強さは感じない。しかし勝ったことは収穫。

2023試合結果


ヤクルト3-2広島

昨日のゲームの守備でフェンスに膝をぶつけてしまい、打撲との報道があった村上がスタメンから外れた。不調とは言え、ヤクルトの軸となる選手のスタメン落ちは、チームにとっては大きなマイナス要因となる。そんな中で始まったゲームは、初回にサンタナが先制3ランホームランを放ち、リードを奪うと、その後は防戦一方の展開となってしまったのだが、ピーターズ、木澤、星、清水、田口の継投で何とか粘り切ってみせた。勝ったものの強さを感じさせてくれるゲームではなかった。それでも最下位に沈むチームにとっては、とにかく勝利というものが大切である。強くなくても、どんな形でも、とにかく「勝てた。」という事実を明日以降のゲームに繋げてもらいたい。

ヤクルト先発のピーターズは、今日も良い部分も課題の部分も見えたゲームとなった。1回、3回は味方のエラーもあって、ピンチを招く場面もあったのだが、そのピンチをきっちり凌ぐなど、得意の序盤を無失点で切り抜けてみせた。ピーターズの立ち上がりの安定感は素晴らしいものがある。先発投手にとって必要なスキルの一つであるのだが、ピーターズの立ち上がりは高いレベルで安定している。打線が初回に3点の援護をプレゼントしてくれたのだが、その後は追加点を奪えるような雰囲気がなく、徐々にプレッシャーがかかるような展開になっていたのだが、それでもピーターズは粘り強い投球を披露し、好調広島打線の粘りにも屈さずに5回まで無失点投球を続けてみせた。
しかし球数が100球に近付いた6回に2アウト1,2塁のピンチを招くと、ここで堂林に2点タイムリー2ベースを浴びてしまった。完璧に捉えらた打球ではなかったのだが、やはりピーターズは球数が80球を超え始めるとボールのキレが落ちるのか、相手打者に対応されてしまう場面が目立っている。今日もこれまでの登板と同じような投球内容になってしまった。最終的には6回を投げ切ることは出来ず、5回2/3で108球を投げ、2失点で降板となってしまった。
何とか6イニングを投げ切れるようになってくれればありがたいのだが、この課題の解決は簡単ではないだろう。序盤をどれだけ球数少なく凌げるか?という部分がポイントになるだろうか?かつて在籍したハフが先発を行っていた頃の投球内容に少し似ているかな?と感じるのだが、ハフはスタミナ切れという部分以外でエアスポット的にビッグイニングを作られてしまうことがあったと思うのだが、ピーターズの場合は、明確に「スタミナ」という部分が課題になっているように感じる。

リリーフ陣は、6回のピンチでマウンドに上がった木澤が代打の松山を三振に斬って取り、リードを守ると、7回は星がピンチを招き、2アウト満塁という場面で石山にスイッチする場面があったのだが、その石山が上本を打ち取り、この回も何とか1点のリードを保つと、8回、9回は、今のヤクルトの数少ない武器である清水ー田口のリレーで1点差という厳しいゲームを勝ち切ってみせた。木澤、星、石山の登板後に見る清水、田口の安定感は、やはりヤクルトリリーフ陣の中では、頭一つ抜けているように感じた。チームが低迷する中で8回、9回を任される清水、田口はここまで登板過多にはなっていない。おそらくは身体的なコンディション自体は、昨シーズンの同時期よりも多少なりとも余裕があるはずである。そうなると1点でも良いのでリードを奪って、8回、9回を迎えるゲームを増やしていきたいところである。この2人がいることで、格好悪くても今日のように勝ちを拾えることも考えられる。清水、田口の存在は心強い。

打線は冒頭にも触れた通り、今日は左膝の打撲で村上がスタメンを外れた。
1番センター並木、2番ショート長岡、3番ファーストオスナ、4番セカンド山田、5番ライトサンタナ、6番キャッチャー中村、7番レフト内山、8番サード武岡、9番ピッチャーピーターズという先発オーダーとなった。当たり前のことなのだが、やはり村上が不在となるとだいぶ迫力不足に感じてしまう。
しかしそんな打線が初回に大瀬良を打ち崩してみせた。先頭の並木がヒットで出塁すると2アウト後、山田がヒットで繋ぎ、2アウト1,3塁とチャンスを作ると、ここでサンタナが大瀬良のスライダーをハードヒットすると打球はセンターバックスクリーンへ飛び込む先制3ランホームランとなった。カウント2-0のバッティングカウントということもあり、サンタナはある程度大瀬良のスライダーに山を張ったのではないだろうか?そこまで失投とは思えない低めのスライダーだったのだが、完璧に捉えてみせた。終わってみれば、このサンタナの3ランが非常に大きかった。先頭の並木がヒットで出塁したものの、長岡、オスナと並木を進塁させることが出来ずに凡退してしまい、嫌な空気が流れていたのだが、よくここから3点を先制してくれた。おそらくこの回1点も奪えないまま試合が進行してれば、ヤクルトが勝てる確率はかなり低くなってしまっていたのではないだろうか?そんな場面で飛び出したサンタナの3ランホームランは、非常に価値の高い一発となった。
2回以降打線が完全に沈黙してしまったところに、今のヤクルト打線の状況が見えた。村上が代打で登場し2ベースを放ってくれたことで多少安心した部分もあるのだが、明日以降も苦しいゲームが続きそうである。
今日は4番に山田が起用されたのだが、このことで高津監督は、4番をただの「4番目の打者」とは捉えていないということが分かった。この辺りは高津監督なりのこだわりなのだろう。おそらくは4番を打線の軸と捉え、そこから打線を作っていくということなのだろう。そうなるとやはり村上の存在というものが非常に大きくなってくる。すぐにスタメン復帰できる状況にあるか分からないのだが、村上がスタメンを外れた中で勝ちを拾っていくことは簡単ではない。




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コメント

  1. アーム より:

    おっしゃるとおり、初回に点が取れてないければ負けていた可能性は高かったですね。

    リアルタイムで試合の映像をなかなか見れないんですが、並木の足ならもう少し盗塁の企画をしてもいい気がするんですが、チーム状況的に慎重になっているんですかね?
    まぁ並木が一塁にいるだけで相手バッテリーは相当嫌でしょうが

    • fiys より:

      アームさんへ

      並木に関しては、おそらく「ThisBall」で盗塁のサインが出ることはあまりないのではないでしょうか?本人の判断でいつでも走って良い「グリーンライト」の場面が多いのではないでしょうか(あくまでも推測ですが…)?本人が行けると感じた時は盗塁を仕掛けているのではないでしょうか?

  2. 超匿名 より:

     ピーターズの課題がスタミナなら、廣岡や張本の御大解説者からはオフの投げ込みや走り込みという回答になりそうですね。
     連日山田やサンタナに対してマイナスなコメントをしたら、次の試合で活躍してくれる逆神振りを晒してしまっているので、連夜の5安打は不甲斐ないと書いておきます。そうすれば今夜の打線は爆発?

    • fiys より:

      超匿名さんへ

      ピーターズは球数が80球を超えた辺りから相手打線に捉えられたり、もう1イニング任せても良いかな?という場面で首脳陣が継投に踏み切る場面が目立つので、スタミナに課題があることは間違いないように思います。

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