山野の好投が活きる

ヤクルト５－３DeNA

山野が初回に牧に先制3ランホームランを浴びてしまい、追いかける展開となったのだが、2回以降は、山野が見事に立ち直り、そこからは、ヤクルトペースで試合が進んでいった。追い付けないまま負けてしまえば、もったいないゲームになってしまうと感じていたのだが、7回に村上のタイムリーヒットで追い付き、9回には、サンタナの2点タイムリー2ベースで勝ち越してみせた。山野に勝ち星は付かなかったのだが、山野の好投を活かす形で勝利を手にしてみせた。1試合トータルで見ると内容のある良いゲームになったのではないだろうか？

私は、セイバー系の数値には疎いのだが、先発投手の1つの指標として用いられるQS（6回以上を投げ、自責点3以内）というものについては、分かりやすい数値であり、参考にさせてもらっている。今日の山野は、7回3失点と試合を作り、先発として役割を果たしてみせた。私は、QSという指標は参考にしているのだが、その一方でその指標だけで先発投手の良し悪しを決めるのも危険だと思っている。ちょっと辛口になってしまうかもしれないが、初回の3失点については、先発投手としては合格点を与えづらくなってしまうという考え方もあると思う。特に今シーズンはどのチームも得点力不足に悩んでいるため、先制点の価値は高くなっていると感じている。2回以降の山野の投球については、素晴らしい投球内容だったと感じているが、やはり初回に牧に浴びた3ランホームランはもったいなかった。この辺りは、今後の課題になってきそうである。
山野に関しては、支配下に復帰した際、プロ初勝利を上げた際にも触れているのだが、投球フォームをほぼ1から作り直し、投球スタイルも変更した中で、少しずつ今のスタイルの質を高めてきている。今日の2回以降以降の投球は見事だった。元々のストレートのキレとスライダー、カーブ、チェンジアップとのコンビネーションで打者と対峙した姿ではなく、ファストボール系のボールを動かしながら、チェンジアップ、フォークを低めに集め、打たせて取るスタイルは、技巧派の姿そのものである。そのスタイルを徐々にものにし始めているのではないだろうか？これまでは、突如としてコントロールを乱す不安を抱えながら投球している印象もあったのだが、今日は、そういった不安を感じさせない投球内容だった。2回～7回までの6イニングは、被安打1の無四球ピッチングということで、タレント揃いのDeNA打線をほぼ完璧に封じてみせた。こういった投球が増えてくれば、自然と登板機会も増えてくるはずである。今後に期待を抱かせる今日の山野の投球だった。

打線は、3点を追う展開になったのだが、DeNA先発の濱口に対して良い意味でしつこい攻撃を見せてくれた。得点は、2回の山野のセーフティースクイズと3回の長岡のセカンドゴロの間の2点のみに終わってしまったのだが、松本直が粘りの打撃を見せるなど、濱口に4回までで101球を投げさせ、5回持たずにマウンドから下ろすことに成功した。もちろん濱口のボールにバラつきがあり、走りもイマイチだったからこその結果だとは思うのだが、このしつこい攻撃が、終盤の逆転劇に繋がったのではないだろうか？
7回は、回跨ぎとなった京山から先頭の山田が四球を選ぶと、2アウトから村上にタイムリーヒットが飛び出し同点に追い付くと、9回は、DeNAのクローザー森原相手に2アウトランナーなしからチャンスを作り、サンタナがアウトコースのストレートを逆らわずにライト線に運ぶ勝ち越し2点タイムリー2ベースで試合を決めてみせた。長いリーチを活かした技ありの一打は、飯田哲也や古田敦也、もっと言えば落合博満の打撃を彷彿とさせるような上手いバッティングだった。
ビジター横浜スタジアムでのDeNA戦で鮮やかに逆転勝利を収めたことは、明日以降に繋がりそうである。

P．S　9回に勝ち越しに繋がる盗塁を成功させた並木は、脱臼の可能性が高いようですね。ゲーム終盤の大きな武器だっただけに、ここで離脱になると痛いですね。

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