っぽい勝ち方

ヤクルト１１－５中日

それにしても突然「ヤクルトっぽい」勝ち方をしますね。相手の先発が柳ということを考えると、今日のゲームで１１－５というスコアでの勝利は全く想像していなかった。そんな日にこういった勝ち方をしてしまうのが、如何にもヤクルトである。

中日の先発柳は、中5日での先発とのことだったが、正直今シーズンの柳の状態とヤクルト打線の状態を考えると勝つとしたらロースコアの展開だと思っていた。しかし試合は、初回から動く。2アウトランナーなしから、今日3番に入ったオスナがヒットで出塁すると、続く村上は、柳が投じた外角のストレートを素直に弾き返すと、打球はレフトスタンドに飛び込む2ランホームランとなった。ヤクルトが柳にあまり苦手意識を感じないのは、村上がいるからこそだと思っている。これまでも村上は、おそらく柳が狙い通りに投げたボールを完璧に弾き返し、ホームランにしてしまった場面を何度も見せてきている。今日のホームランも右打者がレフトに引っ張って運んだような衝撃的なホームランとなった。打球速度や角度を見てみたくなる一発だった。この一発が狼煙となったのか、ここから打線が繋がり始める。サンタナ、青木、中村の3連打でもう1点追加し、初回だけで3点を奪うことに成功した。2回には、オスナにソロホームランが飛び出し、更にリードを広げると、その後一時は、1点差にまで迫られたのだが、1点差に詰め寄られた直後の4回に青木の押し出し四球と中村のタイムリーヒットで柳をKOしてみせた。柳の調子自体も良くなかったと思うのだが、それにしても上手く得点を重ねたものである。
8回裏にも2点を奪われ、嫌な雰囲気も漂ったのだが、9回も2アウトランナーなしからランナーを溜めると、今日絶好調のオスナが祖父江からレフトスタンドに飛び込む満塁ホームランを放ち、ゲームを決めてみせた。オスナは、ハードヒッターではあるのだが、打球に角度が付くタイプではなく、ライナー性の打球で外野の間を抜いていくような打球に特徴があるのだが、今日は、柳、祖父江から見事なホームランを放ってくれた。3安打2ホーマー6打点の活躍は見事だった。
それにしても、昨日まで得点力不足に悩まされてきたヤクルトが、今日の試合で突然打ち勝つのだから分からないものである。

ヤクルト先発の高橋には、試合前中日打線に1点も与えないような圧倒的な投球を披露してもらいたいと思っていたし、逆に言えば、そういったピッチングが出来なければ勝利は遠退いてしまうと思っていた。しかし初回から味方打線が援護点を奪う予想外の展開となった。こうなると1つ1つ淡々とアウトカウントを重ねていくことが求められるのだが、今日の高橋は、そういったピッチングが出来なかった。3回は、柳に2ベースを浴び、ピンチを作ると田中の内野ゴロの間に1点を失い、その後は、2アウトランナーなしから中日打線に繋がれてしまい、上林に2点タイムリーを浴び、一気に1点差まで詰められてしまった。ここからは、5回まで何とか粘りの投球を披露してくれたのだが、高橋の今シーズンの登板の中では、最も内容が悪い投球になってしまったのではないだろうか？5回で95球を投げ、被安打8、与四死球2の3失点という数字は、試合展開を考えると高い評価は与えられない投球となってしまった。それでも勝ち投手になれるのが、野球というスポーツである。この1勝で気分的に乗っていきたい所だろう。
リリーフ陣は、6回から星ー大西ー嘉弥真ー木澤と繋いだのだが、8回を任された嘉弥真が、今日も打ち込まれ、2点を失ってしまった。オープン戦では左打者に限らず、右打者もしっかり抑えていたのだが、シーズン開幕後は、嘉弥真が抑えなければならない左打者含めて打ち込まれてしまっている。嘉弥真自身の中で何故打たれてしまっているか？修正する部分はどこなのか？ということが理解できているだろうか？正直ここまで打ち込まれてしまうのは想定外である。それでも打線の援護もある中で最後は木澤がしっかり試合を締め括ってくれた。

村上の一発とオスナの二発で豪快に得点を奪ったヤクルトらしい試合展開となったのだが、突如として違う顔を見せるという意味でもヤクルトらしさを感じさせるゲームとなった。同一カード3連敗を防げて一ファンとして少しホッとしている。