ヤクルト7-2西武
点差的には「快勝」という言葉を使いたくなるのだが、試合全体の印象からすると紙一重のゲームだったと感じるヤクルトファンの方も多いのではないだろうか?私もその一人である。決して強さを感じさせるようなゲームではなかった。それでも今日の勝利で西武戦の勝ち越しを決め、3連勝まで連勝を伸ばしたことはプラスポイントである。公式戦で最も大切なことは試合に勝利することである。こういった言い方をしてしまうと身も蓋もないのかもしれないが、高津ヤクルトは勝ちながらリズムを作っていくチームである。決して無理な投手運用をせずに戦うため、ある程度のコンディションを保ちながらシーズンを進められるという利点と、勝てるゲームで無理な投手運用をしないがために落としてしまうリスクが隣り合わせであり、一旦勝ちに見放されてしまうとズルズル後退してしまうことがある。逆にこういった投手運用でも勝ちを拾うことが出来れば、いつの間にチームにリズムが生まれることがある。昨日の勝ちも今日の勝ちも私は決して強いチームの勝ち方だとは感じていないのだが、3つ勝てたことでチームの流れが変わることを期待したい。
先発の小川は、今シーズンここまで、ストレートの球速がそれ程出ておらず、多彩な変化球も上手く使いながら、相手打者を交わすような投球で試合を組み立てている。圧倒するような投球を期待することは難しく、投球の中に様々な工夫を施しながら相手打線と対峙している印象がある。しかし今日の小川は、今シーズンの登板の中では、スピードガンの数字が出ており、今シーズンのゲームの中では、球威を感じさせてくれた。昨日の吉村に負けず劣らずの立ち上がりの良さを見せ、3回まで西武打線をノーヒットに封じてみせた。しかし4回に1アウトから源田にヒットを許すと、続く栗山の打席で西武ベンチはヒットエンドランを仕掛けてきた。これがものの見事に当たってしまい、栗山の打球は右中間を破るタイムリー2ベースとなり、先制点を許してしまった。西武先発隅田の出来からすると、先制点は絶対に許したくなかったのだが、西武打線に力技で1点を奪われてしまった。それでもその後のピンチを無失点で切り抜けると、その後も粘りの投球で追加点を許さなかった。味方が逆転してくれた後の7回にピンチを招いたところで降板となり、代わった木澤が1点を失ってしまったため、小川自身の数字は、6回1/3で103球を投げ、被安打5、無四球の2失点という数字が残った。現状西武打線も迫力不足であるため、今日1試合だけを見て評価することは難しいのだが、先発としての役割はきっちり果たしてくれた。
リリーフ陣では7回のピンチで登板した木澤、8回にマウンドに上がった山本がコントロールに苦しんだ。ある程度の点差がある中での登板だったため、ストライク先行の投球を見たかったのだが、2人とも苦心の投球になってしまった。そんな中、8回の2アウト満塁の場面を任されたのは、リリーフへ配置転換された小澤だった。リリーフ経験者とは言え、配置転換後の初登板でこの場面を任された緊張感はあったはずである。しかしそんなそぶりを見せることなく、小澤は淡々と投げ、佐藤龍を三振に斬って取ってみせた。配置転換後の初戦でこれだけ厳しい場面で起用されるのだから、高津監督をはじめとする首脳陣のリリーフとしての小澤の評価は相当高いのかもしれない。今日の試合を左右するポイントとなった。
打線は、西武先発隅田の前に苦しんだのだが、6回に2つの四球が絡んだ中で1アウト1,3塁のチャンスを作ると、ここでサンタナがセンターフェンス直撃の2点タイムリーヒットを放ち逆転に成功してみせた。際どい当たりではあったのが、1塁ランナーの村上がしっかりホームを陥れてみせた。
今日は、ここから打線が繋がり、山田が四球で歩いた後、オスナが代わった平井から3ランホームランを放ち試合の大勢を決めてみせた。村上、山田の状態が上がらなくても、サンタナ、オスナという打力のある助っ人外国人選手が打線に名を連ねていることは、ヤクルトのストロングポイントの1つである。
8回にはプロ初登板となった上田から武岡が2ランホームランを放ち、ダメを押してみせた。ゲームの前半は、隅田の前に抑え込まれてしまっていたのだが、6回以降、上手く打線を繋げてみせた。
西武はパリーグ最下位に沈んでいるのだが、先発投手が安定しているため、ヤクルトは苦戦する可能性が高いかな?と思っていたのだが、苦しみながらもなんとか2つ勝ってみせた。こうなると明日も勝利が欲しい。貪欲に4連勝を狙っていってもらいたい。
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コメント
前試合のキーマンだった山田もそうなんですが、小川もヤクルトの球団史を語る上で大きなウェイトを占める選手でしょうから、勝ちが増えていくのは嬉しいです。
私の中で先発失格とは思っていなかった小澤の配置転換に驚きましたが、腐らず頑張って欲しいですね。清水不振の影響は大きいですね。
超匿名さんへ
そうですよね。小川も球団史を語る時に欠かせない投手ですよね。