原樹理VS今永は今永に軍配

ヤクルト1-2DeNA

原樹理VS今永という大学時代東都のライバルとして東洋大と駒沢大で凌ぎを削っていた両者がプロで初対決となった。おそらく両者ともに普段とはまた別の感情も抱えながらの登板だったのではないだろうか?
先に結果から伝えてしまうとヤクルトが惜敗し、連敗が11に伸びてしまったのだが、それよりも今日は若者2人の気持ちの入った熱い好ゲームとして振り返って見たい。

原樹理も今永も東都出身の15年のドラフト1位なのだが、両者が並び立つ形は意外と少なかったのではないだろうか?高校時代は名門東洋大姫路のエースとして甲子園でも活躍した原樹理が今永をリードしていたと思うのだが、大学に入ると原樹理は不調や怪我もあり、大学3年までは目立った成績を上げる事が出来なかった。チームも原の不調が響く形で2部に降格する厳しい戦いを続けていた。一方今永は2年次から駒沢大のエースとなり、東都を代表するサウスポーに成長していた。一旦は今永が原樹理を大きくリードしていたのだが、今永は4年次に怪我に苦しむ事となり、プロの評価を下げてしまうこととなった。反対に原樹理は4年次に春秋と2部ながら鉄腕ぶりを発揮し、一気にプロ側の評価を上げてみせた。そして今永は単独指名でDeNAへ。原樹理は外れ1位でヤクルトに入団する事となった。
ドラフト後にこの2人は1部2部の入れ替え戦で顔を合わせる事となり、初戦は今永に軍配が上がるのだが、原は第2戦で好救助を見せ、チームの勝利に貢献すると、第3戦では今永相手に逆に完封勝利を飾り、チームを1部昇格に導いて見せた。

そして今日プロの舞台で対決する事となったのだが、プロでは今永の方が実績を重ねており、原樹理を1歩リードしている状況である。しかし今シーズンの原樹理は昨シーズンに比べて間違いなくレベルアップしているため面白い投手戦が期待された。

初回から両者共に気持ちのこもった投球を披露するのだが、より気持ちの強さを出していたのだが今永だった。3回に自らのヒットからチャンスを作ると筒香のピッチャー強襲のタイムリー内野安打で先制のホームを踏んでみせた。原樹理としては、今永に打たれたのが痛かった。桑原の内野安打にしても、田中浩のショートゴロでダブルプレーが取れなかったことにしろ、筒香の打球を捌き切れなかったことにしても不運な部分もあったのだが、それでも今永にヒットを許してしまったのは原樹理自身のミスである。もったいない失点となってしまった。
その後は両者得点を許さず、投手戦となるのだが、次の得点を先に上げたのはDeNAだった。6回1アウトから筒香が原樹理の変化球を完璧に捉えるソロホームランを放ってみせた。確かにホームランを打たれてしまったボールに関してはもっと低く投げて良い場面だったし、失投と言えば失投なのかもしれないが、その前にインコースのストレートを見せられた中であのボールにしっかり反応する筒香のバッティングを評価するべきだろう。それでも原樹理とすると悔いが残る一球になってしまったのではないだろうか?

ヤクルト打線は7回に坂口のヒットと中村の四球、西浦の送りバントでようやく1アウト2,3塁のチャンスを作り、今永を引きずりおろす事に成功したのだが、そのチャンスで大松、荒木が結果を残す事が出来ず、このチャンスを潰してしまった。
ヤクルトは9回にDeNAのクローザー山﨑から坂口のソロホームランで1点差に詰め寄ったのだが、反撃もそこまでだった。結局6回2失点でまとめた原樹理が負け投手となり、6回1/3を無失点で抑えた今永が勝ち投手となった。これで原樹理は2勝6敗となり、今永は6勝5敗となった。

上記にも書いた通り、プロでは今のところ今永が一歩リードしている状況である。今日のゲームもほぼ互角の投げ合いだったと思うし、原樹理も気持ちの入った投球を披露してくれたのだが、それでも勝ち投手となったのは相手の今永だった。原樹理に打線の援護が少ないというのは昨シーズンからあったことなのだが、それだけが勝ちを増やせない要因ではないはずだ。今永も昨シーズンから打線の援護に恵まれないゲームが目立つのだが、それでも原樹理に比べれば勝ち星を重ねている。原樹理はまだQSを達成してくれれば合格点を与えられるレベルの投手なのだが、今永は試合を作るだけでは合格点を与えられないレベルの投手だと感じる。その差が今日のゲームの差なのかもしれない。しかし原樹理も間違いなくレベルアップをしてきている。今永の背中を追って、いつか追い付き、そして追い抜いてもらいたい。原樹理と今永同学年の2人の投手が今後どのような勝負を繰り広げて行くのか注目していきたい。出来れば2人ともリーグを代表するエースになってもらい、いつの日か15年秋に繰り広げられた東都大学リーグの1部2部入れ替え戦が「伝説の入れ替え戦」と呼ばれるようになってもらいたい。

P.S 真中監督VSラミレス監督の元同僚同士の戦いも面白かったですね。予告先発原樹理VS今永の段階ですでに熱かったのですが、ラミレス監督の2番セカンド田中浩や7回のこまめな継投など勝利への執念を感じましたし、真中監督の代打の代打2連続にも勝利への強い意思を感じる事が出来ました。好ゲームだったと思います。

でも47年ぶりの11連敗なんですよね…

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コメント

  1. k より:

    原樹理は投手に打たれては勝てませんよね。だんだん安定はしてきてるので、もったいない失点を減らせば勝ち星は増えて来ると思うのですが(筒香の内野安打もシフト敷いていたので足にぶつけなければアショートゴロももったいない)
    試合の方はオーダー見たときに連敗中と変わらない起用をしてきたので、おそらく監督はシーズン前に描いていた選手起用と采配で残りも試合も変えずに戦っていくだなと感じましたね。
    試合は同じような負け方で打てなく終わりましたので、これではビジターではほとんど勝てなく終わりそうですね(打順も代打も数字を見て決めて欲しいですけど)。
    それと最後も控え捕手がいなくなるのにも西田を代打で出したので監督が自分と選手を信じてやっていく意思表示は強く感じましたね。覚悟は決めたのかな思いますので、これでも勝てないならおそらくシーズン終了後に責任とって自ら辞任すると感じましたね(問題はフロントが慰留した場合に続投されると改革も23年遅れそうですね)
    次はウィーランドなので得点は取れないので星が0に抑えるしか勝ち目はなさそうですね、結果うんぬんより廣岡と奥村をチャンスで打席に立たせて経験させてあげたいですね。(あと風張と土肥もビハインドなら登板機会を増やして欲しいですね)

  2. sabo より:

    原を勝たしてやりたかった、、、
    たらればですが、筒香の内野安打はバックホームが正解だったんじゃないかな?ファーストへ指示した中村も球があれほど転がるとは思わなかっただろうけど、もしもファースト送球が暴投になったら2点失ってたし

    悩める西浦がマルチヒットしたのは好材料ですね。自分の打撃を取り戻せば2割7分10本塁打はいけるはずの選手
    藤井奥村廣岡と地味に熱いバトルが繰り広げられるかも

  3. FIYS より:

    > kさんへ

    原樹理のような総合力で勝負するタイプの投手は勝ち星を増やせてなんぼの投手ですからね。もったいない失点を減らしてもらいたいですよね。

    結局ウィーランドを打てませんでしたね。

  4. FIYS より:

    > saboさんへ

    筒香の内野安打は冷静であればバックホームに切り替えるのが正解だったかもしれませんが、あの打球でバックホームに切り替えるだけの余裕はありませんでしたね。逆にあの打球でバックホームに切り替える事が出来たのであればファインプレーですよね。

    若手含めて必死のプレーを続けてもらいたいと感じます。

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