首位と最下位

2024試合結果


ヤクルト0-7広島

今日で8月も終わりである。ペナントレースも佳境に入っている。先日の巨人戦でも感じたことなのだが、やはりリーグ優勝という目標に向かって戦っているチームと最下位に沈み、チームとしての目標を見出しづらくなっているチームとの差が出てしまったゲームであると感じた。今シーズンの大瀬良を「個」の力で打ち崩すことは中々難しいものである。

大瀬良大地
・ベテランという年齢に差し掛かり、昨シーズンは、コンディション面でも苦労していた印象が残っている。正直今シーズンのここまでの活躍は、想定していなかった。シーズンオフに右肘のクリーニング手術を受けたこともあり、今シーズンは苦労するシーズンになるのでは?と思っていたのだが、カットボールを主体とした投球スタイルを確立させ、円熟味のある投球で結果を残している。
冒頭にも書いた通り、今のヤクルト打線が、この大瀬良を崩すことは難しい。「個」の力と言っても、おそらく相手バッテリーが怖さを感じるのは、長岡、サンタナ、村上、ギリギリオスナまでではないだろうか?その中で巧みにアウトカウントを増やすことは、大瀬良にとっては苦もないことなのかもしれない。結局ヤクルト打線は、初回の先頭打者長岡がヒットを放った後、大瀬良をはじめとする広島投手陣の前にノーヒットに抑え込まれてしまった。
大瀬良の安定した投球を称賛するしかないゲームになってしまった。

髙橋奎二
・結果から書いてしまうと、6回1/3で105球を投げ、被安打7(被本塁打2)、与四死球1の6失点(自責点4)という数字が残ってしまった。数字だけを切り取ってしまえば、良くない結果といえるのかもしれないが、投球内容はそれ程悪くなかった。直近の2試合は、7回を投げ切りしっかり勝利投手になっていたのだが、今日も6回までの投球は、先発投手として十分合格点を与えられる投球だった。それだけに7回に長距離砲とは言えない菊地、矢野に連続ホームランを浴びてしまったのは勿体なかった。その後リリーフした山野が失点をしてしまい、失点6という数字になってしまったのだが、今日は特別ボールの走りが良かったとは思えない中でも試合を作ったことを評価したい。
マツダスタジアムでは、前半戦でも好投するゲームがあり、高橋も先発投手としての投球のコツのようなものを掴めたのかな?と感じさせてくれることがあった。その後結局は、波のある普段の高橋に逆戻りしてしまったのだが、ここに来て、もう一度安定感を取り戻しつつある。特にピッチャーズパークと呼ばれるような広い球場でのゲームでは、思い切って勝負出来る分、結果を残しやすいという部分もあるのではないだろうか?
投げるボールは一級品であることに疑いようはない。長いシーズンを戦い抜く心身のタフさが求められる。今回の登板は、台風によるアクシデントもあり、普段以上に難しい調整になったと思われるのだが、その中で先発投手として試合を作ったことは、評価できるのではないだろうか?そういった部分でも少しずつ成長してきていると信じたい。

山野太一
・逆に心配なのは、山野である。ここ数試合は、投げるたびに打ち込まれてしまったり、四球やミスが重なってしまっている。それでも1軍での登板機会を与えられているということは、首脳陣が今の山野に期待していたり、将来の伸びしろに期待しているからこそだとは思うのだが、ここ最近のピッチングは、あまり良い部分が見付けられない。昨シーズンに比べて、確かにファストボール系の球速は目に見えて上がっているのだが、結果に繋がってこない状況が続いている。突然制球を乱す部分も残っており、今のところどういった場面で投入することが良いのか迷ってしまうような投球内容が続いている。自分の投球スタイルを模索している姿は、痛い程伝わってくるのだが、そろそろ結果が求められるというのも事実だろう。

ヤクルト打線
・今日は、初回の先頭打者である長岡の1安打のみに封じられてしまった。今日の試合だけを切り取るのであれば、今日は、大瀬良を称えて、「明日から切り替えて戦っていけば良い。」となるのかもしれないが、事はそう単純ではないと思っている。今のヤクルトは最下位に沈み、チームとしての目標を見出しづらくなってしまっている。そういった中で様々な立ち位置の選手が一緒にプレーしながら結果を残すことは簡単なことではないのだと思う。タイトルを争っている長岡、サンタナ、村上辺りの力を上手く利用しながら戦っていきたい所だろう。明日以降も上位チームとのゲームでは、今日のような展開が繰り返されてしまう危険性がある。何とかそうならないように戦ってもらいたいのだが、NPBという日本最高峰のリーグは、そう甘くないことも分かっているつもりである。

広島の戦力
・昨シーズンも、今シーズンもシーズン前の段階では、広島の戦力がそこまで整っているようには感じていなかった。正直昨シーズン、新井新監督の下で2位に喰い込んだこと自体、私にとっては、驚きだった。それでも今シーズンも優勝候補として広島の名前を挙げることはなかった。それは、やはり戦力的に投手陣も野手陣も他球団に比べてやや見劣りするように見えていたからである。
しかし実際には、投手陣は、先発もリリーフ陣もドラフト上位で獲得した投手を中心に、しっかり整備し、今やリーグ屈指の投手陣を形成している。そして野手陣は派手さはなくても、各々が与えられた役割を理解してプレーすることが出来ており、数字以上に良い意味で「嫌らしさ」を感じる打線になっている。守備、走塁面への意識も高く、流石首位に立つチームだなと感じさせてくれる。
・ファンの後押しも大きいマツダスタジアムでのゲームは、相手チームからするとビジター感が強いと思うのだが、それにしても昨シーズン、今シーズンとヤクルトは勝利することが出来ていない。16年~19年シーズンもマツダスタジアムには相当嫌な思い出が詰まっているのだが、23年、24年シーズンも同じような状況に陥ってしまっている。何とか一矢報いることは出来るだろうか?




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感想(2件)




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コメント

  1. 超匿名 より:

     敗戦の原因は待ち構えているだけでよい広島と違って、大変な移動のせいだったと思いたい。
     高橋も強く非難できませんが、広めの球場で稀にしか一発を打たない選手に、長打を打たれるレベルの投手であって欲しくはありません。
     長岡は流石ですね。こういう試合でも一本打てることはタイトルという結果に繋がると思います。

    • fiys より:

      超匿名さんへ

      悪い投球ではなかったですが、7回の点の獲られ方は、良くなかったですね。もう一段階上のレベルを期待したい投手ですからね。

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