ミゲル・ヤフーレと山本大貴

2024試合結果


ヤクルト4-1中日

連敗は8で止まった。大型連敗が止まる時は、意外と大勝することが多い印象があり、今日も2回に3点を先制した時には、楽な展開での連敗ストップも頭をよぎったのだが、そういう展開とはならなかった。中々追加点が奪えず、危うく流れを手放しそうになる場面もあったのだが、シーズン前は、それぞれチーム内では、それ程序列は高くなかったヤフーレと山本が見事な投球を披露し、チームを勝利へ導いてみせた。先発のヤフーレとリリーフの山本、今やチームに欠かせない選手となっている。

ヤフーレは、開幕直後から安定した投球を継続してくれている。味方打線の援護に恵まれず、ここの所は、勝ち星から遠ざかっていたのだが、同じような球速帯でボールを動かしながら、時々織り交ぜる150キロ近いストレートと120キロ台のナックルカーブで緩急も使いながらアウトを重ねていく姿は、ヤクルトファンには、お馴染みとなっている。おそらくは、日本の野球文化からは、出てき辛いタイプの投手だと思われる。逆に言えば、その希少性がプラスに働いている部分もあるのかもしれない。それにしてもNPBのボールやマウンドというヤフーレにとっては、慣れない環境の中でも、自分の投球をしっかり披露出来ているところに器用さを感じさせてくれる。
今日も中日打線を相手に多彩なムービング系のボールとナックルカーブ、ストレートとのコンビネーションが冴えわたった。ヤフーレ本人は、自身をゴロボールピッチャーと評しているようで、低めのボールを上手く打たせて、ゴロアウトを重ねたいという理想はあると思うのだが、実際には、フライアウトの比率も多く、似た球速帯のボールを落としたり、曲げたりする中で、打者が仕留めきれない状況に陥っていると思われる。もしかすると「飛ばないのではないか?」と噂されている今シーズンの公式球も味方に付けている可能性はあるが、相手打者に満足なスイングをさせない、打っても芯を外すという部分では、「テクニシャン」だったり「マジシャン」だったりと形容したくなる投手である。5回は連打でピンチを招いたのだが、代打石橋のサードゴロ間の1失点のみに抑え、6回1失点としっかり試合を作ってみせた。世界的に見ても「野球の巧さ」という部分では、トップレベルにあると思われるNPBの中で26歳の技巧派投手が来日1年目から結果を残していることは、大いに評価して良いのではないだろうか?どのチームも助っ人外国人投手に関しては、パワー型の投手だったり、長身の投手だったりをかくとくすることが多い印象なのだが、どちらにも当てはまらないヤフーレの活躍は、今後の日本球界を少し変え得る存在になっているのかもしれない。ヤフーレのような投球スタイルの日本人投手の登場、ヤフーレのようなムービング系のボールを上手く使う外国人投手の獲得などが、今後の日本球界で見られるようになるかもしれない。
リリーフ陣では、山本が実戦で結果を残しながらリリーフ陣の中での序列を上げてきている。結果を残して重要な役割を勝ち取るという理想的な形である。山本に関しては、トレードで獲得した時と今とで、はっきり進化している部分がある。それがストレートの球速とキレのアップである。昨シーズン途中から目に見えて球速が上がり、打者が振り遅れたり差し込まれたりする場面が増えていった。それとともに、変化球(特にスライダー)で空振りを奪えるようになり、結果も付いてくるようになった。今はストレート、スライダー、ツーシームのほぼ3球種で打者と勝負出来るようになっている。完全にリリーフ型の投球スタイルを確立することに成功した。21年、22年の田口のような火消しの役割を任せられるようになってきている。今日は、8回表、0アウト1塁の場面からマウンドに上がったのだが、続く代打石川昂をショートゴロダブルプレー、岡林を三振に仕留め、完璧なリリーフを見せてくれた。左のワンポイントという役割ではなく、右左関係なく、ピンチの場面を任せられるだけの投手に成長してきている。7回を任された大西と共に、今後もフル回転を期待したい。

打線は、先日の巨人戦で負傷交代となったサンタナが、このタイミングで登録抹消となった。負傷交代後、すぐに登録抹消ということではなく、様子を見ていたのだが、結局試合に復帰できる状況にはならなかった。しっかり治して戻ってきてもらいたい。
こうなると打順含めて、色々といじりづらい部分も出てくるのだが、今日は、そんな中でも苦手梅津から2回に先制点を奪ってみせた。
先頭の村上がコンパクトなスイングでセンターのフェンスを直撃する2ベースヒットを放つと、オスナのヒットで0アウト1,3塁とチャンスを広げ、続く中村が三塁線を破るタイムリー2ベースで先制点を奪うことに成功した。続く山田にもタイムリーが生まれ、追加点を奪うと、濱田のショートゴロの間にも1点を追加し、この回3点を奪うことに成功した。1点で終わらずに3点を奪えたのは、大型連敗中のチームにとっては、大きかった。その後は、中々追加点が奪えず、ジリジリした展開が続いたのだが、8回にも中村にタイムリーが飛び出し、中日を突き放してみせた。9回のマウンドを前回の登板でリリーフ失敗してしまった田口ではなく、木澤に託したこともあり、8回の追加点は本当に大きな1点となった。

8連敗によって、他のセリーグ球団との差は大きく広がってしまった。1つ勝ってもまだまだ前は見えてこないのだが、とにかく1試合1試合丁寧に戦っていってもらいたい。




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感想(10件)




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コメント

  1. 超匿名 より:

     大西と山本はリリーフ陣で今や安定感ではトップ2に見えます。去年の清水ー田口の立場にそのまま当てはめても良さそうに思います。
     サンタナの抹消の遅れはどういうことでしょうね?本人が数日あれば出れるという申告があったのかどうか。

    • fiys より:

      超匿名さんへ

      大西と山本は、本当に結果を残したことで序列が上がりましたよね。安心して見ていられる投手になりましたよね。

      サンタナの登録抹消に関しては、オールスターとの兼ね合いという部分もあったのですかね?それとも思った以上に状態が良くなかったということでしょうか?

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