長岡と奥川の暗と暗

2025試合結果


ヤクルト2-5中日

スコア以上の完敗である。そしてチームにとってもファンにとってもあまりにダメージの大きいゲームとなってしまった。長岡と奥川は高卒6年目の同期である。まだまだ若手であり、将来のヤクルトを背負って立つ選手のはずである。そんな2人が怪我に苦しんでいる。今日に関しては、長岡のアクシデントによる離脱のショックが大き過ぎる。そして奥川も右肘、右肩の故障による身体の感覚のズレに苦しんでいるように見える。

長岡にアクシデントが襲ったのは、2回表の事だった。この回先頭打者として打席に入った長岡は、ピッチャー返しの痛烈な打球を放つ。しかし一塁へ走り出した時に足に痛みが走ったのかすぐに走れない状況に陥ってしまった。一塁まで到達することすら出来ず、ベンチに帰る際も自力では帰れない状況だった。見ているこちら側も辛くなるようなそんな状態に映った。先日の巨人戦でもヒヤリとする場面があったのだが、2023年のフェニックスリーグで右膝を負傷しているだけに、今後が非常に心配である。高卒3年目にショートのレギュラーを獲得し、その後打撃面での波はあったものの堅実な守備でチームを支えてきた長岡は、ヤクルト球団の歴史を遡ってみても特別な選手の一人である。ショートというポジションは激務であり、それでいて職人的な要素も強い花形ポジションである。そのショートで高卒3年目からレギュラーで試合に出場し続け、昨シーズンは最多安打のタイトルも獲得した長岡は、チームの主力の一人である。塩見、村上が離脱しており、山田のコンディションも整わない中で、長岡の存在は、チームにって今まで以上に大きなものとなっていた。主力としてチームを引っ張っていかなければならない覚悟も長岡なりに持っていたのではないだろうか?そんな矢先の大きなアクシデントである。映像や高津監督のコメントを見る限りでは、長期離脱は避けられそうにない。2023年の時の負傷も大怪我だったのだが、そこから復活し、2024年シーズンもしっかり結果を残したのだが、今回もショートとして戻ってくることが出来るのだろうか?そんなことも頭をよぎるようなアクシデントに映った。これからのヤクルトを支えていくであろうと思っていた長岡の負傷は、長岡自身にとってもチームにとっても非常に痛いものになりそうである。
今日のゲームを見れば分かるように、主力が離脱することによって、相手から見ればヤクルト打線に怖さを感じなくなっていると思う。村上も塩見も長岡も本来であれば不動のレギュラーであり、簡単に代わりの選手が見付かるような選手ではない。そういった選手が相次いで離脱してしまえば、どう戦っても実力差というものが出てきてしまう。山田のコンディションも万全ではないことは明らかであり、言い方は悪いが「1.5軍」のようなメンバーで今後のゲームを乗り切っていかなければならない。得点力という意味では、サンタナ、オスナに期待する他ないのだが、サンタナも故障リスクの高い選手であり、本来であれば、守備固めの選手を上手く使いながら起用していきたい選手である。しかし、現状途中で退かせるのは、高津監督をはじめとする首脳陣も躊躇せざるを得ないようなチーム状況である。これ以上離脱者を出すわけには行かないのだが、休ませることも難しいという厳しい状況に置かれてしまった。1試合単位では勝負出来るゲームもあると思うのだが、長いシーズンを考えると、このメンバーで優勝を目指すというのはちょっと虫が良過ぎる話のようにも感じる。
これまでもヤクルトは主力の離脱が多いことで話題になることが多かったのだが、代わりの利かない選手がここまで次々と離脱してしまう状況は稀だったのではないだろうか?1試合1試合丁寧に戦っていく他ないのだが、セリーグのどの球団と比較してもシンプルに実力差があるように感じる。

ヤクルト先発の奥川ももどかしい投球が続いている。2021年シーズンはリーグ優勝、日本一に大きく貢献し、ヤクルト投手陣だけでなく、NPBを代表する投手に成長することを疑わなかったのだが、2022年シーズンの開幕直後に離脱すると、その後長期間戦列を離れ、昨シーズンようやく1軍のマウンドで投げる姿を見せてくれた。しかし、かつてのようなボールのキレ、コントロールを戻すには至っておらず、おそらく本人ももどかしさを感じた中で登板しているように感じる。
今日は、ピッチャーズパークであるバンテリンドームナゴヤで、ある程度試合を作ってくれることを期待したし、それくらいの投球は披露してくれると思っていたのだが、初回~4回まで毎回安打を許し、毎回失点を喫してしまった。4回5失点という数字が重くのしかかってくる。おそらく今の奥川の状態からすると今日の投球内容は特別悪いという訳ではないと思う。今出来る投球の中で何とか相手打者と対峙して、試合を作っていきたい気持ちはあるのだと思う。しかし、これだけ打ち込まれ、制球も安定しないとなると、奥川自身気持ちが切れてしまわないか心配になる部分がある。本来の奥川は、意図したところにボールを投げ分け、打者の反応や試合のシチュエーションを見ながら投球をコントロールし、時には試合自体もコントロールしてしまうような凄みを持った投手だった。しかし、怪我の影響もあってか、当時のような投球を披露することは難しくなっている。そのことを最も感じているのは、おそらく奥川本人のはずである。「こんなはずではなかった。」というもどかしい気持ちも持っていると思うのだが、それでも今ある実力の中で何とか勝負しようとする姿は伝わってくる。しかし、今日のような結果が出てしまうと、奥川の中で頭や気持ちを整理することが難しくなる部分もあるだろう。まだシーズン序盤ではあるのだが、ここまで曲がりなりにもそれなりに先発ローテを守っていることをプラスに捉えて、次の登板に備えてもらいたい。

高津監督をはじめとする首脳陣にとっても、今日の試合のショックは大きいはずである。高津監督が2020年シーズンから指揮を執るようになり、個人的に一番驚いたのが、選手の負担を減らす起用法である。2020年シーズンは最下位に沈んだのだが、それでも最後まで選手に無理をさせるような起用をしなかったことに少なくない衝撃を受けた。今のNPB全体の選手の起用方法に影響与えた監督の一人が高津監督だと思っている。選手のコンディションを保つことで、チーム力のアップを狙ったマネジメントは新鮮に感じたし、そのマネジメントが功を奏したのが2021年シーズンであり、2022年シーズンだったと思う。しかし、ここ2年チームは低迷し、今シーズンも主力に大きな怪我が相次いでいる。ここまで戦力が削がれてしまうと、誰が監督でも勝負することは難しいと思う。個人的には村上の復帰に時間がかかるようであれば、2017年シーズンのような低迷も現実的にあり得ると思っている。
今シーズンは、これまでに比べて春先から先発投手を引っ張る場面が目立つように感じていたが、これも今シーズンに勝負を掛けようとする高津監督の思いが伝わってくるような起用法だった。しかし、まだシーズン20試合にも満たない中でもリーグ優勝という意味では非常に厳しくなってしまっている。今後高津監督はどのようなマネジメントでチームを引っ張っていくのだろうか?個人的には、自分のカラーを出しながらチームマネジメントを行い、2度のリーグ優勝を果たした高津監督の采配を支持しているファンである。今シーズンどんなに低迷したとしても最後まで指揮を執り続けてもらいたいというのが私の願いである。




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