ムラカミ

2023試合結果


ヤクルト0-7阪神

今日のゲームの主役は「ムラカミ」は「ムラカミ」でもヤクルトの村上ではなく、阪神の村上、村上頌樹だった。巨人戦、中日戦での快投もあり、噂は耳に届いていたのだが、噂通りの素晴らしい投手だった。ヤクルトの先発がエースの小川だったため、どうしても連敗を止めなければならないゲームだったのだが、村上にこれだけの投球をされてしまうと今のチーム状況で勝利を掴むことは中々難しかった。今日勝つとしたら1-0というスコア以外なかったのではないか?と感じる程の村上の出来の良さだった。

連敗を止めたいヤクルトではあったのだが、昨日スタメンに復帰した山田が今日はスタメンを外れ、1番センター山崎、2番キャッチャー中村、3番ライトサンタナ、4番サード村上、5番ファーストオスナ、6番レフト青木、7番ショート長岡、8番セカンド元山、9番ピッチャー小川というスタメンとなった。山崎がようやく先発に復帰したことがプラスポイントではあったのだが、今日の村上相手に現状のヤクルト打線ではどうすることも出来なかった。
村上頌樹は、智弁学園時代にセンバツを制し、甲子園の優勝投手になっており、その後東洋大でもエースとして活躍したのだが、個人的な印象としては、智弁学園時代も東洋大時代も「よくまとまった好投手」という印象止まりであり、NPB以外のアマチュア野球のカテゴリーであれば、どのカテゴリーでもトップクラスの実力を有した投手でも、NPBの1軍となると時代を10~15年巻き戻さなければ、活躍が難しい投手なのではないか?と勝手に思い込んでいた。また東洋大時代の故障歴も気になり、実際にプロ1年目、2年目は1軍で実績を上げることは出来なかった。この手の完成度の高さが売りの大学卒投手が1年目、2年目で実績を上げられなかった場合、何かを大きく変えなければ、そのまま消えていってしまう投手がほとんどなのではないだろうか?正直村上については、ほぼノーマークであり、私自身、開幕前に今年の阪神はセリーグで最もバランスの良いチームなのではないか?ということは、このブログでも触れさせてもらったのだが、その戦力の中に村上は入っていなかった。巨人戦での7回パーフェクトピッチングについても、まだ各球団打線が湿りがちの時期だったため、コントロールの良い投手ならあり得ることかな?くらいの認識でいた。しかし中日戦での完封勝利、そして今日の投球を見て認識を改めなければならないと感じた。
今日のゲームでは、ヤクルト打線が追い込まれた後にストレートに全く手が出ず、見逃しの三振を喫してしまった場面がいくつか見られた。ここに村上の投手としての凄さがあるのだと思う。ストレートのキレがあるとかコントロールが良いというのは、もちろんなのだが、おそらくストレートと多彩な変化球とで投球フォームにほぼ違いがないのだと思う。打者は、マウンドとホームベースまでの距離18.44mの中で投手の手から離れたボールに対応しなくてはならないのだが、その0コンマ何秒の世界の中でちょっとした投手の動きに反応して各ボールに対応している。リリース時のほんのわずかな違いを察知してどんなボールが来るのか予測しながらスイングを掛けていくこととなる。しかし投手のフォームにほぼ違いがないとなると、打者がボールを予測することが難しくなり、いくらカットで逃げようと思ってもバットすら出させてもらえないこととなる。阪神の村上は、おそらくそういった投球を習得したのではないだろうか?「身長175センチのよくまとまった好投手」という評価だけでは、村上の凄さは伝わってこない。正直こういった評価の右腕の投手がプロの1軍レベルで先発として活躍できる時代は過ぎ去り、絶滅危惧種的存在になるのでは?と思っていたが、そんな中で凄い投手が現れた。もし村上が直近3試合で見せたようなパフォーマンスを今後も継続できるのであれば、一気に阪神のエース格に駆け上がるかもしれない。プロの世界はそう甘くはないという声も聞かれるかもしれないが、この投手には注目せざるを得なくなった。今は昨年のヤクルトの「村神様」という表記が村上頌樹にも使われているが、オリジナルの異名が付くような選手になるのではないだろうか?「マジシャン」とか「ムラカミックス(和製マダックスの意)」とか…
ヤクルトとしては、これで7連敗となってしまったのだが、打線については、今日は「仕方なかった。」と割り切って良いと思う。それでも明日は明日でまたタイプの違う才木が相手ということで難しさはあるのだが…

村上頌樹のことばかり書いてしまったが、ヤクルト先発小川も村上同様、私の中では絶滅危惧種的投手という印象である。「ライアン」と呼ばれるように、ノーランライアンを彷彿とさせる豪快なフォームは特徴的なのだが、サイズがなくてもボールのキレと多彩な変化球のコントロールで勝負出来る投手である。もしかすると阪神村上のお手本になるような投手なのかもしれない。今日はチームの連敗ストップのためにマウンドに上がり、4回までは阪神打線を無失点で抑えていたのだが、5回に佐藤輝に先制のソロホームランを浴びてしまうと、その後近本にもタイムリーを浴びて、2点を失ってしまった。結果的には、6回2失点と先発投手の役割りをきっちり果たしてくれたのだが、今日に関しては、この2失点が致命傷になってしまった。「1点も与えてはならない。」というのは、あまりにもハードルが高いのだが、今日はそういったゲームだったのかもしれない。開幕戦から内容的には悪くないため、このままローテを守っていってもらいたい。
リリーフ陣は7回の登板した木澤が先日の戸柱への被弾に続き、今日も1点を失ってしまった。勝ちパターンにも組み込まれる投手だけに少し気になる失点となってしまった。
丸山翔は、支配下登録された直後に登板の機会が与えられたが、佐藤輝に2ランホームランを浴びてしまった。インハイのストレートを完璧に捉えられてしまったのだが、これが1軍のレベルということになるのだろう。経験を積みながら成長していってもらいたい。
成田も今日は抑えなければならない左バッターに打ち込まれてしまった。昨日も書いたのだが、腕を下げたものの左バッターからあまり嫌がられていない印象がある。本人はプロでの生き残りを賭け、腹を括ってサイドスローに挑戦したと思うのだが、個人的には、秋田商時代のストレートとスライダーのキレが忘れられない。完全に好みの問題なのだが、もう一度腕を上げて田口を目指すという選択肢はないのだろうか?

今日の敗戦で連敗は7まで伸びてしまった。開幕5連勝という最高のスタートを切りながら、借金は3まで増えてしまった。まだ開幕直後とは言え、首位のDeNAが逃げ始めていることもあり、これ以上の連敗は避けたい所である。しかしこれだけ得点力が不足してしまうと中々勝ち筋が見えてこない。とにかくどんなラッキーな形でも良いので白星が欲しい。まだプロ初勝利を上げることが出来ていない吉村は、明日平常心でマウンドに上がることは出来るだろうか?

P.S 同じフォームで投げられた球速の違うボールを捉えることの難しさを疑似体験するのであれば、バッティングセンターの80キロ~120キロ程度の球速帯のボールがランダムに投げ込まれる設定の打席に入ってみることをお勧めします。野球経験者であれば、おそらく120キロ、130キロくらいのストレートは対応できると方が多いと思うのですが、全く同じ映像からランダムに球速が違うボールが投げ込まれると途端にタイミングが取れなくなります。もちろん私が野球が下手だから対応できないという部分もあるのですが、何故阪神の村上のボールをプロの打者が打つことが出来ないのか?という部分を考えるヒントになると思います。
今日は、村上頌樹中心の記事になってしまい申し訳ありません。

※阪神村上投手の名前を間違えて表記してしまったため、修正しました。




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コメント

  1. 超匿名 より:

     阪神の村上はまだ登板数が少ないのでドクター0呼ばわりは早いかもしれませんが、元々強力な先発陣が更に鉄壁になりそうですね。

    • fiys より:

      超匿名さんへ

      そうですね。まだ登板数が少ないので、もう少し様子を見ていくことになりますかね?それにしても素晴らしいピッチングでした。

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