ヤクルト5-7阪神(延長11回)
ドラマ「太陽にほえろ!」でジーパン刑事に扮した松田優作が殉職シーンで発した「なんじゃこりゃあー!」という台詞は、日本ドラマ史に残る名台詞となっている。調べてみるとこのシーンが放送されたのは、1974年の八月ということである。私が生まれる10年程前に放送されたもののようである。私は、小学校低学年の頃、家に帰宅した後に再放送(おそらく何度目かの再放送ということになるだろうか?)で「太陽にほえろ!」を見ていた記憶があり、ジーパン刑事の殉職シーンも見た記憶がある。このシーンは、過去のドラマ名場面などでよく取り上げられており、「太陽にほえろ!」を見たことがなくてもこのシーンだけは知っているという方も多いのではないだろうか?ジーパン刑事は、撃たれた後、自らの腹から流れる血を見て「なんじゃこりゃあー!」と叫び、その後「死にたくないよ。」と何度か呟きながら命を落とすこととなる。
今日のゲームは、私自身が「なんじゃこりゃあー!」と叫びたくなるゲームとなってしまった。感情が追い付かず、最後に延長戦を落としたことで多少冷静になり、今日のゲームで負った傷が非常に深いものだと気付かされることとなった。ヤクルトスワローズは、今日の敗戦で命を落とすことになった訳ではないのだが、シーズン全体というものを考えると、かなり厳しい状態に追い込まれてしまった可能性がある。
村上宗隆
・3月に上半身を痛め、離脱していた村上が2軍での実戦を重ねた中で、今日から1軍の舞台に戻って来た。4番ライトでの起用ということで、まず1軍の復帰戦でいきなりライトで起用されたことに驚かされた。もちろんキャンプ中から村上が外野にも挑戦していたことは知っていたし、2軍のゲームでもライトの守備位置に就いていることは分かっていたのだが、個人的にはサードでの出場を基本に考えてもらいたいと思っていたため、この起用は意外だった。これは、村上自身が思った以上にライトの守備を器用にこなせたことと、楽天からFAで獲得した茂木がサードとして結果を残しているからこその起用ということになるのだと思う。この起用法が機能すれば、ヤクルトの戦い方の幅は多少広がるが、そう上手くいくものだろうか?というのが私の考えではあった。
しかし、今日のゲームの9回裏にそんな村上や茂木の起用法など考えられなくなってしまう大きなアクシデントが起こってしまった。一打同点、一発出れば逆転サヨナラという場面で打席に入った村上に対して阪神バッテリーは当然敬遠で歩かせるだろうと思ったのだが、岩崎ー梅野のバッテリーは、村上との勝負を選択した。2球目のストレートを村上は空振りするのだが、ここでどうやら怪我が再発してしまったようで、村上は自ら交代を申し出て、カウント1-1から代打赤羽が起用されることとなった。自ら交代を申し出たことからも今回のアクシデントは軽傷ではない可能性が非常に高いと思われる。村上不在で開幕した中でも何とか粘り、借金1という状況で村上が復帰することとなり、ここからチームとしての得点力もアップするのではないか?と見ていたのだが、まさかの故障再発となってしまった。前回の症状と同じということであれば、また1か月以上は離脱してしまう可能性が高いだろうか?
村上の存在は非常に大きいだけに、復帰後即離脱となってしまえば、チームに大きな影響が出てしまうことは避けられない。
9回裏の同点劇
・2点を追う9回、阪神のクローザー岩崎相手に2アウトからサンタナのタイムリー2ベースで1点差に詰め寄ると、その後上記の通り村上は打席途中でベンチに退くことになるのだが、代打赤羽のショートゴロを木浪がファンブルする間に2塁ランナー並木がホームへ生還し、一旦は同点に追い付くことに成功した。村上の負傷交代→代打赤羽のショートゴロ→木浪のタイムリーエラーという流れは、情報量と感情の波の大きさに思わず「なんじゃこりゃあー!」という言葉を口走りそうになってしまった。
実績のある清水、田口の失点
・プロの世界でこれまでしっかり結果を残し続けている清水と田口は間違いなく2021年、2022年のリーグ制覇のキーマンだった投手である。昨シーズンは思うような結果を残せなかった部分もあるのだが、しっかり調整しコンディションが戻れば、ヤクルトリリーフ陣の核としての役割を任せたい投手である。先発の吉村が5回で降板となったのだが、6回を木澤、7回を荘司が無失点で抑え、8回は2点リードの状況で清水がマウンドに上がった。
しかし、いきなり中野、森下の連続2ベースで1点を失うと、続く佐藤輝には、インコースのストレートを完璧に捉えられてしまい、打球はライトスタンドに飛び込む逆転2ランホームランとなってしまった。コース自体は悪く感じなかったのだが、それだけに清水のボールの走りが良くないことが分かるホームランとなってしまった。
1点ビハインドの9回のマウンドに上がった田口も2アウトランナーなしから中野に四球を与えると続く森下にタイムリー2ベースを浴びてしまった。以前のような躍動感のある投球が影を潜めてしまい、マウンド上で四苦八苦している姿が目立つ。
この2人の状態が上がらなければ、ゲーム終盤の戦い方が非常に難しくなってしまう。
負け投手はバウマン
・同点の延長11回の場面でNPB初登板となったのは、村上同様コンディション不良から今日1軍に登録されたバウマンだった。先頭の木浪をストレートで押し切ったことから一安心したのだが、それも束の間、続く坂本を四球で歩かせると今日ここまで3安打の近本に勝ち越し2ランホームランを浴びてしまう。コントロールがままならず、近本にもカウント2-0というところから投じた高めのストレートに対しておそらくヤマを張って強振した近本に完璧に捉えられてしまった。この場面については、近本に1枚も2枚も上を行かれてしまった印象である。
バウマンに関しては、投げながら状態を上げていってもらいたい。
清水が佐藤輝に喫した逆転弾もバウマンが近本に浴びた決勝ホームランも衝撃的だったのだが、やはり今日は村上の故障再発である。あまりにも痛い離脱となってしまった。
P.S 9回裏4-5、2アウト2塁の場面で阪神バッテリーが村上との勝負を選んだということは、今日の村上の打席での様子を見る中で本調子ではないと判断し、タダで逆転サヨナラのランナーを許すよりも、村上と勝負した方が勝算が高いと感じていたということですよね。そう考えるとまだごまかしながらプレーしている部分はあったのですかね?
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コメント
なんというか、本日の神宮球場はある意味、地獄でした。なまじリードしていただけに。そして、なまじ、同点に追いついただけに。さらに村上宗隆が打席途中で自ら退いただけに。
なので、視点を変えて。
ここまでの13試合、先発投手が6回を投げ切らずにマウンドを降りた試合は、石川雅規が勝った試合を除き、自責点に関係なくすべて負けてます。逆に、先発投手が6回(以上)投げた試合は、開幕戦の悪夢以外、勝ちか引き分けです。もちろん試合展開はそれぞれなので、乱暴な「傾向」でしかありませんが、例え勝っていても、今日のように、後ろに4枚(4イニング)用意しなきゃいけない展開は、今のヤクルト投手陣ではコマ不足なのかもしれません。
再度書きますが、あくまでも乱暴な分析です。そんな分析でもしてないと、今日の「なんじゃこりゃ」な展開は、心が落ち着きません。長々すみませんでした。
grassさんへ
そんな雰囲気にもなってしまいますよね。
私も今のチーム状態を考えると先発投手に期待していくしかないのかな?と感じています。
先発が6回以上投げきれば、そこに勝機ありですよ、なんて書いた途端にこれ(今日の試合結)ですよ。
お恥ずかしい。
grassさんへ
いえいえ、大事な視点ではないでしょうか?今のヤクルトは先発投手がある程度試合を作れなければ、勝つ確率は大きく下がってしまうと思います。