ日本はワールドカップに出場しておらず、世界との距離があった時代である。そんな時代に表れた魅力的な若者に日本は夢中になっていった。多数のCMに出演するなど、一気に日本を代表するサッカー選手、アスリートに駆け上がっていった。
中田英寿が日本サッカー界の「王」となる以前、わずかな期間ではあるが前園真聖が「王」に君臨していた、もしくは君臨しかけていた時代があった。
前園と言えば「ドリブラー」として語られることが多いのだが、それだけではなく、巧みにボールを扱える万能型のプレーヤーだったことも忘れてはならない。若いサッカーファンにも是非当時のプレーを見てもらいたいと感じる選手である。
P.S 皆さんは日本人ドリブラーと言えば誰を想像しますかね?世界に通用するドリブラーと言えばやはり三苫薫(ブライトン)ですかね?個人的には前園真聖と本山雅志(鹿島アントラーズなど)が印象的です。
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