1点を嫌って2点を失う。バンテリン式アリ地獄にハマる。

ヤクルト０－２中日

伏線は、昨日のゲームにあっただろうか？このブログ記事でも「大逆転負け」という言葉を使わせてもらったのだが、勝てるゲームを落としてしまった影響はあったのではないだろうか？もし昨日勝っていれば、ヤクルトはこれまでの悪い流れを払拭できた可能性があったし、中日の勢いを止めることが出来た可能性もあったと思う。しかし実際には、8回に清水、木澤で3点を失い、試合も落としてしまうことになった。バンテリンドームナゴヤでの中日戦と言えば、ここ何年もロースコアのゲームが多くなっており、1点の重みが大きくなっている。
そんな中で1点も与えたくなかった小澤ー中村のバッテリーが、6回2アウトから中田を歩かせたところからゲームが動いてしまった。1点も与えたくないという気持ちが、2失点に繋がってしまうという皮肉な結果を生むことになってしまった。
今の中日がやりたい野球は、おそらく今日のようなゲームだろう。これまでもこういったゲームをモノにしていきたいというチームだったと思うのだが、今シーズンはここまで好調を維持していることもあり、選手も首脳陣も多少心に余裕を持って試合に臨んでいるのではないだろうか？そんな中日に対して、今日のヤクルトはもがけばもがくほどアリ地獄の深みにハマっていくようなゲームになってしまった。

今シーズンここまで安定した投球を披露している小澤は、今日も良いピッチングを披露してくれたのではないだろうか？良い意味で1軍のマウンドにも慣れ、マウンド上で風格のようなものを感じさせてくれた。相手先発の涌井のポーカーフェイスぶりに負けず劣らずのマウンドでの佇まいだった。ストレートも変化球もキレ、コントロールともに良く、4回まではほぼ完璧な投球を披露してくれた。村上の悪送球も重なった5回には、0アウト1，3塁のピンチを背負ったのだが、ここを無失点に抑え、チームに流れを呼び込んだように感じたのだが、6回に落とし穴が待っていた。簡単に2アウトを奪ったのだが、ここで中田の一発を警戒するあまり、四球を与えてしまうと、細川にはレフトフェンス直撃の2ベースを打たれ、2アウト2，3塁とピンチを広げてしまう。ここでカリステに初球のストレートを捉えられてしまうと打球は三遊間を破る2点タイムリーとなり、均衡を破られてしまう。もしこの回を無失点で抑えていたならば、中田への四球も「冷静な投球」という評価もなされると思うのだが、結果として2点を失ってしまったというのが、紛れもない事実である。今のヤクルト打線の状態と中日投手陣の状態、そしてNPB全体として得点が少なくなっている現状を考えると、1点も与えたくないというバッテリーの気持ちは痛いほど分かるのだが、そのちょっとした隙を中日に突かれてしまった。ここ数年上手く回っていなかった中日の戦い方が、今シーズンはここまで機能してきている。幾重にも張り巡らされた罠にハマってしまった形である。おそらくヤクルトのチーム状態が悪くなければ、こういった罠は、気にならないと思うのだが、チーム状態が悪いことによって個々人がもがく中で、中日ペースに引き込まれてしまった。やはり昨日の敗戦が尾を引いているように感じる。

打線は、昨日の敗戦と2番村上のブレーキもあってか、今日は、1番西川、2番オスナ、3番塩見、4番村上、5番サンタナ、6番北村拓、7番長岡、8番中村、9番小澤という打順に組み替えてきた。私は、4番村上派であるため、この組み換えはありだと思っているのだが（好みとしては、2番に小技が出来る打者ではあるが…）、序盤のチャンスでこの打線が機能しなかった。中日先発の涌井相手に初回は、2アウト満塁、2回は、2アウト1，2塁、3回は、1アウト1，2塁とチャンスを作ったのだが、初回、3回は北村拓が、2回はオスナが倒れ、先制点を奪うことが出来なかった。バンテリンドームナゴヤでのゲームは、先制点、1点の重みが非常に大きいだけに、ここで1点でも取っておきたかったのだが、その1点を奪うことが出来なかった。昨日はヤクルト石川が粘りの投球を見せたのだが、今日は中日のベテラン涌井が味のある投球でヤクルト打線の得点を与えなかった。
この部分に関しても、昨日のゲームで逆転負けを喫してしまった心理的な影響、焦りがあったのではないだろうか？

正直、私の中では、昨日の逆転負けが引っかかっている。この流れを断ち切るには、とにかく１つ勝つしかないと思っている。勝てないとまた、4月前半と同じような状態に陥ってしまう危険性が高い。明日こそは勝ってもらいたいものである。