個々人の成長がチームの成長に繋がる

2023試合結果


ヤクルト7-4DeNA

今シーズンのヤクルトは、リーグ優勝、CS進出共にかなり苦しい状況にあることは間違いない。しかし「ヤクルトスワローズ」は、大きなアクシデントがない限り、来年も再来年もその先も続いていく。青木も山田も村上も永遠にヤクルトスワローズでプレーし続けることは出来ないのである。チームは常に変化、進化をし続けなければならない。そういう意味では、若手の成長を促しながら、出来ないことに多少は目を瞑りながら、チームマネジメントを行っている高津監督は、個人的には素晴らしい監督だと感じている。今日のゲームは将来のヤクルトの進化に繋がるゲームだったのではないだろうか?

先発の小澤は、今シーズンはリリーフ投手としてスタートしたのだが、チーム事情もあり、先発に転向した経緯がある。先発転向後は、80球程の球数を目安に投げている印象があるのだが、それでも毎試合5イニング以上を確実に投げてくれている。今日も序盤を上手く立ち上がると、4回に楠本にソロホームランを浴びたものの5回まで1失点でDeNA打線を抑え込んでみせた。球数が80球を超えた6回にヒットと2つの四球で0アウト満塁のピンチを作ってしまったところで降板となってしまったのだが、それでも徐々に1試合で投げる球数も増えてきており、高津監督を始めとする首脳陣のイメージ通りに先発としてアジャストしてきているのではないだろうか?今日は降板後にリリーフ投手が失点してしまったこともあり、4失点(自責点は1)という数字は残ってしまったのだが、それでも今後に繋がる投球を披露してくれている。小澤にとっても大きなことだし、チームにとっても大きなことである。
0アウト満塁でマウンドに上がった山本もヤクルトに移籍してきた当初から、今シーズン序盤までは、中々結果を残せない日々が続いていたのだが、左のリリーフが不足しているチーム事情もあり、何度かチャンスを与えられる中で、少しずつ結果を残せるようになってきている。そのことによって、徐々に難しい場面での登板も増えてきている。今日はバッテリーエラーで1点を失ってしまい、佐野にも犠牲フライを浴びてしまったのが、昨年の久保を見ているかのように登板する場面に変化が出てきている。今日に関しては、バッテリーエラーの印象が良くないのだが、佐野から1つアウトを取れたことで、また次の登板に繋がる部分もあったと思われる。
2試合連続失点を喫していた清水が今日は、ベンチを外れる中で、1点差の8回のマウンドを任されたのは、木澤だった。木澤自身、今シーズンは試合ごとの波が大きく、乗り切れていない印象もあるのだが、今日は木澤らしく気迫を全面に押し出し、腕を振ることが出来ていた。牧、佐野を連続三振に斬って取るなど三者凡退で役割を果たしてみせた。7回を任された今野、9回を任された田口同様素晴らしい投球だった。

打線は、1番並木、3番塩見という並びで初回に2点を先制した場面が印象に残った。塩見がコンディション不良で登録抹消されている間に、出場機会が与えられた選手の一人が並木だった。大きなミスがあったり、プロとしては避けたい判断ミスがあったりしたこともあったのだが、出場機会を増やすとともに成長した姿を見せてくれている。塩見が復帰した場合にこの並木の起用法がどうなるのか?というものが注目ポイントの1つとなっていたのだが、サンタナの体調不良もあり、現状では1番レフト並木、3番センター塩見という形で2人が併用される形となっている。この2人が攻撃面で良い形を作ってくれている。
並木に関しては、スピード特化型のトップバッターということで、現代野球ではあまりお目に掛かれなくなってしまったタイプのトップバッターである。それでも自分の役割をよく理解して、バッターボックスに入っていることが伺えるようになってきている。自分の出来ないことも理解した中で頭を整理しているのではないだろうか?今日は結果的には、5打数1安打という数字が残ったのだが、打席で球数を投げさせたり、最低限のバッティングが出来るようになってきており、「嫌らしさ」という部分を徐々に身に付けてきているように感じる。セーフティバントや盗塁という部分でも相手をかき回すことが出来ており、並木がいることでヤクルト打線の新たな形が見え始めている。
そして3番に入った塩見が、昨日に続いて今日も3番バッターとしての役割を果たしてみせた。初回に先制タイムリーヒットを放つとその後も2安打を追加し、猛打賞と活躍してみせた。ここ2年の活躍を経て、塩見は、頼れる選手に成長した。圧倒的な身体能力だけでプレーしているように感じた3年目までのシーズンとは全く違った印象の選手になってきている。故障の多さは気になるが、山田が登録抹消されている中で、3番塩見が機能すれば、山田の起用法も幅が広がってきそうである。
5番で起用された濱田も3安打2打点と役割を果たしてみせた。濱田も今シーズンはチャンスを与えられながらも中々結果が出ていなかったのだが、今日はしっかり結果を残し、打線の繋がりに貢献してみせた。
昨シーズンの長岡のようにシーズン通してレギュラーに固定される若手は現れてはいないのだが、並木にしろ、濱田にしろ、内山にしろ、今後のチームを見据えた中で出場機会は与えられている。先発起用出来るだけの最低限の力は持ち合わせているからこそ、起用してもらえるのだが、どの選手もこの経験を成長に繋げてもらいたい。
先々のチームというものも見据えた中で選手起用を行っているように見える高津監督の采配、マネジメントを私は支持したいと思っている。




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コメント

  1. 超匿名 より:

     名前が出ている濱田や内山に並木は長打力や走力という強みがあり、近未来のレギュラーとして定着する姿が想像できます。現在スタメンで起用されている中で、セカンドのポジションを目指す武岡はまだはっきりとした強みが伝わってこず、山田との大きな開きがあると感じますね。そして投手陣は若手の名前が誰も挙げられていないのが現状を良く表しています。

    • fiys より:

      超匿名さんへ

      若手の抜擢の仕方に関しては、高津監督は本当に上手いと思います。濱田、内山、並木が主力になる日が来ると良いですよね。

  2. アーム より:

    高津監督の時だけ勝てればいいチームじゃなくて、監督を交代する時に良いバトンを渡すためのチーム作りは大切ですね!

    若手選手は色々な失敗と成功を繰り返して経験値をあげてチームスワローズの底上げをしていってほしいですね!

    • fiys より:

      アームさんへ

      そうですよね。もちろん「今」は大切なのですが、チームはずっと続いていきますからね。先も見据える必要はありますよね。

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