茂木栄五郎をFAで獲得

ヤクルト・茂木栄五郎と2年契約で合意　小川GM「どこでも守れてバッティングの実績と技術の高さ」を評価　10日入団会見 – サンスポ

かねてから報道されていた通り、楽天からFAで茂木の獲得が発表された。最初にヤクルトが茂木の獲得調査を行っているとの報道が出た時の私の感想は、「人的補償が必要になるBランクであれば、実際には獲得しないのではないだろうか？」というものだった。ここ2シーズン結果を残すことが出来ていない30歳を超えた選手を獲得して、人的補償で1人選手が流出してしまう可能性があるという部分がかなりリスキーに感じたからである。それでもヤクルトは、茂木の獲得に向かい、しっかり獲得してみせた。
これは、それだけヤクルトフロント陣が茂木のことを高く評価していたということになるのだろう。茂木と言えば、桐蔭学園ー早稲田大を経て、2015年のドラフト3位で楽天に入団した野球エリートである。エリートでありながら職人的な雰囲気も漂う稀有な選手であることは間違いない。私自身は、2015年のドラフトの時点では、そこまで高く茂木を評価していなかった。レベルの高い六大学で結果を残していたし、各メディアでの評価も高かったことは事実なのだが、飛び抜けた武器に欠けるかな？という印象を持っていた。蓋を開けてみれば、私の低評価とは裏腹に、茂木はルーキーイヤーからショートのレギュラーを獲得し、打撃面でも大いに結果を残してみせた。ルーキーイヤーからNPBの投手が投げ込むボールにしっかりアジャストしたこと、守備面での負担が大きい、遊撃手としてシーズン通して試合に出場し続けたことに衝撃を受けたことを覚えている。この年の新人王は当時日本ハムに所属していた高梨が獲得したのだが、もし私が1票を投じられたのであれば、おそらく茂木に投票したはずである。ルーキーイヤーの活躍ぶりはそれ程までに驚くべきことだった。
1年目の活躍により、楽天のレギュラーとして認知された茂木は、その後も打撃でしっかり結果を残していった。広角に強い打球を放てる打撃は、プロの世界でもしっかり通用していた。もし茂木がその後も結果を残し続けていたのであれば、私は、FAでの茂木獲得に違和感を感じることはなかったと思う。それ程までに実力がある選手だとは感じている。
しかし茂木は、度重なるコンディション不良に悩まされながら、ここ数シーズンは1軍での出場機会を大きく減らしてしまっている。この部分に関しては、個人的にはかなり引っ掛かりを感じている。もちろん年齢的には、まだまだ老け込む年齢ではないことは分かっているのだが、ちょっとしたコンディション不良で中々身体のキレが戻ってこないことは、どの選手にもあり得ることである。茂木に関しては、おそらくコンディションがしっかり戻るようであれば、長所である打撃面でチームに貢献してくれる可能性はあると思うのだが、そのコンディションがどこまで戻ってくるのか？という部分に不安を感じてしまう。若い頃のような身体の動きを取り戻せるだろうか？

ここまでうだうだ書いてしまったように、私自身は、今回の茂木獲得に関しては、人的補償で選手が流出してしまう可能性も含めて、どちらかというと反対の立場を取っていた。しかし、ヤクルトに入団が決定した今は、茂木のことを全力で応援しようと思っている。プロ1年目から結果を出した打撃センス、スキルは間違いないものを持っている。その能力を大いに発揮してもらいたい。

P．S　人的補償に関しては、やはり気になってしまいますね。プロテクトできるのは28名のみということで、やって見れば分かるのですが、どうしてもプロテクトしたくてもし切れない選手が複数名出てきてしまうんですよね。大引や成瀬を獲得した際には、人的補償についてのブログ記事も書き、個人的なプロテクトも公開しました。正直今回に関しても同様のブログ記事を書きたい気持ちは持っているのですが、昨年の山川のFAの際に人的補償で不可解な報道がなされ、人的補償に関するルールの曖昧さが浮き彫りになったままであるので、その中で「人的補償のプロテクトリストに関する記事は書きづらいな。」という思いも持っています。
SNS上では、今回の茂木獲得に関しては「水面下で楽天とヤクルトで話が付いていたのではないか？」という真偽不明の情報も出ているのですが、「あり得ない話ではないな。」という思いも持っています。実際に今後茂木の補償についてどんな展開が待っているのか気になる所です。

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