まずはヤフーレに大きな拍手を!

2024試合結果


ヤクルト4-3巨人(延長10回)

ヒーローは、決勝タイムリーを放った並木であったり、来日初セーブを挙げたロドリゲスなのかもしれないが、私は、先発として好投したヤフーレに大きな拍手を送りたいと思う。ここ数試合、優勝争いを展開しているチームと最下位に沈み、チームとしての目標を見失ってしまっているチームとの差を感じるゲームが続いていたのだが、こういう時に勝機を見出すには、やはり先発投手の好投というものが一つの条件になる。今日は、相手先発山崎伊が好投する中でも先に失点せずに6回を無失点で抑えたヤフーレが勝利の立役者である。自身の勝ち星には繋がらなかったが、価値ある投球内容だったのではないだろうか?

ヤフーレに関しては、ここの所新球「ジャイロカッター」のニュースが目立っていたのだが、今日は実際にそのジャイロカッターを投げていたのだろうか?テレビで見ている限りは、普段のカッターとの違いがよく分からなかったのだが、これまであまり目立った球種ではなかった球速帯130キロ強のスライダーを上手く使っていたように感じた。特にヤフーレの課題の一つとなっている左打者対策として膝元に喰い込むスライダーは効果的だと感じた。6回のピンチで吉川を空振り三振に斬って取ったスライダーは、印象的なシーンとなった。
これまでは、左打者の外へ逃げていくツーシームを軸にチェンジアップとタイミングを外すカーブで打ち取ることを考えていたと思うのだが、左打者のインコースへ喰い込ませるボールを使えるようになったことで、一段と投球の幅は広がりそうである。
来日当初は、課題になるかな?と思われたランナーを出した後の投球も安定感があり、大きく乱れてしまうゲームは、ほとんどない。春先ポンポンと勝ち投手になった以降、勝ち星には恵まれていないのだが、シーズン通し大きな離脱なく、安定した投球を披露してくれている部分は、高く評価できる。私にとっての今シーズンのポジティブサプライズは、このヤフーレである。今後が楽しみな26歳である。
リリーフ陣も7回田口、8回大西と無失点で繋ぎ、3-0というスコアで9回に突入し、後は小澤で締めくくるだけというシチュエーションを作ったのだが、その小澤が代打秋広に四球、丸に2ベースを浴びて、ピンチを招くと2アウト後、モンテスに同点3ランホームランを浴びるというショッキングな展開が待っていた。今日の小澤もクローザーになってからのスタイルであるストレートで押す投球が出来ており、調子自体は悪くないと感じたのだが、モンテスにはフォークを完璧に捉えられてしまった。ストレートに関しては、続けても押し込むことが出来ていたため、そのスタイルで押し切れそうにも見えたのだが、門脇、秋広にファールで粘られてしまったこと、丸に2ベースを浴びてしまったことにより、小澤ー中村のバッテリーは、多少慎重になったのかもしれない。結果としては、その選択が裏目に出た。モンテスに対してもストレートで押していた場合どういった結果になっていたのか?という部分は、興味深いところである(あくまでもタラレバの話ではあるが…)。
今日の同点3ランに関しては、普段はポーカーフェイスの小澤も流石にショックが隠せていなかった。後アウト1つという所で浴びてしまった同点弾は、クローザーとして乗り越えなければならない試練である。次回どんなシチュエーションで起用されて、どんな投球を見せてくれるか注目してみたい。
10回表に1点を勝ち越した後の10回裏のマウンドには、何となく木澤が上がるのかな?と思っていたのだが、マウンドに上がったのは、ロドリゲスだった。先日は、広島戦で失点してしまったのだが、今日は、MAX157キロのストレートを投げ込むなど、力で巨人打線をねじ伏せてみせた。決して簡単なシチュエーションではなかったのだが、その中でも力で圧倒してくれた。ロドリゲスは、リリーフに回って以降、様々なシチュエーションで投げており、もしかすると今シーズン中に再度先発で起用されることもあるかな?と思っていたのだが、今日の投球を見せ付けられてしまうと、不動のクローザーとしての姿も見てみたくなってしまう。様々な将来像を描きたくなるロドリゲスの潜在能力の高さは、∞である。

打線は、9回に追い付かれた後の10回によく勝ち越し点を奪ってくれたと思う。上記の通り、今日は、ヤフーレの好投により、勝機を見出したと思うのだが、9回に追い付かれた時点で、かなり分が悪くなったと感じた。優勝を目指す巨人は、ほぼ負けゲームという展開からモンテスの同点3ランホームランで息を吹き返し、ヤクルトは、勝ちがスルリと逃げていってしまった。またこの時点の両チームのメンバーを見渡しても、かなり苦しくなったと感じていた。
そんな中で殊勲打を放ったのは、試合途中から守備固めで入っていた並木だった。今シーズンは、怪我での離脱が何度かあり、ここまでヒットを放っていなかったのだが、今シーズン初ヒットが最高の場面で飛び出した。正直武岡が三振に倒れ2アウトとなった時点で、大勢から勝ち越し点を奪うのは難しいかな?と思ったのだが、並木がコンパクトなスイングで大勢のストレートを捉えてみせた。打撃面に関しては、プロ入り後年々成長した姿を見せてくれていただけに、今日の一本は今後に繋がるはずである。全力プレーは怪我と隣り合わせであるため、自身の身体のケアとプレーの選択を間違えないようにしなければならないのだが、相手にとって脅威を感じさせることが出来る選手だけに出場機会を増やすべく結果を残してもらいたい。

P.S 本当に「野球」というスポーツは面白いですよね。勝てそうで簡単に勝てないこともあれば、勝てそうにない展開でも勝ててしまうことがある。アスリートの驚異的なプレーを見る楽しみもあれば、戦略面を考察する楽しみもある。見ていて飽きないスポーツである。




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コメント

  1. 超匿名 より:

     今季の巨人戦はビジターの方が勝てているので、同点にされてもまだまだだと思っていました。セリーグでは中日のライマルに次ぐであろう絶対感のある大勢を打ったのは価値がありますね。
     大勢が1点差だったのと違い3点差を守れないのはショックでしたね。こういうのを見るとロドリゲスみたいな豪腕クローザー誕生を期待したくなります。
     左対左でも難敵高梨を苦にしないでタイムリーを打った長岡は本当に素晴らしいです。

    • fiys より:

      超匿名さんへ

      ブログ内では触れませんでしたが、長岡の高梨から放ったタイムリーヒットは、技術的にも高く評価されそうな一打でしたよね!

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