ビシエドとバレンティンの明暗

ヤクルト３－５中日

昨日のゲームの記事でも書いたのだが、ビシエドがチームに加入したことで、中日のチーム力が間違いなく上がっているように感じる。今日のゲームではヤクルトの4番バレンティンが初回の守備時に負傷交代した一方で中日の4番ビシエドが逆転満塁ホームランを放ち、くっきり明暗が分かれる形となった。

先発の原樹理はここ数試合ゲーム序盤で崩れてしまうことが多く、今日のゲームでも同じような投球が続くようであれば今後の起用法が検討されてもおかしくない状況だったのだが、今日は6回を被安打４与四死球３の1失点としっかりゲームを作って見せた。初回に失点してしまったものの原樹理らしくシュートとスライダーでストライクゾーンを広く使い、中日打線から３つの併殺打を奪うなど、本領を発揮してくれた。試合を決める逆転満塁ホームランを放ったビシエドに対してもインコースのシュートも効果的に使って3打席とも抑え込んでみせた。それだけに今日こそは原樹理に初白星を付けたかったのだが…プロ入り初勝利は次回以降に持ち越しとなってしまった。本来であれば相手が原樹理の投球パターンに慣れる前に勝ち星を稼ぎたいところなのだが…

リリーフ陣は３－１とリードした7回から秋吉、ルーキと繋いで逃げ切りを図った。7回を秋吉、8回をルーキ、9回をオンドルセクという形で勝ちパターンを確立したかったと思うのだが、今日は8回に登板したルーキが掴まってしまった。今日のようなゲームをロマン、オンドルセク、バーネットを中心にしっかりものにしてきたのが昨シーズンのスワローズだったのだが、やはり今シーズンはまだゲーム終盤を逃げ切れるだけの型を作ることが出来ない状態が続いている。
ルーキはここまで11試合に登板し、防御率０．００と完璧な投球を続けていたのだが、今日は制球に苦しみ、1アウト1塁から堂上、高橋に連続四球を与えてしまい、1アウト満塁で中日の4番ビシエドを迎えるという最悪の形を作ってしまった。そのビシエドにも３－１とカウントを悪くしてしまい、ボールを投げれない状況で投げたカーブをレフトスタンドに運ばれてしまった。
ルーキに関しては、ボールの威力があり、低めのフォークで三振も奪えていたため細かい制球力のなさはそんなに気になっていなかったのだが、今日は四球でランナーを溜めてしまった。ここまで安定した投球を披露していただけに今日も原樹理の初勝利をアシストして欲しかったのだが…それでもルーキに代わる投手がいるわけでもないため、しっかり切り替えて来週のゲームに備えてもらいたい。
それにしてもビシエドは脅威である。振り返ってみれば強かった落合中日時代もTウッズ、ブランコといったナゴヤドームでもホームランを打てる助っ人外国人がいた。やはり長距離砲が1人いるのといないとではチームとしての爆発力が変わってくる。2011年のヤクルトの躍進は低反発球でもホームランを打てるバレンティンと畠山の存在が大きかった。今年はビシエドの存在が中日の躍進に繋がる可能性がある。
開幕前の記事でビシエドはNPB初年度のバレンティンの数字が目安になるのでは？というようなことを書いたのだが、今のところバレンティン以上に選球眼が良くアベレージも残している。このまま調子を維持するようなことがあれば中日もセリーグの台風の目になる可能性もありそうである。

ヤクルト打線は苦手ネイラー相手に初回に山田が先制2ランホームランを放つと3回には雄平にタイムリーを放つなど序盤に上手く打ち崩し、5回までに100球以上の球数を投げさせるというチームとして苦手ネイラーを攻略しようとする意図を感じる攻撃を見せてくれていたと思うのだが、結局ネイラーには7回まで投げきられてしまい、苦手克服とまではいかなかった。
この1週間で野手陣に怪我人が続出してしまっているのだが、今日はバレンティンが初回の守備で左足の内転筋に違和感を感じたようで途中交代となってしまった。バレンティンはここ数年ずっと足に違和感を感じながらプレーしている様子が伺える。今シーズンはキャンプ前からかなり身体を絞っていたのだが、それでも足の違和感は消えていないようである。これは少し心配である。正直打撃面でも2013シーズンと比べると下半身の安定感がないように感じるのだが、それでも数字は残してくれている。これがバレンティンの凄さなのだと思うのだが、試合に出られないような状況が続くのであればチームにとっては大きなマイナスである。本人は軽症を強調しているとのことだが、来週以降しっかりゲームに戻ってこられるのか気になるところである。


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