ヤクルトは7日、田中浩康内野手(34)に戦力外通告を行った。同選手は現役続行を希望している。
小川シニアディレクターは「田中浩康選手とは、このことについて長い時間をかけて話し合いを行ってきました。球団の希望としては、現役引退後はスワローズの指導者として協力して欲しい旨を伝えてまいりましたが、本人の現役続行への強い希望があり、残念ながらこのような結果となりました」とコメントしている。
同選手は04年ドラフト自由枠で早大から入団、07年には二塁のレギュラーを確保し、堅実な守備としぶとい打撃でチームをけん引した。近年は若手の台頭もあって出場機会が減り今季は31試合の出場にとどまった。07、12年のベストナイン、12年のゴールデングラブ賞を受賞。
(スポニチアネックス引用)
上記のスポニチアネックスの記事の中にも出ているように今回の件に関しては、小川SDと本人とが長い時間をかけて話し合った末の結果なのだと思う。スワローズにとっても大切な人材だったことは間違いないと思うのだが、現役選手として少しでも戦いたいと考えている田中浩本人のことを思えば、この結論に至ったことも仕方ないと感じる。
ヤクルトの二塁手と言えば現在は球界のスーパースター山田哲人なのだが、その前に二塁手としてチームを支えていたのが田中浩である。堅実な守備とシュアな打撃でしっかりとレギュラーを確保し、2012年シーズンにはゴールデングラブ賞とベストナインを同時受賞している。走塁技術やバントの技術も高く、数字以上にチームの勝利に貢献できるプレーヤーだった。しかしこれからリーダー格として野手陣を引っ張っていくことになると思った矢先の2013年シーズンに突如スランプに陥ってしまった。その田中浩の不振の間に二塁手に定着したのが山田だった。山田はその後めきめきと力を伸ばしていき、田中浩が二塁手として活躍する場を奪ってしまった。
2012年シーズンの時点では田中浩の年齢はまだ30歳であり、ベテランに差し掛かるかどうか?と言ったところである。簡単にレギュラーを手渡すような雰囲気はなかったのだが、その1年後にはレギュラーの座を奪われてしまっていた。そして山田がスーパースターへの階段を一気に駆け上がってしまったこともあり、田中浩がレギュラーを奪い返すことは出来なかった。そんな状況の中で一塁手や外野手にも挑戦し、なりふり構わず自分の居場所を求めてきたのだが、やはり出場機会は減少傾向を辿っていた。レギュラーを奪われてしまったことは2013年の自身のスランプが大きかったのだが、これほどの選手でもあっけなくレギュラーを奪われてしまうところを見せられると、改めてプロの世界の厳しさを感じることが出来る。
年齢も34歳となっており、どの球団に行ってもレギュラー獲得は容易ではないと思うのだが、ヤクルト以上に田中浩のような選手を求めている球団はあるように感じる。正直本人のためにはもう少し早くヤクルトを出た方が良かったのでは?という思いもなくはないのだが、レギュラーを奪われてからの経験がこれからの野球人生の中で必ず活きてくるはずである。山田のような派手さはないが、二塁手のレギュラーとしてしっかりチームに貢献し続けた田中浩康の今後のプロ野球人生をより充実したものにしてもらいたい。これまで本当にありがとうございました。
過去記事はこちらから→「ヤクルトの守備の名手達」、「山田哲人はあくまでセカンド起用か?」、「田中浩康の覚悟」
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コメント
田中浩の戦力外は球団の若返りを図り始めたのかなと感じましたね。
現役続行にこだわるなら一昨年くらいに出ていった方が、まだ需要があったのではないかと思ってしまいますよね。
今もセカンドの守備が以前と変わりのないのなら獲得する球団もあると思いますが、さすがに力は落ちてきてるので限られてきますよね、DeNAや中日、オリックスやソ西武あたりなら動きそうな予感はしますがどこもドラフトの結果次第でしょうね。
ヤクルトも野手が一人いなくなったのでドラフトで野手を指名するのは間違いないですね。
あとドラフトの件ですが田中正義と寺島のどちらかでいいと思います、問題は外れ一位とウェーバーなので2位で良い人材を取れればですね。
左打者は欲しいですから大学なら日大の京田か中京学院大の吉川くらいですかね、あと捕手で田中雅がいなくなり思ったほど山川も伸びてないので捕手を獲得もありかもですね、個人的には捕手は大卒か社会人が欲しいですがいないので秀岳館の九鬼を上位指名でいいかもですね。
田中選手は、いい選手です。ヤクルトの大切です財産です。
それだけに、私は引退し、コーチとして残ってほしかったです。
元1億円プレーヤーですし、給料的にも、そして年齢的にも、獲る球団はないかもしれないと思います。
長い人生を考えれば、ヤクルトに残ったほうが本人にとっても良かった気がしてなりません。
確かに出場機会は減ってましたよね…。今年は戦力外受けた選手も多いですし、成績も振るわなかったので若返りを謀ってるんですかね。実力はあるので取ってくれる球団はあると思います。ただ34歳ですし、そこでレギュラーで活躍するかといえば…厳しいのかなとも思います。
ヤクルトはせっかくポストを用意してくれていたし、ずっとヤクルトにいて欲しかったので残念でなりません。もちろん、他球団に行っても応援し続けたいと思います。
個人的に現役にしがみつく姿勢は好きです
将来指導者になるうえでも他球団を選手として経験することはプラスでしょう
海外リーグや独立リーグに挑戦するのもありです
それに田中浩は独身ですしね。気楽にいろんなことに挑戦してほしい
田中浩の使い方を実に誤ったとしか言いようがありません。遊撃手マニアのドラフトもある程度影響したと思いますが、山田が成長した時点で、移籍を考えるべきだったと思います。はっきり言ってヤクルト以外ならレギュラーで、菊池に対して唯一守りで勝負できる選手だったので、本当に勿体ないと思いました。これは本人の決断の無さにも問題があるのですが。
まるで他チームで活躍されるのが困るような、囲い込みをしていたようにさえ見えます。
> kさんへ
田中浩に関しては、タイプ的に先発出場をしてこそ輝くタイプなので、その辺りが難しいところですよね。獲得に動く球団があれば良いのですが…
捕手の指名はあるでしょうね。
> 久保田さんへ
確かに獲得に動く球団がないとも言い切れないんですよね。その場合田中浩、ヤクルトはどうするのでしょうか?気になります。
> スワローズ愛が止まらないさんへ
そうですね。長年ヤクルトを支えてくれた選手ですからね。ここからレギュラーに返り咲くというのはヤクルトでなくても難しいことだとは感じます。
> saboさんへ
なるほど。「独身」ということは全く意識していませんでしたが、そういう意味では思い切ったチャレンジが出来る環境にあるのかもしれませんね。
> trefoglinefanさんへ
他球団の選手に比べて少し地味に映ったのかゴールデングラブは1回しか受賞出来なかったんですよね。当時は阪神の平野が上手くて派手なプレーを見せていましたが、田中浩も堅実さでは負けていませんでしたよね。
田中浩自身がユーティリティープレーヤーとしてチームに貢献しようとした部分が大きいのではないでしょうか?