小澤はこのままで良い

ヤクルト１－３巨人

今日も悪い試合展開ではなかった。打線に多くのことを期待できない状況にあって、先発投手が試合を作り、打線は先制点を奪い、その後もチャンスを作ることは出来ていた。そのチャンスを活かせなかったことは、確かにマイナス要素ではあるのだが、今のチーム状態では、今日のようなゲーム展開に持ち込む中でどれだけ勝ちを拾えるか？という部分がポイントになるはずである。まずは今日のような展開に持ち込むことが大事だと思っている。

先発の小澤は、5回で90球を投げ、被安打6、与四死球3の2失点という数字が残った。球数が増えてしまうこと、スタミナ面に不安があることが課題ではあるのだが、私は、今の小澤には安定して5～6イニングを投げてくれれば良いと思っている。サイドスローに転向後、まさか先発としてこれだけ投げられるようになるとは思ってもみなかった。今の小澤は、緩急も内外角の出し入れも高低も使いながら、先発としてイニングを喰えるようになってきている。サイドスローに転向してからまだ3年も経たない中でこれだけフォームを自分のものにしていることがまず凄いと感じるし、あらゆる引き出しを使いながら相手打線を抑え込んでいく姿も印象的である。
これだけ安定した投球を見せられると、もう一段レベルアップした姿を見たくなってしまうのだが、今は、多少球数が増えてしまっても、しっかり失点を抑える投球を継続してもらいたい。安易に球数を減らしにかかったり、長いイニングを投げにかかったりすることは、これまで様々な工夫をして相手打者を抑え込んでいた小澤の良さを消してしまうリスクもあると思っている。粘り強く、丁寧に投げていく投球を続けてもらいたい。今日は、5回に岡本和に2点タイムリーヒットを浴び、逆転を許してしまい、結局この2点タイムリーが決勝点になってしまったのだが、岡本和は、小澤に対して決して気持ちの良いバッティングをさせてもらえたとは思っていないはずである。タイムリーを打たれた打席含め、小澤が上手くタイミングを外しているように見えた。
スライダーもフォークも右打者、左打者関係なく、コースにも投げ分けられるのは、投球を組み立てる中で非常に大事な要素である。そういった投球が出来るようになった小澤は、今後もチームを支えてくれるはずである。あまり背伸びをせずに自分のスタイルを貫いてもらいたい。

打線は、9回以外は、毎回ランナーを出し、特に序盤はビッグイニングのチャンスとなるような場面も多かったのだが、得点は、2回に武岡が放ったタイムリーヒットによる1点のみに終わってしまった。山崎伊は、私の好きなタイプの投手であり、調子が良い時は、チャンスを作るのも難しいのだが、今日は地方球場独特の難しさもあったのか、調子自体は良くは感じなかった。それだけに初回の1アウト満塁、2回に先制した直後の1アウト2，3塁、相手のミスが絡んだ中での3回の1アウト1，2塁のチャンスを活かせなかったのは痛かった。その後は、山崎伊が降板した後もチャンスは作れていたのだが、最後まで武岡のタイムリーの一本以外は、飛び出さなかった。良い当たりがアウトになってしまうなど多少なりとも不運な場面もあったのかもしれないが、ロースコアの競り合いに持ち込めていただけに、コツコツとでも得点を重ねてもらいたかった。

山田、田口が開幕戦で離脱し、チーム力は目に見えて落ちてしまっているのだが、それでもその後のゲームもしっかり戦えている印象はある。しかしそういったゲームをモノに出来ないでいると、昨シーズンのような結果になってしまう危険性が高い。良い形で連敗を止め、今日も勝つチャンスが多いゲームだっただけに、勝ち切れないところにもどかしさを感じてしまう。

P.S　ここ数年よく目にするようになった「○○打席ノーヒット」、「○○打席ノーアーチ」という表記はどういった意図で使っているのだろう？今で言うと村上が41打席ノーアーチとのことだが、何故「打数」で表記しないのだろうか？「打席」で表記した方が数が大きくなるため、よりインパクトが大きくなるということなのだろうか？「打席数」でカウントしてしまうと、四球で出塁した打席も含まれてしまうため、やっぱり「○○打数ノーヒット」、「○○打数ノーアーチ」という表記の方が分かりやすいし、野球に詳しくない方に誤解を与えないと思うのだが…。
「○○打席」という表記、私は好きになれないですね。

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