石川が私の不安を吹き飛ばす。プロ通算184勝目。

ヤクルト５－０阪神

私は、今シーズンの石川の投球に不安を感じていた。2試合ともに相手は中日だったのだが、各打者にしっかりボールを捉えられてしまう場面が目立ち、非常に苦しい投球に終始してしまっている印象があった。正直、どちらかというとピッチャーズパークである甲子園での今日のゲームで最低でも5回3失点くらいの投球が出来なければ、次の登板機会がどうなるかさえ分からなくなると思っていた。これまで以上に石川の登板日は覚悟を持って観戦する必要があると感じていた。
しかし石川は、そんな私の不安を吹き飛ばす投球を見せてくれた。阪神打線を6回途中まで無失点で抑え込み、プロ入りから22年連続となる勝ち投手となり、これで通算の勝ち星を184まで伸ばしてみせた。年齢を重ねても投手としてレベルアップしようとする貪欲さ、修正能力の高さは石川の武器である。そして大きな怪我での離脱なく、毎年コンスタントに投げ続けていることには頭が下がる思いである。石川の勝ち星は、石川やチームだけでなく、ヤクルトファンにとっても特別な1勝となる。

今日の石川は、初回、2回と阪神打線を三者凡退に抑える最高のスタートを切ってくれた。3回は、梅野、木浪に連打を浴びてしまい、0アウト1，2塁のピンチを招いたのだが、西勇に送りバントを決めさせず、進塁も阻止すると、阪神が誇る1，2番、近本、中野も上手くカウントを整えながら打ち取り、この回も無失点で切り抜けてみせた。自身が先発としての責任イニングを投げたり、次回の先発登板を勝ち取るために、それなりの結果を出す必要がある立場にあるのが今の石川である。序盤でもランナーを溜めて、タイムリーを浴びてしまっては、5回まで投げることは難しくなってしまう。3回の0アウト1，2塁のピンチを凌いだことは非常に大きかった。
直後の4回に味方打線が2点を先制すると、4回、5回は石川らしくストライクゾーンを広く使った投球で阪神打線を抑え、最終的には6回1アウトまで投げてみせた。もちろん先発投手として75球という球数での降板は本人にとって不本意に感じる部分もあると思うのだが、今ある力を十分に発揮してくれたと思う。
石川登板日のリリーフ陣は、今日のように石川が勝ち投手の権利を得た中で降板した場合、普段以上にプレッシャーが掛かると思うのだが、6回のピンチで登板した木澤がいつも通りの気迫を全面に押し出した投球で後続を断つと、7回は、石川と同郷の石山が無失点で凌いでみせた。この間に味方打線が追加点を重ね、5点のリードを奪ったこともあり、8回は大西、9回は星というリレーで逃げ切り、石川に白星をプレゼントした。石川の好投を活かす中で攻守が噛み合った見事なゲームとなった。
先週は毎試合5失点以上を許してしまい、投壊状態にあったのだが、昨日、今日と2試合続けて完封勝利を手にしてしまうのだから不思議なものである。それも小川や高橋といったエース格の投手の先発日ではなく、ルーキー吉村、大ベテラン石川の先発日に完封勝利を上げる辺りに驚きを感じてしまう。

打線は、西勇の前に、3回までは、無得点に抑え込まれてしまったのだが、4回に2アウトランナーなしから村上、サンタナが連続四球、中村が死球で2アウトながら満塁のチャンスを作るとここでオスナが追い込まれながらも高めの吊り球のストレートを力づくでレフト前に運ぶ2点タイムリーを放ち、先制点を奪うことに成功した。西勇は、コントロール抜群の投手であり、調子が良い時には手の付けられないようなピッチングを披露する。今日は、調子自体はそこまで悪くなかったように見えたのだが、ヤクルト打線が良く粘って繋ぎ、最後はオスナが勝負強さを発揮してくれた。おそらく阪神サイドからすれば、非常にもったいないと感じる失点だったのではないだろうか？西勇だけでなく、キャッチャーの梅野もこのシーンについてはかなり反省しているのではないだろうか？阪神バッテリーのちょっとした綻びを逃さず、先制点に繋げた攻撃は見事だった。
その後7回には青木のタイムリー内野安打、8回はオスナの内野ゴロと長岡のタイムリーで追加点を奪い、理想的な形のゲームに持ち込むことが出来た。今日は久々に強さを感じさせる盤石な試合展開に持ち込むことが出来たのではないだろうか？

P.S　ここの所結果が出ていない星が9回を任されたのだが、やはり3月末～4月上旬のようなボールが投げ込めていないように感じる。3月末～4月上旬は身体のパワーがボールに良く伝わっている印象があったのだが、今日も含めたここ数試合は、どうもパワーがボールに伝わり切れていない様子がある。一素人の勘違いであれば良いのだが…少し心配になります。

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