山野の9失点

ヤクルト６－９広島

先発の山野が2回に大崩れしてしまった。2回を投げ切ることが出来ず、1回1／3で被安打9、与四死球1の9失点というスタッツが残った。オールスター明け最初のゲームということで、おそらくは、普段のゲーム以上に調整はしやすかったと思うのだが、1つの死球から信じられないくらい崩れてしまった。初回は三者凡退に抑えていたのだが、2回は小園に死球を与えた後、9安打を浴びてしまった。今日の負けについては、辛口にならざるを得ない。先発投手がこれだけ早い回にマウンドを降りてしまうと、その後の投手起用が非常に難しくなってしまう。明日以降に響く負け方である。山野の後を継いだ投手が広島打線を無失点で抑えたこと、村上の2本のホームランなどで6点を上げて追い上げたことをポジティブに捉えたい所ではあるのだが…やはり悪い負け方の部類に入ってしまうと思う。

山野は、何度も書いているのだが、大学3年次以降、突如としてコントロールを乱す姿が顔を出し、プロ入り後は怪我にも苦しみ、一旦は育成落ちした経過がある。その後支配下に復帰した際には、投球フォーム、投球スタイルが大きく変わっていたことに驚いたものである。テイクバックを変え、ムービング系のボールを多用しながら、打者を打ち取って行くスタイルは、以前の山野の姿とは全く違った姿である。その中でも地道に努力を重ね、昨シーズンのプロ初勝利に繋げ、今シーズンも勝ち星を上げたソフトバンク戦、その後のDeNA戦の投球内容は、悪くなかった。特にDeNA戦の2回以降の投球は、プロで一番の出来ではないか？と感じたくらいである。
しかし、今日は山野の課題である、突然の乱調が顔を出してしまった。2回は、先頭の小園に死球を与えてしまうと、ここから別人のような投球内容になってしまった。坂倉、菊地に連打を浴びると矢野に走者一掃となるタイムリー3ベースを浴び、逆転を許すと、1アウト後、投手のハッチにもタイムリーを浴びてしまう。こうなると、修正することが出来ず、秋山にヒットで繋がれ、野間には2点タイムリー2ベースを浴び、堂林、小園にもヒットを浴び、1点を追加されると、坂倉にもヒットを許してしまい、ここで降板となってしまった。
山野の乱調に関しては、1つの与四死球などから、突如としてコントロールが乱れ、四死球を与えてしまい、ストライクが入らないため置きに行ったボールを痛打されてしまうパターンがほとんどである。今日は乱調のきっかけとなった小園への死球以降は、与四死球はなかったのだが、甘くなった変化球を中心に広島打線に完全に捉えられてしまった。はっきりとは分からないのだが、死球をきっかけに思い切り腕を振ることが出来なくなったり、コースを狙い切ることが出来なくなったりするなどの要因があったのではないだろうか？1試合に奪わなければならない27個のアウトの内、先発の山野が奪ったアウトの数は、たったの4つである。これでは、試合にならないのである。後を継いだ投手が踏ん張り、打線もそれなりに追い上げたため、スコア自体は、見れるようなスコアで落ち着いたのだが、そのことはそれ程意味をなさないと思っている。それよりも金久保、小澤、星の3投手が2イニング以上を投げなければならなかったダメージの方が大きいと思っている。オールスター明けの最初のゲームでこういった試合を行ってしまったことは、如何にも最下位に沈むチームらしい。
おそらくこれで、山野は2軍行きとなるはずである。何とか2軍で結果を残してもう一度1軍の舞台に戻ってきてもらいたい。今の投球内容では、首脳陣は使い辛いだろう。

打線では、オールスター戦で2本のホームランを放った村上が、今日は1打席目、2打席目で広島先発ハッチから2ランホームランを放ってみせた。1打席目の先制2ランホームランも、2打席目のホームランも飛距離十分の迫力満点のホームランとなった。MLBで活躍する大谷というとんでもない選手がいるため、どうしても村上であっても影は薄くなってしまうのだが、この広角に飛距離を出せるバッティングは、大谷以外では、日本のトップと呼んでも差し支えないのではないだろうか？前半戦は昨シーズンに続いて苦しんだのだが、ここから一気に数字を上げていくことを期待したい。
その一方で心配なのが、山田である。今日はオールスター休みを挟んでのゲームということで、上手くコンディションを作ることが出来ていれば、期待できるかな？と思っていたのだが、3打数ノーヒットに終わってしまい、6回表の守備からベンチに退くこととなってしまった。他のヤクルトの選手に比べて、一発がある分、打率が低くても使いたいのだが、ここまで結果が出ないと、不動のレギュラーという言葉も使い辛くなってしまう。追い上げムードが出てきた中でも5回の打席後に交代となってしまったということが、今の山田の力ということになるのだろう。

オールスター明け初戦で期待していた山野と山田が結果を残せなかったことは残念ではあった。