ヤクルト1-0日本ハム
日本ハムと2試合対戦した感触として、ヤフーレの投球がハマる可能性はあるのかな?と感じていた。好球必打で積極的にスイングを掛けてくる日本ハム打線に対して、ムービング系のボールをゾーンに集めて勝負するヤフーレの投球はもしかすると相性が良いのではないか?長いイニングを投げられるのではないか?という見立てをしていた。
相手先発加藤貴に関しては、今のヤクルト打線が捉えるのは難しいと感じていたため、イメージとしては、ロースコアの短時間ゲームに持ち込み、その中で勝利を拾えれば…と自分なりに思い描いていたのだが、その通りの試合展開となった。魅力的なチームになってきている日本ハム相手に勝ち越せたことは、今後に繋がりそうである。
ヤクルト先発のヤフーレは、立ち上がり、いきなり先頭の万波にヒットで出塁を許してしまうのだが、ここでランナーの万波をしっかり刺し、1つ日本ハムの機動力を封じてみせた。日本ハムとしては、対ヤフーレということを考えた時に、機動力で崩すイメージは持っていたはずである。だからこそ、ここで1つアウトを奪えたことは、今日の試合のポイントの1つとなったはずである。ヤフーレは、その後も序盤はピンチの連続であり、いつ先制点を奪われてもおかしくないような状況だったのだが、初回の2アウト1,2塁、2回の1アウト2,3塁、3回の1アウト2塁のピンチをいずれも凌いで、徐々にリズムに乗ってみせた。相手先発が加藤貴だったことを思えば、先制点が致命傷になってしまう可能性もあっただけに、このピンチを凌げたのは、大きかった。
その後も4回以外は、毎回ランナーを許す投球となってしまったのだが、日本ハムの積極的にスイングを掛けてくるアプローチとの相性はやはり良かった。それ程球数は増えずにイニングを喰ってみせた。今日は松本直とのバッテリーになったのだが、普段以上にナックルカーブ、カットボール、スライダーといった曲がり球の投球割合を増やして、日本ハム打線を打ち取っていった。特にヤフーレの特徴の1つであるナックルカーブの使い方が、中村とは多少違ったのではないだろうか(対日本ハム用のチームとしての方針かもしれませんが。)?結果として、打たせて取る、ヤフーレらしい投球を披露してくれた。今日も勝ち星に恵まれなかったのは、先発投手として残念に感じているかもしれないが、ここまで安定した投球を継続してくれているのは、チームにとって非常に大きなことである。7回で96球を投げて、被安打6、与四死球2の無失点というスタッツにもヤフーレらしさが表れている。
8回から継投に入ったヤクルトは、同点の8回は木澤、1点リードの9回は田口というリレーで日本ハム打線を完封してみせた。田口に関しては、まだボールの威力が戻り切っていないかな?という印象もあるのだが、9回の痺れる場面を何度も抑え込んできている経験値の高さが他の投手とは違っている。自らクローザーを志願した投手だけにプロ野球選手の中でも強いメンタルを持っていると感じさせてくれる。田口の武器と言えば切れ味抜群のスライダーなのだが、メンタルの強さは、それ以上の武器になっているのかもしれない。
打線は、日本ハム先発加藤貴の前に苦しんだ。と言っても1回、4回、5回、6回と先頭打者が出塁し、プレッシャーを掛けられる場面を作ったのだが、加藤貴は、全く動じなかった。この辺りが加藤貴の凄さなのだと思う。ランナーを出しても自分のペースで投球することが出来ており、ヤクルト打線、ヤクルトベンチが逆に受け身に回ってしまっているようだった。完全に加藤貴の術中にハマってしまった。「THE技巧派」と呼びたくなるような安定感抜群の投球だった。
結局マウンドを降りるまで加藤貴を崩すことは出来なかったのが、日本ハムが継投に入った8回にヤクルト打線が相手のミスに付け込み、先制点を奪ってみせた。この回は、代わった田中正に対して、先頭のオスナがショートフライを打ち上げてしまったのだが、この打球を水野が落球したことにより、0アウト2塁というチャンスが巡って来ると、続く松本直が追い込まれながらも何とか送りバントを決め、1アウト3塁とチャンスを広げてみせた。ここで日本ハムは、河野へスイッチするのだが、ヤクルトは代打青木が四球を選び、その後1アウト2,3塁とすると、西川が追い込まれながらも河野のストレートをレフトへ打ち上げてみせた。滞空時間は長めの高い飛球であったのだが、浅めのフライであり、ホームはクロスプレーになりそうだったのだが、ここは代走で起用されていた並木の足が、日本ハムレフト細川の肩を上回ってみせた。数歩でトップスピードに乗ると勢いそのままにヘッドスライディングで生還し、虎の子の1点を奪ってみせた。ロースコアのゲームで選手起用も当たった中でのノーヒットでの1点は、重みが違う。選手にも首脳陣も勇気を与える1勝になったのではないだろうか?
ヤフーレVS加藤貴を堪能し、その後のリリーフ勝負で勝ち切れたことは、来週以降に繋がるはずである。爽快な2時間33分のゲームとなった。
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