ヤクルト3-2中日
ヤクルト先発の高橋奎二が何とか6回を2失点で粘り切ったからこその勝利だと思うのだが、前回の阪神戦も今日の中日戦も投球内容自体は誉められるものではなかった。高橋には、左のエースとして力で相手をねじ伏せられるような投手になってもらいたいという願望があるのだが、今シーズンはそういった投球を見ることは出来ていない。その一方で悪いながらも何とか粘り切る投球は、何度か見ることが出来ている。これを高橋の成長(悪いなりに試合を作れるようになった。)と捉えることも出来るのだが、期待値の高さからそういった感想にはならないファンが多そうである。何を隠そう私自身も前回や今回の高橋の投球を手放しで誉めることは出来ないと思っている。しかしそれでも今日の勝利は、高橋が6回2失点で粘り切ったからこその勝利だと感じている。
ヤクルト先発の高橋奎二は、立ち上がり簡単に2アウトを奪ったのだが、その後細川にヒットを浴びると、続く石川昂にレフトスタンドに飛び込む2ランホームランを浴び、先制点を許してしまった。またこの後もビシエド、木下に連続四球を与えてしまうなど、ピリッとせず、初回、2回は何とか2失点で抑えたという感想しか残らなかった。前回の登板も非常に球数が多くなってしまったのだが、今日も2回終了時点で58球ということで、投げられても5回までかな?と感じていたのだが、それでも3回、4回と上手く中日打線を抑えると、5回、6回のピンチも何とか無失点で切り抜け、最終的には、6回で121球を投げ、被安打7(被本塁打1)、与四死球4の2失点で踏ん張り切ってみせた。29試合連続安打中の岡林を抑えたということは、やはりボール自体はある程度走っていたと思うのだが、それでも各打者に合わせられてしまっているのが気になる所である。以前にも書いたことがあるかもしれないが、野球というスポーツは「良い球を投げる」スポーツではなく、どんなに良い球を投げていても、打ち込まれてしまったり失点してしまったりしたら、高く評価はされないスポーツである。私は、高橋が1軍で投げ始めた頃から、そのボールの威力とキレに惚れ惚れしていたのだが、中々結果が伴わないシーズンが続いていた。ようやく安定しだしたのは、21年シーズンの後半からであり、まだまだ実績を積み上げた投手とは言えない。今年は、WBCの日本代表にも選ばれたように、その実力は疑いようがないのだが、シーズンでコンスタントに結果を出すことが出来ていない。投げるボールの質からすると個人成績が物足りないと言わざるを得ない。今後は、相手を抑えるための工夫をお願いしたいものである。期待値が高い選手だけにハードルはどうしても高くなってしまう。
2-2の7回からマウンドに上がった木澤は、1アウト後石川昂に頭部死球を与えてしまい、危険球退場となってしまった。木澤の特徴の1つは、MAX150キロを超えるシュートであるため、右打者のインコースは強気に攻めていくことがプロの世界で生き残るために必須となってくるのだが、今日はそのシュートが相手打者の頭部に直撃するという最悪の結果を招いてしまった。元々コントロールが良いタイプの投手ではなく、投球スタイル的にも死球や胸元をえぐるボールはよく投げ込んでいたのだが、今日の死球は非常に危険なものとなってしまった。まずは石川昂の無事を祈るのみなのだが、当てられた打者は打者で今後、頭部死球の残像と戦わなければならないと思うし、木澤は木澤で、今日の頭部死球の記憶と向き合っていかなければならない。今の木澤は、右バッター、左バッター関係なく、インコースを攻められなければ、1軍では通用しない投手であるため、今後もインコースは攻めていくという選択肢しか残されていない。そんな状況下でも今の自分のスタイルを貫くことが出来るだろうか?
その後騒然とした雰囲気の中で急遽マウンドに上がった星が何とか7回を無失点で切り抜けると、8回、9回は、清水、田口のリレーできっちり中日打線を抑え込んでみせた。こういう雰囲気のゲームでもしっかり試合を締め括ってくれた清水、田口には拍手を送りたい。
打線は、村上を欠く中で、ほぼ昨日と同じオーダーになったのだが、昨日のゲームで左手を負傷した中村に代わって古賀がスタメンマスクとなった。
苦手の高橋宏斗を相手に、今日も苦戦したのだが、2回に丸山和のタイムリー2ベースで1点を返すと、6回には、ワイルドピッチで同点に追い付いてみせた。打ち崩せたわけではないのだが、ヤクルト先発の高橋奎二が粘る中で、打線も何とか高橋宏斗に喰らい付いてみせた。そして7回には、先頭の丸山和がヒットを放つと、宮本の送りバントとワイルドピッチで1アウト3塁と勝ち越しのチャンスを作ると、ここで昨日に続いて1番で起用された武岡が犠牲フライを放ち、この1点が決勝点となった。武岡は昨日に続いてバットでもアピールしてみせた。先日はバウアーからプロ初ホームランを放ったのだが、今日は高橋宏から犠牲フライと、徐々に一流の投手のボールにもアジャストすることが出来始めている。ここから一気に結果を残してもらいたいものである。チャンスというものは、限りがあるものであり、平等ではない。必要な時にしっかり結果を残せる選手が自然とレギュラーポジションを確保していくこととなる。武岡は今シーズン終了までにある程度の結果を残すことが求められる立場の選手である。
石川昂への頭部死球やサンタナのフォロースルーで木下が負傷するなどのプレーがあり、後味の悪いゲームにはなってしまったのだが、それでも明日以降も強い気持ちでゲームに入ることが求められる。気持ちで負けて通用するような甘い世界ではないことは確かなはずである。
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コメント
丸山武岡の打撃や古賀山田哲人の好守は称賛すべき試合でしたが正直下位チームの対戦といった印象です。得点も相手のミスありきでしたし、当たり前ですが阪神だったり横浜相手なら勝つにはやはり村上のホームランが1本必要だなと。
高橋奎二は今26歳ですか。今は選手寿命も伸びてるしまだまだ未来のある身ではありますが、いつまで「期待の若手」でいるつもりなんだ?と叱咤したい気持ちもあります。勿論本人は期待に応えたいと頑張ってるのは分かるのですがファンももどかしいですね
それでも(今年は奪三振が減った中で)今日は5奪三振というのは好材料かもしれません
saboさんへ
確かに下位に沈むチーム同士の戦いという印象は拭えませんでしたね。
WBCの代表に入るくらいなので、しっかり成長してきているとも言えるのですが、どうしてもハードルは高くなりますよね。
ヤクルトの高橋は相手の高橋に投げ負けなかったので、先発の責任は果たしたと言えます。石井一久の再来を期待する声は多いでしょうが、まずは二桁勝って村中に匹敵することを証明して欲しい。
このところ活躍している武岡はセカンドだったりショートだったりサードだったりと、ポジションが安定しない中で大変だろうによくやっていますね。
今野の死球の記憶が新しいのに頭部死球退場はイメージが良くないです。故意に当てている訳ではないでしょうが、勝つか負けるか点が入るか入らないかでドキドキしたいのであって、当ててしまうのではないかというドキドキはいらない。二軍も死球が多いらしいし気になる問題ですね。
超匿名さんへ
村中の成績は1つの基準になりますよね。
武岡は今がアピールのしどころですよね。