これが「最下位の野球」ということになってしまうのだろう…

2023試合結果


ヤクルト2-4DeNA

今シーズンのヤクルトは12連敗もあり、開幕直後以外は、終始苦しいシーズンとなっていた。しかし中日もネガティブな話題が多く、ヤクルトはほぼ最下位に沈むことなく、ここまでのシーズンを進めてきたのだが、ここに来て、中日が勝ち星を増やす中で、ついに今日最下位に転落となってしまった。今日のゲームは初回に今永から2点を先制し、サイスニードも好投し、優位にゲームを進めていたのだが、サイスニードが降板した直後の7回に村上の送球エラーが絡む中で、同点に追い付かれ、9回は同点のマウンドを任された田口がソトに2ランホームランを浴び、逆転負けとなってしまった。フルメンバーで勝ちに行った中で勝利を手放してしまった。21年、22年シーズンの連覇を経験したメンバーが、こういったゲームで最下位に転落してしまったことは、屈辱であろう。
残りの2試合を全力で戦い、少しでも来シーズンに繋がるものを掴んでもらいたい。

先発のサイスニードは、今日もゾーン内で勝負する投球が出来ており、危なげなくDeNA打線を抑え込んでいった。ストレートで打者を差し込むことが出来ており、カットボール、スライダーという横変化のボールも効果的に使えていた。今シーズンの中でも好投の部類に入る投球内容だったのではないだろうか?6回で81球を投げ、被安打3、与四死球1の無失点という数字を見ても見事な投球であったことが伝わってくる。そんなサイスニードに勝ち星を付けることが出来なかった事が残念である。
7回からマウンドに上がった石山は、先頭の牧にヒットを許すと、続く宮崎のサードゴロを村上が悪送球してしまい、0アウト2,3塁とピンチが広がると、1アウト後、ソトのセカンドゴロの間に1点を返され、続く山本にもタイムリーヒットを浴び、あっさり同点に追い付かれてしまい、サイスニードの勝ち星も消してしまった。
継投が裏目に出てしまったり、村上の送球エラーが失点に絡んでしまったりしたシーンは、今シーズン何度も目にしてきているシーンである。そういうシーンが直接的にこのゲームの敗戦、また最下位転落に繋がってしまったことは、今シーズンを象徴しているようだった。
村上に関しては、このブログでも何度か触れてきたのだが、1年目よりも2年目、2年目よりも3年目、3年目よりも4年目、4年目よりも5年目と着実にサードの守備は向上してきていた印象がある。本格的にサードを守るのは、プロに入ってからであり、当初は送球エラーも捕球ミスも目立ったのだが、4年目、5年目辺りは、私の中では、かなり安心して見ていられる三塁手に成長したと感じていた。しかし今シーズンは、開幕当初からエラーが目立ち、最後の最後まで修正することが出来なかった。村上は打撃面でも前半戦はスランプに陥っており、メンタル的な部分で守備にも悪影響を与えているのかな?とも感じたのだが、ここまで修正出来なかったということは、メカニック的にも何らかのズレが生じてしまっていることが考えられる。送球難については、プロの選手でも突然襲ってくることがあり、上手く修正することが出来なくなることもあり得るということは、よく聞く話である。いわゆる「イップス」の状態というような言葉を使うこともあるのだが、村上は今シーズン、イージーな守備機会でも送球エラーをしてしまう(不可解に感じるエラー)場面があり、心配していた。それにしても、まさかシーズン終了まで全く改善の余地が見られないとは思わなかった。正直この部分に関しては、かなり心配である。シーズン終了後、来シーズンの開幕までにどれ程修正することが出来るだろうか?元々上手くなかった守備面を努力で向上させてきた選手である。昨年の時点では、近い将来ゴールデングラブ賞も獲得できるようになると思っていた選手であるため、もう一度サードを安心して任される存在になってもらいたい。
送球難に苦しんだ選手と言えば、日本を代表するセカンドとなった山田も今シーズン限りで引退する荒木もそういった選手だった。山田は一塁までの距離の短いセカンドへのコンバートで送球難を克服した。荒木は、元々守備も評価されていた選手なのだが、送球難からレギュラー確保が遠退いてしまい、ユーティリティプレーヤーとしての道を進んでいった。
2013年には、この2人で6エラーを喫してしまったゲームもあった。→エラー、エラー、エラー、エラー、エラー、エラー | ヤクルトファンの日記 (ysfan-nikki.com)
それでも2人は、全く違った道を進みながらも、ヤクルトを支える存在になってみせた。村上もまだまだ若い選手である。「打つだけの選手」になるのはもったいない。「打撃は超一流、守備は一流」というレベルの選手になれるはずである。
こういう試合展開になってしまうと、今シーズンのヤクルトは流れを引き戻すことが難しくなってしまう。9回は、本来であればタイトル獲得のためにもセーブシチュエーションで投げさせたい田口を起用したのだが、ソトに2ランホームランを浴びてしまい、ゲームが決まってしまった。この辺りの噛み合わなさも今シーズンを象徴していた。

打線は、初回に今永相手に塩見のヒット、濱田のタイムリー2ベースで幸先良く1点を先制すると、その後オスナにもタイムリー2ベースが飛び出し、もう1点追加してみせた。今永相手に2つのタイムリーで2点を先制するという非常に良い形を作ることが出来た。もちろん、その後に追加点を奪えれば良かったのだが、大量得点が望めない今永相手に初回に2点を奪えたことは大きかった。こういった得点を勝利に繋げられたのが、21年シーズン、22年シーズンだった。
こういう展開でも勝ち切れないヤクルトが今シーズンのヤクルトである。そして最下位転落である。


P.S 荒木の引退については、先日触れていますので、こちらの記事をご覧ください。→荒木貴裕引退 | ヤクルトファンの日記 (ysfan-nikki.com)
お疲れさまでした。そしてありがとうございました。




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コメント

  1. アーム より:

    今シーズンは村上のエラーが原因で負けた数と村上の打撃で勝てた数はエラーのほうが多い気がするので来シーズンは村上の打撃で勝負を決めるようになってほしい

    この試合は初回の濱田にバントさせずに強攻策でしたね!
    来年はこういった場面が多くみたいです!

    • fiys より:

      アームさんへ

      村上の送球難については、正直かなり心配です。来シーズンまでに上手く修正できると良いのですが…。

      2番濱田で行くのであれば、初回はやはり強攻策で良いですよね。

  2. 超匿名 より:

     村上の悪送球の場面は別段慌てる状況ではないように見えましたが、なんとしても併殺を取りたいと気持ちが逸りましたかね。こうエラーが多いと投手との信頼関係が心配になります。
     この日の別の試合で戸郷と根尾のマッチアップで、中日が勝つ番狂わせが起こるとは夢にも
    思いませんでした。

    • fiys より:

      超匿名さんへ

      村上の送球難はかなり心配です。確かに投手との信頼関係という部分でも心配になりますよね。

  3. sabo より:

    今年のヤクルトらしい負け方でしたね。勝ちに行くならば荒木にはレフトに入ってもらってファーストオスナは残してほしかった。まあファンとしてはファーストの方が見やすいですけど。

    村上のエラーはどうすればよいのか。本人は気にしてるし練習もしているだろうから来年もサードは村上という空気ですけど、ちょっと甘い気がします。村上に対して甘いというより首脳陣自身に「キャンプで練習すれば治る」とった楽観的な気持ちが見え隠れしてると感じます。村上にファーストの練習もさせておくべきだと思います。優勝を狙うためにも。

    あと山田も8回長岡の送球こぼすのはしょうがないとしてボール追いかけないと。サボってるとかじゃなくて勘が衰えてる気がする。全盛期ならすぐボール追ったと思うし、ちょっと野球勘みたいなところが心配です

    • fiys より:

      saboさんへ

      村上の送球難は、どこまで改善できますかね?1年間修正出来なかった事実が重くのしかかりますね。

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