これが高津監督の野球なのだろう。

2024試合結果


ヤクルト4-2巨人

高津監督就任時にヤクルトに入団した奥川が6回無失点の投球を見せ、7回以降は、5人の投手を起用し、最後は小澤に抑えを任せ、プロ初セーブを挙げてみせた。2回の中村のセーフティースクイズ、続く奥川の打席でのスクイズ敢行、ラストチャンスと言っても過言ではない太田のスタメン起用、それに応えた太田と、高津監督らしさが詰まったゲームとなった。

奥川は、ルーキーイヤーから高津監督が特に期待をしていた投手である。1年目は、シーズン最終戦に登板し、試合後のセレモニーでは、高津監督の提案で、ファンに挨拶をさせる場面もあった。高津監督にとっては、それだけ特別な投手なのだと思う。2年目でリーグ優勝、日本一に貢献し、ここから徐々に負荷をかけながら、日本を代表する投手へ育成していきたいという気持ちがあったと思うのだが、3年目は、シーズン最初の登板時に怪我で降板し、その後は、2年以上1軍のマウンドから遠ざかってしまった。今シーズンはようやく1軍のマウンドに戻り、勝利も手にしたのだが、以前の奥川の姿からするとボールの質という意味では、まだまだ状態が戻っていないことを感じさせる投球内容となっていた。
正直、今日の投球に関しても、奥川が思ったところにボールを投げ込めない場面が目立ち、ストレートがシュート回転する、悪い時の奥川の特徴も顔を出していた。ストレートの球速も特別速い訳ではなく、調子が良いようには思えなかった。それでも何とかしてしまうのが、奥川という投手の強みである。投げながら、その日使える球種を探り、悪いなりに何とかまとめてしまう投球センスを持っている。今日であれば、シュート回転するストレートを利用しようという意図を感じるようなボールもあったし、場面によっては、多少出力を抑えて、コースを狙って投げるような場面もあったように感じる。その結果が6回で86球を投げて、被安打2、無四球の無失点という数字に繋がったのではないだろうか?奪三振2という数字が物語っているように、打者を圧倒する投球は出来ていない。それでも打たせて取ることが出来ているのは、その場その場で最適解を探りながら投げ続けることが出来ているからだと感じる。圧倒出来ている訳ではないため、次の試合も同じように抑えられるかと言ったら分からないのだが、中10日以上空けているとは言え、5試合続けて先発として70球以上を投げる中で、今日のような投球を披露できたことに大きな意味があるのだと思う。少しずつ1軍の先発ローテを守れるような存在になってきている。
リリーフ投手陣の運用に関しても、ここの所高津監督らしさが出ている。高津監督の特徴として、選手のコンディション面を整えることを最優先に考えているという部分があると思っている。
過去記事→「現代野球における7,8,9回の重要性 | ヤクルトファンの日記 (ysfan-nikki.com)」でも書いたように、ここ20年以上リリーフ投手の酷使が各球団の課題となっていた。ヤクルトも高田監督、小川監督、真中監督、小川監督と勝てるゲームは、いわゆる勝ちパターンのリリーフ投手を継ぎ込んで勝利を手にしていった監督である。これはヤクルトだけに言えることではなく、どのチームの監督もそういったリリーフ投手運用をすることが、基本線となっていた。だからこそ2020年からのヤクルトの投手運用については、驚かされることが多かった。とにかく投手のコンディション重視で、特定の投手を無理に次ぎ込むことなく、試合を進めていったからである。正直違和感を感じることもあったのだが、2021年、22年のリーグ連覇によって、高津監督の運用法は決して間違っていないことを示してくれた。しかし2021年も2022年もコンディション重視の投手運用をしながらも軸となるリリーフ投手は固まっていた。今シーズンに関しては、軸となる投手が固まっていないため、それを逆手に取るように敢えて役割を固定せずに、極端に言えばリリーフ陣もローテーション制のような起用法を続けているように感じる部分もある。そんな中で、今日は、4-2とリードした9回に小澤を投入してきた。おそらく今日から小澤を抑えに配置転換した訳ではなく、その日その日である程度投げる投手が決まっているのだと思われる。苦肉の策なのかもしれないが、役割は固定せずに、投手の負担を軽減しながらシーズン通して戦っていく覚悟を高津監督はしているのだろう。
8回に星がピンチを招き、山本が2点タイムリーを浴びた時には、逆転負けも頭をよぎったのだが、その後のピンチを石山がダブルプレーで凌ぐと、最後は小澤が力のあるストレートを軸にした投球で三者凡退に抑え、プロ初セーブを挙げてみせた。
出来るだけ多くの投手を起用し、負担を分散しながら戦っていく高津監督の投手運用法は、徐々にスタンダードなものになっていくかもしれない。

打線は、2回に1アウト1,3塁のチャンスを作ると、ここで中村がセーフティースクイズを決めて、1点を先制することに成功する。尚も、1アウト1,3塁という場面で打席に入った奥川は、送りバントで2アウト2,3塁を作るのかな?と思いきや、ここではスクイズを敢行し、2点目を貪欲に狙っていった。結果は奥川のバントがキャッチャーファールフライとなってしまい、スクイズは失敗に終わってしまったのだが、この辺りの仕掛けも高津監督らしさを感じさせてくれた。
その後試合は膠着状態となり、巨人先発赤星を中々崩せなかったのだが、6回に2つの四球などで、2アウト1,3塁のチャンスを作ると、昨日に続いてスタメン起用となった太田が、右中間を真っ二つに破る2点タイムリー3ベースを放ち、試合を動かしてみせた。太田に関しては、もう2軍ではほぼやることがない選手だと思うのだが、だからこそ、1軍で結果を出せなければ、自身の立場が非常に危ういものになる可能性が高い選手でもある。だからこそ、与えられたチャンスで結果を残したことは大きい。とにかく打撃で結果を残したい所である。
1点差に詰められた後の9回には、今日スタメン起用となった西川にタイムリーが飛び出し、大きな追加点を奪うことが出来た。西川の打撃成績は決して良いものではないのだが、数字以上に貢献度が高く感じている。
パリーグ出身選手の活躍も高津ヤクルトの一つの象徴なのかもしれない。




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コメント

  1. 超匿名 より:

     力強さと言うよりも上手さで抑えたように見えた奥川は素晴らしかったですね。
     抑えに小澤は全く予想していませんでした。岡本に対しての直球での攻めにはしびれました。

    • fiys より:

      超匿名さんへ

      奥川らしさは感じることが出来ましたよね。

      おそらく小澤に抑えを固定する訳ではないのでしょうね。良いボールを投げ込んでくれました。

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