井上尚弥 スーパーバンタム級でも4団体統一!

ボクシング


井上尚弥が2階級での4団体統一に成功、10回KO勝利 史上2人目の快挙も最速記録   – ボクシング : 日刊スポーツ (nikkansports.com)

日刊スポーツ引用




上記の日刊スポーツの記事の通り、井上が前回のフルトン戦に続き、今日は、WBA、IBFの世界チャンピオンであるマーロン・タパレスを10回TKOで下し、スーパーバンタム級での4団体統一を果たした。井上は、これでバンタム級に続いて2階級で4団体を統一するという快挙を達成した。日本だけでなく、世界のボクシング史に名を刻むこととなった。現在のボクシング界の軽量級は、井上を中心に回っていると言って間違いないだろう。

井上がバンタム級からスーパーバンタム級に階級を上げる際に、ライバルと目されていたのは、フルトンとアフマダリエフだった。フルトンには、階級変更後の初戦で勝利したのだが、もう一人のライバルと思われたアフマダリエフは、井上と戦う前にタパレスに判定負けを喫し、王者から転落してしまった。そこで井上の対戦相手として名前が挙がってきたのが、タパレスだったのだが、個人的にはタパレスは、岩佐にKO負けしていたこともあり、そこまで魅力的なボクサーには映っていなかった。しかし正式に井上との対戦が決まり、様々な情報を目にしたり、動画を見たりする中で、巧さとパワーを兼備する要注意のボクサーということが分かってきた。しかし、それでも、どう考えても井上優位という状況に変わりはなかった。井上本人が、そして井上陣営がタパレスに対して最大限に警戒していることが伝わってきていたが、そのことも、油断がないことの証明であり、尚更井上の負けは考えられないという状況の中で今日の一戦を迎えた。

タパレスがどのように立ち上がるか?奇襲のような仕掛けもあり得るのか?という部分に注目が集まった第1ラウンドは、両者ともに相手の様子を見ながらの静かな立ち上がりとなった。特にタパレスは、ディフェンシブな姿勢で慎重に立ち上がった印象が残った。井上もタパレスの様子を見ながらも主体的にパンチを出し、第1ラウンドから常に主導権を握りながら試合を進めていった。タパレスは、3ラウンド目辺りから右のガードを下げはじめ、多彩な右を出し始めたのだが、4ラウンドに井上が左のアッパーからの連打でダウンを奪うことに成功する。正直決着も近いかな?と感じたのだが、ここからタパレスが底力を発揮した。5ラウンド以降、ダウンのダメージはあまり感じさせず、柔らかいボディーワークを活かしたディフェンスと多彩な角度から放たれる右のパンチ、執拗にボディを狙った左のパンチを徐々に井上にヒットさせていった。しかし、常に主導権を握っているのは井上であり、普段の試合に比べてパンチを貰う機会が多いとは感じたが、疲弊していっているのはタパレスであるように感じたし、明確にタパレスがポイントを取ったと感じるラウンドは、1つもなかったように記憶している。
そして10回に井上の右ストレートがヒットすると、これまでのダメージの蓄積もあったのか、タパレスが崩れ落ち、そのままKO勝ちとなった。
これまでの世界戦で井上が最も苦しんだのは、ドネアとの第一戦だと思うのだが、その次に苦戦したのが、今日のタパレス戦ということになるだろうか?タパレスの防御の巧さという部分もあったと思うのだが、やはり階級を上げる中で少しずつパンチが効きづらくなっている部分もあるだろうか?前回のフルトンも今日のタパレスもディフェンシブな戦いではあったのだが、パンチを出す場面では、しっかり体重を乗せてパンチを打とうとしている場面もあり、防戦一方で試合が終わってしまうということはなかった。終わってみて振り返ってみるとフルトン戦もタパレス戦も井上の圧勝ということになるのだが、一つ間違えれば、一つ歯車が狂えば、勝敗が分からなくなると感じることが出来る試合だったように感じる。
今日のタパレスは、左のボディを意図的に多用しているように感じた。井上の弱点というものは、今の所ほぼ露呈していないため、想像で語るしかない部分もあると思うのだが、各メディアでは井上を崩すためのポイントとしてボディへの攻撃を上げることが多かったように感じている。その中で、今日のタパレスは井上のボディーに左をヒットさせる場面が所々見られた。井上がこれだけボディに被弾することも珍しいのではないだろうか?井上がタパレスのボディへの攻撃を嫌がると、顔面への攻撃が当たりやすくなる可能性はあるかな?と感じながら観戦していたし、実際に左ストレートが顔面にヒットする場面もあった。正直井上が負けるとすれば、こういった展開でボディに意識が行った中で顔面にパンチを受けてしまう場合かな?と思いながらの観戦となったため、いつもの試合以上に緊張感を持ちながらの観戦となった。
おそらくではあるが、タパレス陣営は、ほぼ思い通りの試合展開に持ち込むことは出来ていたのではないだろうか?ディフェンシブに戦いながら、左ボディをヒットさせ、試合後半に大きなダメージを負わすような一発を狙っていたのではないだろうか?ボディへのダメージを蓄積させて倒す、もしくは、ボディを意識させてボディと見せかけての左ストレートで倒すというイメージがあったのではないだろうか?
しかし最終的に勝利したのは、井上である。これまでの試合と相対的に比べれば、苦戦したことになるのかもしれないが、それでも相手に主導権を握らすことなく、10回KOで勝負を決めているのだから、結局井上のモンスターぶりが際立つ結果になったように感じる。あくまでも「相対的に言えば」スリルも感じる試合だったが、結局は井上の大勝である。本人の言葉から、すぐに階級を上げることはなさそうである。私はそれで良いと思っている。自分の実力を最大限発揮できる階級で自分のボクシングを極めていってもらいたい。
次戦以降ということになると、ネリやアフマダリエフの名前が挙がってくるだろうか?個人的にはネリは、これまでのプロ意識に欠けたエピソードから対戦してもらいたいという気持ちはないのだが、アマでも結果を残し、プロでも強さを見せていたアフマダリエフ戦は、是非見てみたいと思っている。実際には、井上の次戦は誰と戦うことになるのだろうか?楽しみに待ちたいと思う。




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