山田不在。野球を変えなければならない難しさ。

2023試合結果


ヤクルト4-3DeNA

昨日山田が登録を抹消された。今シーズン2度目の抹消なのだが、1度目は、4月上旬であり、山田離脱後、チーム成績が下降線を辿ってしまった。このブログで何度も触れているのだが、山田に最も勢いがあった時期は、14年シーズン~16年シーズンの前半だと感じている。その後は、どこかしらコンディション不良を抱えてプレーすることが多かったのではないだろうか?短期決戦や日本代表でキラリと光る活躍を見せてくれることは多かったため、「流石山田だな。」と感じさせてくれることはあったのだが、14年シーズン~16年シーズンのプレーを期待するとどこかもどかしさを感じることが多かった。今シーズンも春先の登録抹消以降、大きく数字を上げることはなく、苦しんでいる様子が伺えた。しかしそれでも山田はチームにとって欠かせない中心選手であることに変わりはない。だからこそ高津監督も山田を下位に置いたりすることなく、上位打線に置きながら復調するのを待ったはずである。良し悪しはあると思うのだが、不調でも「山田は山田」と捉え、大きく戦術を変えずに戦ってきたのが、ここまでの高津監督の采配だった。しかし再び山田が登録を抹消されてしまったことにより、ゲームマネジメントを修正する必要が出てきている。
結果的には、先発小川が粘りの投球を見せ、9回に代打川端の勝ち越しタイムリーが飛び出し、勝利を手にすることが出来たのだが、紙一重の勝利であり、まだチーム全体でどう戦っていくのか?という部分が落とし込めていないようにも感じた。今後も厳しい戦いが続きそうである。

注目された先発オーダーは…
1番センター並木、2番レフト山崎、3番セカンド宮本、4番サード村上、5番ライトサンタナ、6番ファーストオスナ、7番ショート長岡、8番キャッチャー中村、9番ピッチャー小川という並びになった。
4月に山田が登録を抹消された際に、スタメンセカンドのファーストチョイスになると思った宮本を先発起用する回数が想像よりも少なかったため、今日も武岡か元山を起用してくるものだと予想していたのだが、今日は宮本を起用してきた。山田の穴は大きいのだが、1番~3番の打者に求められているものがはっきりしているという部分では、良いオーダーだっただろうか?
そのオーダーは初回にいきなり機能した。先頭の並木がヒットで出塁すると続く山崎の打席でエンドランを掛け、1アウト2塁というチャンスを作ると、2アウトから村上にタイムリーヒットが飛び出し、先制点を奪うことに成功した。ここ数試合「1番並木」がヤクルトの武器の1つになっている。村上のあたりは、本来のあたりではなかったのだが、上手く先制点に繋げてみせた。
その後の攻撃を見ると、やはり場面によっては、打線に迫力を感じないと感じることもあったのだが、そんな中で個人的には気になった采配が2つあった。どちらも8番中村の打席のことなのだが…
1つ目は、1-1で迎えた2回、1アウト3塁、打者中村の場面である。2球目にスクイズを敢行し、見事に成功したのだが、個人的にはハイリスクな戦術に感じた。3塁ランナーはオスナであり、セーフティスクイズは難しい場面だったのだが、スクイズは失敗してしまえば、一気にチャンスが潰れてしまう場面である。成功させた中村、ランナーのオスナ、意表を突いた高津監督の采配はもちろん見事なのだが、今のDeNAとの実力差を考えた時に序盤の2回にこの作戦で1点を奪いにいったことはどうだったのか?振り返って考えてみても良い場面のように感じた。
2つ目は、3-3で迎えた9回、1アウトランナー1塁、打者中村の場面である。ここでヤクルトベンチは中村に送りバントを命じたと思われるのだが、中村は決めることが出来ず、三球三振に倒れてしまった。おそらくは、2アウト2塁の場面を作り、代打川端もしくは、青木で勝負に出る作戦だったと思うのだが、個人的にはあまり好きな作戦ではなかった。0アウト1塁での送りバントであれば、分からなくもないのだが、1アウトからの送りバントはアウトカウントを1つ増やすこととなり、2アウト2塁で川端、青木のカードを切っても敬遠される可能性が高い。おそらくは2アウト1,2塁で並木に代打を出すことまで考えていたかもしれないのだが、そうなるとその後の外野守備陣が苦しくなることが予想された。もろもろのことを考えると1アウト1塁の場面では中村のバットに期待するか、中村に代打川端という策の方が個人的には好みである。
2回も9回も結果論で言えば、采配は間違っていなかったのだが、今後どうしても1点を取りたい場面に今のメンバーでどうやって点を奪いに行くのか、考え続けていく必要がある。
それでも今日のゲームで8番に長岡ではなく中村を起用したということは、2回や9回のような場面で中村にバントさせることを見越した中でのオーダーだったのかもしれない。そういう意味では、高津采配が的中したと言えるのだが…

そしてこの作戦を成立させるために必要なのが、投手陣の踏ん張りだった。そういう意味では、先発の小川はよく踏ん張ってくれた。初回から味方野手陣のミスもあり、苦しんだのだが、初回の0アウト満塁のピンチは牧のダブルプレーの間の1点のみに抑え、同じく野手陣のまずい守備が重なった3回も何とか2点で抑えてみせた。初回、3回を何とか3失点で乗り切ったことにより、落ち着きを取り戻し、最終的には7回3失点でまとめてみせた。初回に30球を要しながら、7イニング投げ切ったのは、小川の経験値の高さがあったからこそだと思われる。
しかしサンタナの捕球ミスも宮本の判断ミスもあってはならないプレーであったことに違いはない。サンタナについてはある程度は仕方ないと思うのだが、宮本のフィルダースチョイスについては、宮本らしくないプレーだった。山田のような守備は現在の宮本に期待できないのは分かっているのだが、今日のミスは、判断ミスであり、おそらく宮本自身も反省しているのではないだろうか?

勝てたから良かったものの、やはり山田不在時の戦い方というものは非常に難しいものだということを思い知るゲームとなった。

P.S 今日のゲームはほぼフルでテレビ観戦出来たため、個人的に気になった部分を中心に触れてみました。もちろん川端の決勝タイムリー、長岡の走塁は素晴らしかったですけどね!




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コメント

  1. 超匿名 より:

     今季当たっていない宮本が三番に入るのでは得点の期待がぐっと低くなったと感じます。塩見と山田を欠く中で、昨年後半からホームで圧倒的に強いチーム相手のこの勝利が相撲で言う金星に思えてきます。こちらはリーグ連覇中のチームなんだけどな‥、
     攻撃面での用兵については投手出身の監督を補佐する経験豊富な人物にヘッドや打撃コーチをしてもらいたいですね。
     ヤクルトが蚊帳の外に置かれている優勝争いは、この試合で5敗となった抑えの山崎は敗戦が数がやや多く思え横浜の不安材料ですかね。交流戦前までの勢いが落ち、近本が離脱した阪神も余裕がなくなり混戦模様になりそうですね。

    • fiys より:

      超匿名さんへ

      やはり山田の穴は大きいですよね。このピンチをどのような作戦で戦いますかね?

      優勝争いは混沌としてきましたね。やはり簡単には行かないですね。

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