ヤクルト3-1広島
今シーズンは、16年シーズン~18年シーズンを思い出させるかのようにマツダスタジアムで勝てなかったのだが、最後の最後で今シーズン初勝利を上げることが出来た。エース小川の好投あっての勝利ということで、小川の存在の大きさが際立つゲームとなった。
小川のこれまでの成績を振り返ってみたい。
1年目 16勝4敗
2年目 9勝6敗
3年目 11勝8敗
4年目 8勝9敗
5年目 8勝7敗
6年目 8勝5敗
7年目 5勝12敗
8年目 10勝8敗
9年目 9勝6敗
10年目 8勝8敗
11年目 10勝8敗(シーズン途中)
2桁勝利は、11年で4回目ではあるのだが、先発投手として毎年ある程度の数字を残しているのは、見事である。1年目のインパクトが強かったことや、2桁勝利にあと一歩という年が多く、多少見栄えが悪くなっている(地味になっている)部分はあるのだが、先発の主力として11年間コンスタントに結果を残し続けてくれている。
以前のブログ記事でも書かせてもらったのだが、投球フォームや球種など変化と進化を繰り返すことで、プロの世界で生き残ってきた。プロの投手が手本とできるような投手だと思う。今日は、序盤4回までは、毎回ヒットを打たれてしまい、3回には四球も絡んだ中で、小園のセカンドゴロの間に先制点を奪われてしまったのだが、この1失点のみで粘ると、5回~8回までの4イニングは、1人のランナーも許さないパーフェクトピッチングで広島打線を抑え、8回で103球を投げ、被安打4、与四死球1の1失点で10勝目を達成してみせた。
前半のランナーを出してからの粘り強い投球も小川の姿だし、後半のストレートと変化球を上手く散らして、相手打者を抑え込んでいく投球も小川の姿である。ここ数年でも投球フォームを何度も修正したり、遅いチェンジアップなど新たな球種を加えることで、投球の幅も広げている。今日も遅いチェンジアップで緩急を付けることで、相手打者のタイミングをずらしたり、遅いボールを打者に意識させることが出来ていたのではないだろうか?おそらくストレートの球速という部分では、若い頃に比べて数値は落ちてと思われるのだが、投手としての質という部分については、全く衰えを感じさせない。今シーズンはチームが下位に沈み、先発投手が中々勝ち星を積み上げられない状況にあるのだが、その中での2桁勝利は高い価値がある。今日の投球はエースの姿そのものだった。
そしてもう一人忘れてはならないのは、クローザー田口の存在である。今日のゲームでは9回を任され、小園、堂林、坂倉というクリーンアップを2奪三振含む三者凡退で仕留めてみせた。これでセーブ数は33となり、阪神の岩崎と肩を並べた。小川同様、チームが低迷する中でセーブシチュエーションでの登板も限られていたのだが、その限られた機会にしっかりセーブを稼ぐことが出来たからこその数字である。クローザーの役割を年間通して担うのは初めてなのだが、しっかり心身ともにコンディションを作ってマウンドに上がり続けてくれている。これは凄いことである。投げるボールが素晴らしいことは、巨人時代から分かっていたことなのだが、リリーフとしてここまで高い集中力、調整力を発揮してくれたことには驚いている。クローザーとして想像以上の投球、成績を残してくれている。何とか最優秀救援投手のタイトルを取ってもらいたい。
打線は、広島先発九里の前に、3回までは手も足も出なかったのだが、4回に先頭の塩見が死球で出塁すると、続く山崎が送り、1アウト2塁とチャンスを作ると、ここで山田がライトへタイムリー3ベースを放ち、同点に追い付くと、村上にもタイムリー2ベースが飛び出し、3番、4番の一打で試合をひっくり返してみせた。山田の3ベースに関しては、広島ライトの末包のまずい守備も重なったように見えたのだが、打つべき人が打っての得点は、チームを勢い付かせる。1点差で推移していたゲームの7回には、塩見にタイムリー3ベースが飛び出し、貴重な追加点を奪ってみせた。九里の状態が良く感じたため、苦しいゲームも予想されたのだが、いい場面で主力が結果を残してみせた。
小川、田口が好投し、チャンスで山田、村上、塩見がタイムリーを放っての勝利ということで、理想的な勝ち方の1つを体現したゲームになったのではないだろうか?
新品価格 |
にほんブログ村
コメント
私は小川には厳しい見方をする事が多いし、同期という理由で菅野と比べて見てしまうところがあります。あちらは今季は苦戦しているようですが、小川は二桁到達で喜ばしいです。ここ二ヶ月程の充実ぶりは素晴らしく、以前fiysさんが菅野の背中を追いかけるという感じのタイトルを着けたことがあったと思いますが、今の小川はかつての菅野が相手であっても十分に渡り合えるのではないでしょうか。百勝は単なる通過点でしたね。どこまで積み重ねていけるか。
山田の通算成績を楽しみにしているので一発ではなく、タイムリーや単なる安打でも喜べるのですが、このところの試合を見ていると存在感と言うか打線の核は山田村上より塩見村上になってきたと感じます。来季は輝きを取り戻した姿が見たいですね。
超匿名さんへ
過去の記事にも触れて頂き、ありがとうございます。当時は、差が開いてしまったドラフト同期の菅野の背中をもう一度追っかけてもらいたい気持ちが強かったんですよね。
その後もコンスタントに結果を残し続ける小川は立派ですよね。
山田にはもう一度輝きを取り戻してもらいたいですよね。
小川は去年は勝ち運に恵まれなかったもののエース復活と言える内容で規定投球回到達した中ではルーキーイヤーを超える最高の防御率2.82を記録しました。ただ元々打たせて取るピッチングだったのを更に奪三振率を下げていたのでどうかなと。もしかして運が良かったかなと思ってましたが…
見事に今年は防御率は3.38と下がったものの安定感という意味では去年以上でした。
勝利数(8→10)
QS率(60.0%→73.91%)
WHIP(1.15→1.09)
特にQS率とWHIPはルーキーイヤーQS率(73.08%)WHIP(1.12)を超えました。
数字を見ても素晴らしい安定感です。
田口も抜群の安定感ですね。セーブシチュエーションでの失敗ってあったかな?無い気がしますね。
saboさんへ
勝ち星は運の要素も必要ですが、QS率、WHIPの数字は素晴らしいですね。データありがとうございます。
田口は大型連敗時の阪神戦で失敗があった記憶があります(並木が2アウトから後逸したゲーム)。