黒田博樹日米通算200勝達成

20年目で金字塔を打ち立てた。広島・黒田博樹投手(41)が23日、阪神戦で7回を5安打無失点の好投。今季7勝目を挙げ、日米通算200勝(日121、米79)を達成した。中日・山本昌以来、8年ぶりの「200勝投手」誕生で、日米通算での到達は野茂英雄以来、史上2人目となる。07年オフにフリーエージェント(FA)権を行使してメジャーに移籍したが、昨年、再び愛する古巣に帰ってきた背番号15。次の使命は、チームに25年ぶりの優勝をもたらすことだ。
(スポニチアネックス引用)

過去記事はこちらから→「黒田が広島に復帰!

ヤクルト以外のニュースなのだが、快挙なので触れておきたい。大卒出身者での200勝は非常に難易度が高い。もちろん黒田は試合数の多いメジャーに渡っているため、過去の選手達と単純比較出来ない部分もあるのだが、日本でもメジャーでも環境によってピッチングスタイルを変更しながらもコンスタントに勝ち星を積み上げていった事は素晴らしいことである。

2000年代暗黒時代と呼んでも差し支えないような状況に陥っていた広島で孤軍奮闘した時代も印象的だったのだが、その後メジャーに渡ってからもピッチングスタイルを変更しながらもしっかりチームの戦力となっていたし、40歳間近となってから広島に戻ってきてからもしっかり結果を残している。こんな投手は中々お目にかかれない。

大学時代は150キロを超える速球を投げる体格に恵まれた投手ではあったのだが、いわゆる即戦力というタイプではなかったと記憶している。まだまだ荒削りな投手だった。当時ニュースステーションで広島ファンだった久米宏氏と日刊スポーツの野崎靖博氏が「化ければ凄い投手になる可能性がある。」という主旨の話をしていたことをうっすらと記憶している。しかしこの手のタイプの投手がモノになる可能性は決して高くないのがプロの世界である。
黒田もプロ入り後数年ははそこまで良い成績を上げられてはいなかった。しかし荒削りでもハマると凄いピッチングを披露する黒田に大きな期待を寄せていた広島ファンも多かったのではないだろうか?そんな黒田は徐々に安定感を身に付けていき広島のエース、そしてセリーグのエースへの一気に階段を駆け上っていく。150キロを計測するストレートとシュートにスライダー、フォークを操り相手打者をねじ伏せる投球スタイルは「本格派」そのものだった。投手の分業制が一気に進んできた00年代に多くの完投数を記録していたのも魅力的だった。
また当時は打高時代であり、投手受難の時代だったのだが、その中でも真っ向勝負が出来る黒田に惹かれたファンは広島ファンだけではなかったはずである。
そんな黒田はメジャーに移籍した以降もドジャース、ヤンキースで先発ローテを守り続けてみせた。日本時代はフォーシームのストレートに特徴があったのだが、メジャーに移籍してからはツーシーム系のボールで凡打の山を築くスタイルで勝ち星を重ねて見せた。そして39歳で広島に戻ってきてからもマウンド、ボールの違いなどをもろともせずに勝ち星を重ねている。
広島からメジャーに移籍する際のエピソード、広島に復帰する際のエピソード含めて男気に溢れた投手だと感じる。もしこのまま広島が25年ぶりのリーグ優勝を成し遂げるようであれば伝説の投手の仲間入りとなりそうである。

本当に偉大な記録である。

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