ヤフーレ幸先良く1勝！

ヤクルト５－２中日

開幕3戦目を任されたヤフーレが幸先良く1勝目を上げた。キャンプ、オープン戦の投球を見てもまだ特徴が掴み切れず、「本当に開幕3戦目はヤフーレを起用するのかな？」などと思っていたのだが、ムービング系のボールと多彩な変化球でしっかり試合を作ってみせた。まだ25歳という若さの助っ人外国人投手に登板初戦で勝ち星が付いたのは、大きいのではないだろうか？やはり先発投手にとっての勝ち星は気分的に乗って行けると感じる。

先発のヤフーレは、球威で圧倒するタイプではなく、最近のヤクルトが獲得してきた助っ人外国人投手の中では、少し珍しいタイプの投手だと感じる（パワー型や長身の投手が多かったように記憶している。特に右腕は。）。私自身は、オープン戦の投球を見ていて、よくまとまっていて日本にマッチする可能性はあるのかな？という思いを抱いた一方で「決め手に欠け、特徴も見え辛いな。」という印象を持っていた。コントロールで苦しむタイプではないが、コースにビシビシ投げ込めるタイプではなく、三振を奪えるタイプでもない。打たせて取るタイプだが、ゴロアウトが多い時もあれば、フライアウトが多い時もある。やはりテレビ画面上で見るだけでは、良さが見え辛いタイプの投手に感じていた。
今日は、とにかく立ち上がりを上手く切り抜けてもらいたいと思っていたのだが、1アウト1塁から、細川をピッチャーゴロダブルプレーに取り、無失点で立ち上がってみせた。結果的には、この回を無失点で切り抜けたことが、勝ち星に繋がったと言っても良いのではないだろうか？その裏に味方打線が3点を援護してくれたことで、2回以降余裕を持って投げることが出来たように感じる。
ストレートは、140キロ台後半を記録するのだが、このボールが軸となるボールではなく、140キロ台のムービング系のボール、チェンジアップやカットボール、ツーシームで打者の芯を外しながら、目線とタイミングを外すナックルカーブも上手く使い、中日打線を抑え込んでいった。各球種の球速帯だけを切り取ればNPBにもよくいるタイプの投手のように感じるのだが、同じような球速帯のボールを少しずつ変化させ、打者を打ち取るスタイルは、日本人投手には少ないのではないだろうか？打者が何か違和感を感じるような投球が出来ていれば、今後のヤフーレにも期待できるかもしれない。6回の0アウト満塁のピンチも細川のダブルプレーの間による1失点のみで凌ぎ、6回2失点で勝ち投手となってみせた。今日は得点力不足に悩む中日相手だったこともあり、評価はもう少し先延ばしにしたいと思うのだが、このスタイルがどの程度通用するのか、注目してみたい。相手にビッグイニングを作らせないように上手くアウトを重ねられるか？という部分がポイントになりそうである。
田口を欠くリリーフ陣は、試合前に高津監督が「抑えは流動的。」と言った通り、7回石山、8回清水、9回星と繋いで、試合をしっかり締めくくってみせた。正直田口が復帰するまでは、まずは清水をクローザーの軸に据えるのかな？と思っていたのだが、今日は8回清水を動かさなかった。今後も本当に流動的な起用となるのだろうか？流動的になればリリーフ陣が準備をし辛くなる部分はあると思うのだが、その辺りは、現役時代様々な経験をしている高津監督の手腕に期待したい。ボールに威力のある星に9回を任せられるようになればチームにとっては大きいのだが、まだ信頼を置ききれない部分がある。リリーフ陣の運用法についてもしばらく注視していきたい。

打線は、1番～8番まで昨日と全く同じオーダーとなった。昨日は繋がりに欠けてしまったのだが、今日は、初回のチャンスでサンタナに先制タイムリーヒット、中村に2点タイムリーヒットが飛び出し、試合の主導権を握ることに成功してみせた。昨日はチャンスは作っても、タイムリーが中々飛び出さず、1点が重い展開になってしまったのだが、今日は、初回のチャンスを活かしてみせた。特に武岡が三振に倒れて、2アウトになった後に飛び出した中村の2点タイムリーは大きかった。ここでメヒアに粘られてしまうと、また違った試合展開になったことが予想されただけに貴重な一本となった。
その後5回には、塩見のソロホームラン、7回には西川のタイムリーヒットでリードを広げてみせた。塩見のホームランは、塩見らしく右手の押し込みもよく効いた飛距離十分の一発となった。塩見、西川のバットがよく振れているように感じる点はプラスポイントである。

一昨日、昨日の記事でも書いたのだが、山田離脱の影響は大きい。開幕カードは、2勝1分けで凌ぐことが出来たが、火曜からの広島、阪神との6連戦は、簡単にはいかないはずである。その中で山田不在時の戦い方を上手く作れると良いのだが…。