エース小川で快勝!2勝1敗!

CSファイナルステージ第2戦
ヤクルト4-0巨人(2勝1敗)

昨日の敗戦は1敗以上の重みがあるのでは…と昨日書いたのだが、今日は投げるべき人が投げ、打つべき人が打って快勝してみせた。特にこのシチュエーションで8回無失点という投球を披露した小川の活躍ぶりは「エース」と呼ぶにふさわしいものだった。

CSファイナルステージという大舞台、初戦を石川で落として1勝1敗のタイにされての第2戦、そして相手の先発はセリーグを代表する投手の1人マイコラス、これだけプレッシャーの掛かるゲームでも結果を残す小川の精神力は間違いなくNPBトップクラスである。
初回から苦手の立岡にヒットを許すという苦しい立ち上がりとなったが、その立岡をけん制で刺して初回を乗り切ると、2回は阿部のヒットと長野の四球、亀井の送りバントと井端への四球で1アウト満塁のピンチを招くものの、その後の小林をピッチャーゴロ、マイコラスを三振に仕留めて、ピンチを脱してみせた。相手投手がマイコラスだっただけに初回、2回で1点でも獲られていたらかなり苦しいゲーム展開になっていただろう。そんなプレッシャーもあったはずなのに、ピンチでも堂々としたマウンドさばきを見せてくれた。
立岡を刺した牽制、2回の1アウト満塁でのピッチャーゴロの処理などは冷静で素晴らしいプレーだったと思う。打者に対して投げること以外のプレーにまで神経が行き届いているところが、小川が「勝てる投手」でいられる1つの要因なのだろう。
3回以降は8回のバレンティンのミスによる立岡の2ベース(3塁憤死)以外は、2塁すら踏ませないほぼ完璧なピッチングを見せ、見事にマイコラスに投げ勝ってみせた。初回から飛ばしていたはずなのだが、中盤以降もしり上がりに調子を上げていってみせた。このブログではルーキーイヤーのオープン戦から小川を称賛する記事を数多く書いている記憶があるのだが、本当に素晴らしい投手である。威力のあるストレートと多彩な変化球をコントロール良く投げ分けるだけではなく、状況に応じたプレーを選択することが出来、プレッシャーがかかる場面でも表情一つ変えることなく自分の仕事をしっかりこなしてくれる。プロ野球の世界では小柄な部類の投手であり、決して体格には恵まれていないし、同期の藤浪や菅野に比べてボールの迫力という意味では劣っているように感じることもあるのだが、それを補って余りあるだけの投手としてのセンス、野球選手としての嗅覚を持ち合わせている。調子が良くなくても良くないなりに考えて投げることが出来、その時その時の状況に応じてベターな判断が出来る小川はやはり今のヤクルトのエースである。
8回で104球を投げ、被安打5与四死球2の無失点という数字は今日のゲームのシチュエーションを考えれば100点を付けて良い内容だと思う。
9回を任されたバーネットは、四球とヒットでピンチを招いたものの、ボールの迫力は相変わらずで調子自体は全く問題ないと感じた。明日以降も期待したい。

打線は昨日のゲームでブレーキとなってしまったバレンティンを6番に下げて雄平を5番に起用した。そして7番には大引に代えて今浪を起用するオーダーに組み替えてきた。
初回から3回まではほぼマイコラスのペースで抑え込まれてしまったが、4回に川端、山田の連打で0アウト2,3塁のチャンスを作ると畠山の連日の先制打となる犠牲フライが飛び出し、1点を先行する。すると続く雄平のファーストゴロが阿部の判断ミスを誘い、追加点を奪うことに成功する。CSではこういったプレーが勝敗を分けると改めて感じさせるプレーとなった。
6回にも川端、山田の連打に雄平のポテンヒットも重なり、1アウト満塁のチャンスを作ると昨日ブレーキとなってしまったバレンティンがマイコラスの外角ボールゾーンに流れていくカーブに必死に食らいつく2点タイムリーヒットを放ってみせた。ボール球に手を出してしまった格好なのだが、何とかバットに当ててみせた。打った瞬間と1塁上でのガッツポーズにバレンティンのこの試合に賭ける気持ちを感じることが出来た。

相手先発がマイコラスということで正直かなり厳しいゲームになると踏んでいたのだが、小川の好投と打線の粘りで貴重な1勝を手繰り寄せてみせた。選手が時折見せる勇ましい表情にヤクルトというチーム全体が「闘う集団」に変貌してきていることを感じた。7回に川端が死球をぶつけられた後の8回に畠山もぶつけられたのだが、その瞬間畠山が怒りを露わにしてくれた。ここ数年巨人相手にはケンカ腰で戦ってほしいと感じていたのだが、今日はそんな姿を垣間見ることが出来た。気持ちのこもったゲームを見ることが出来て嬉しかった。

P.S そういえばルーキーイヤーの小川登板日のバレンティンの援護率は凄まじいものがありましたよね。今日のバレンティンの猛打賞の活躍を見てそんなことを思い出しました。

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コメント

  1. sabo より:

    今日の小川は実質完封でしょう。短期決戦だから肩慣らし目的でバーネット登板しましたけどシーズン中なら最終回も投げきって完封でした。本当に今日の小川は良かった。調子の悪かった序盤もモーションをずらしたり工夫してるように思えました。尻上がりに調子を上げた中盤からはなにを投げても抑えられそうな雰囲気でしたね。

    チーム全体も固さがとれていい雰囲気だとみえます

  2. 久保田 より:

    小川投手、見事でした!畠山選手は、さすがに4番で打点王ですね!バレンティン選手も、存在感をアピールしてくれました。上田選手の8回の守備も素晴らしかったです。バレンティン選手のミスをカバーし、立岡を刺しました。2戦目は、チーム一丸となっての完封劇でした。嬉しい勝利です!

  3. k より:

    小川に尽きますね、一気に流れをヤクルトに引き寄せる投球でした。
    序盤は高めに浮いてましたが修正も出来てましたね、中村のリードも昨日の石川と同様に慎重になりすぎて内を攻められてなかったですけど途中から強気にいけていたのが良い結果に繋がりましたね。
    次は館山ですがコントロールは投げてみないと分からないので不安ですね(雨模様で寒さでケガも心配です)相手も菅野なので試合が天候同様に荒れそうな予感です(終盤リリーフ勝負でしょうか)
    それと巨人打線は立岡と阿部がチームの半分以上の安打を放ってますが阿部は単打ばかりで大きいのがないので立岡を抑える事が出来れば得点力は下がりますね。
    あと中軸に当たりが出てきてましたが中村が打撃の方では全く期待が出来ないので下位打線での得点は厳しいですから未だノーヒットの上田が奮起してくれる事を期待したいのですが・・・比屋根でもいいですけどね。

  4. FIYS より:

    > saboさんへ

    小川の好投がチームに良い雰囲気をもたらせましたね。館山もナイスピッチングでした。

  5. FIYS より:

    > 久保田さんへ

    投打の主役がしっかり仕事をしましたね。

    今日は守り勝ちましたね。

  6. FIYS より:

    > kさんへ

    阿部にこれだけ打たれても2試合連続完封が出来ているところにヤクルトバッテリーの落ち着きを感じますね。

    館山は小川に続いて粘りの投球を見せてくれましたね。

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