あまりに面白くない負け方

ヤクルト０－５中日

もう少し接戦を拾って、上位争いに絡むことが出来ていれば、こういった負け方も「悪くない負け方。」、「切り替えやすい負け方。」という言葉を使うことも出来なくはないのだが、今のヤクルトはリーグ最下位に沈んでいる。どんな負け方であれ、痛い負けに変わりはない。カード初戦を獲りながら、その後連敗して負け越してしまったカードはすでに4度目となった。競り合いでの弱さ、カード初戦を獲っても負け越してしまうという部分に、今のヤクルトの実力が表れているように感じる。
前回プロ初登板で完封勝利を飾った松本健が序盤から崩れ、アクシデントがあった中日投手陣の前に15三振を喫しての0－5での敗戦。ショックがないと言えば嘘になってしまう。

前回、松山での広島戦で完璧な投球を披露してくれた松本健だったのだが、今日は初回から苦しい投球となった。初回は先頭の村松に四球を与えてしまうと、石川昂には、2ベースを浴びてしまい、ピンチを広げると細川のショートゴロの間に1点を失い、その後ビシエドにもタイムリーを浴び、この回2点を失ってしまった。その後立ち直れば良かったのだが、3回は田中、石川昂の連打で1点、ディカーソンのタイムリーで1点の2点を失い、ビシエドに2ベースを浴びた所で降板となってしまった。
松本健は、結局2回1／3で被安打6、与四死球1の4失点で降板となってしまった。ボールのキレとコントロールで勝負するタイプの投手だと思うのだが、今日は中日の各打者の前に力負けしてしまった。ピッチャーズパークのバンテリンドームナゴヤで、相手は決して強力打線とは言えない中日ということを考えると、今後に不安を残す投球内容となってしまった。それでも前回の登板で完封勝利を飾ったことは事実である。もう一度しっかり前回の投球、今日の投球を振り返って、次回の登板に繋げてもらいたい。
リリーフ陣では、3回のピンチの場面でマウンドに上がった長谷川がしっかり火消しの役割を果たし、その後も丸山翔、大西、星としっかりイニングを喰ってくれた。どうしても便利屋的なリリーフ陣の負担が大きくなってしまっていることは気になるが、今日のゲームの中では、数少ないポジティブポイントなのではないだろうか？

打線は、昨日のゲームで完封負けを喫してしまった中で、先発オーダーをいじってきた。
1番西川、2番長岡、3番サンタナ、4番村上、5番オスナ、6番山田、7番中村、8番岩田、9番松本健という並びになった。状態の上がらない山田の打順を下げ、サンタナを3番に据えることで、得点力アップを狙ったのだが、今日は中日の7投手の前に力負けしてしまった。
中日としては、先発の仲地が初回を投げ切った所でアクシデントに襲われたようで降板となり、非常に難しい継投を余儀なくされたと思うのだが、その後にマウンドに上がった橋本、勝野、藤嶋、清水、斎藤、松山の全投手がヤクルト打線から三振を奪うなど、力で圧倒されてしまった。中日リリーフ陣の質の高さばかり目立つゲームになってしまった。
今のヤクルトの現状では、どう打順を動かしても、「個」の勝負で勝てなければ、どうすることも出来ないと思うのだが、一つ気になるのは、やはり山田の状態と起用法である。ここ数年の山田は、コンディション不良との戦いを続けているのだが、守備面に関しては、大きな破綻なくプレーすることが出来ていた。しかし今現在の山田は、守備面でも足の運びが悪くなっているように感じる。実際にはどの程度影響があるのかは分からないのだが、スタメンで連日出場できるような状態ではなさそうである。そうなると上位打線を山田に任せることは難しくなりそうである。武岡ら他の選手と併用しながら6番～8番のいずれかに入るのが無難だろうか？心配な状態は続いている。

火曜日からは、交流戦に突入するのだが、借金8という状況は、非常に厳しい。昨シーズンと似た雰囲気になってきてしまっている。何とか交流戦終了までには、首位とのゲーム差を5以内に縮めてほしいのだが、今のチーム状況では非常に難しいと言わざるを得ない。パリーグの方が明確に強かった時代は終わりを告げ、今は五分五分もしくは、セリーグの方に少し分がある状況にあると見ている。交流戦で躓いてしまえば、リーグ優勝どころかCS進出という意味でも黄色信号、赤信号が灯ってしまいそうである。