今年も夏の甲子園が開催され、大いに盛り上がっている。ここ4,5年で高校野球人気も一気に回復してきている印象である。今年の夏の甲子園に関しては、事前の記事を書くことが出来なかったのだが、今日は普段の高校野球カテゴリーの記事とは違った角度で記事を書いてみたい。
ずばり野球観戦をしていて「天才」と感じた選手についてスポットを当ててみたい。「天才」の定義も人それぞれであるため、皆さん思い浮かぶ選手は違ってくると思うのだが、今回は敢えて高校野球を観戦していて「天才」だと感じた選手に絞って名前を挙げてみたいと思う。皆さんも野球観戦をしていてこの選手は「天才」だと感じた選手はいませんかね?
私の記憶にある最も古い甲子園大会の記憶は1988年の夏の大会である(その時は私は保育園の年長の年です。)。そこから2017年まで約30年近く観戦を続けているのだが、やはり社会人になってからの約10年は観戦機会が激減している。そして幼少期のような感性も薄れているため、どうしても一昔前の選手の方がインパクトが強くなってしまうことはお許し下さい。それでは数人挙げてみたいと思う。
高木大成(桐蔭学園)捕手
・私がまだ小学校3年生の時にテレビで観戦をしていて衝撃を受けた選手である。神奈川の名門桐蔭学園で主将を努め、1番キャッチャーとしてチームを引っ張っていたのがこの高木である。走攻守三拍子揃ったキャッチャーというだけではなく、リーダーシップに優れ、キャッチャーとしての頭脳も持ち合わせていた超高校級の選手だったと感じる。
当時のキャッチャーはまだどちらかというとがっちりとしたいわゆる「ドカベン」タイプの捕手が主流だったと思うのだが、高木はスピード感に溢れ、身のこなしもしなやかだった。バットコントロールも抜群であり、出塁すれば盗塁を決め、守備でも存在感を示せる稀有な存在の捕手だった。野球センスが図抜けていた印象である。
その後慶応大→西武ライオンズに進み、西武では主に一塁手として活躍し、チームの優勝にも貢献したのだが、怪我に泣き、プロで主力として活躍した期間は少なかった。当時の西武は現ロッテ監督の伊東が不動の捕手として君臨しており、高木も捕手としてレギュラーの座を獲得することは出来なかったのだが、プロ2年目で本職ではない一塁手としてレギュラーの座を掴み、しっかり数字を残したところに野球センスの高さを感じる事が出来た。個人的にはプロの世界でも打って走れる捕手として見てみたかったのだが、それは叶わなかった。しかしこの選手の高校時代のプレーは印象に残っている。
東出輝裕(敦賀気比)投手兼遊撃手
・東出も「天才」と呼ぶに相応しい選手だった。2年次の夏の甲子園の開幕戦で二盗、三盗を立て続けに決めた場面は記憶に残っているし、その後はエースとして甲子園に返ってきて1番ピッチャーとしてそして主将としてチームを引っ張った。とにかくその俊足は際立っていたのだが、投手としての総合力も高く、簡単には崩れない好投手だった。フィールディングも抜群であり、内野手としても高レベルの超高校級と呼べる逸材だった。バッティングも俊足を活かしたゴロを転がすバッティングではなく、右中間、左中間に力強いライナーを放つ巧打者で、小柄ながらパワーがあるところも見せ付けてくれた。身体能力の高さを上手く野球に活かす事が出来ていた選手ではないだろうか?タレント揃いの松坂世代の中でも印象深い選手である。
広島カープに入団後も1年目から1軍での出場機会を数多く与えられ、二塁手、遊撃手として期待されたのだが、守備面でエラーが多く、プロの世界で一流と呼ばれるまでには至らなかった。それでも高校時代のプレーを見ていると才能の塊のような選手だったことは間違いないだけにプロでもう一つ伸びきらなかったことは残念でならなかった。
東出と同じ系譜の選手だと感じる今宮健太(明豊→ソフトバンク)が、遊撃手として大活躍している姿を見ると東出もこれくらいはやれたのではないか?と感じてしまう事がある。
上本博紀(広陵)二塁手兼捕手
・広島県の名門広陵高校で1年夏から二塁手のレギュラーとして甲子園の土を踏んだ事自体が凄い事なのだが、その後4季連続甲子園に出場し、圧倒的な存在感を示してくれた。小柄ながらバットコントロールは抜群でバットの芯で捉えた打球が次々と野手の間を破っていった記憶が残っている。パンチ力もあり、高校生レベルでは抑えることは不可能ではないか?と感じさせるような技術の高い選手だった。野球センスも抜群であり、2年次の秋からは正捕手を務めて3年のセンバツにも出場したのだが、これまた名門広陵の正捕手を本職ではない上本が努める事自体が異例のことなのではないだろうか?試合展開を読む能力などにも優れており、将来どんな選手に育つのか無限の可能性を秘めた選手に映った。
その後早稲田大→阪神と進み、入団当初はプロのパワーと投手のレベルの高さに苦しんでいたが、徐々に慣れてくると阪神でも欠かせない選手になってきている。怪我とフィジカル面の弱さから不動のレギュラーを奪うまでには至っていないが、本当に野球をよく知った選手だと感じる。東出同様プロでもうワンランク上の選手に育ってもらいたいのだが年齢的にも難しくなってきているだろうか?是非規定打席での打率3割を目指してもらいたい。
浅村栄斗(大阪桐蔭)遊撃手
・上記3選手とは少し毛色の違う選手なのだが、浅村の高校3年次の甲子園でのプレーは圧巻だった。1番遊撃手としてタレント軍団大阪桐蔭を引っ張り、フルスイングしても軸が崩れず、打率も残せるスタイルは高校時代から確立されていた。特に2回戦の金沢高校戦では敗戦に追い込まれるピンチから同点ホームランを放ってチームを救うとその後のゲームでも打撃でも守備でも素晴らしいプレーを連発して見せた。年に1人か2人夏の甲子園で大きく評価を上げてプロ入りする選手がいるのだが、高校3年次の浅村はまさにそういった選手だったのではないだろうか?もちろん甲子園での活躍がなくてもプロ入りを果たしていた可能性は高いと思うのだが、3巡目での指名になったのは、甲子園での大活躍があったからこそではないだろうか?
後輩森友哉のバットコントロールの良さもインパクト抜群だったが、フルスイングしながらあれだけ芯に当てられる技術を持った浅村のバッティングもかなり衝撃的だった。西武入団後も主力として活躍し、打てる二塁手としての地位を固めている。
甲子園大会を見て個人的に「天才」と感じた選手は、以上の4人である。たまたまリアルタイムでテレビ観戦が出来たゲームで活躍した選手が中心になっており、自分との巡り合わせという部分もあるのだが、上記の4選手は本当に高校レベルを超えた「天才」だと感じさせるプレーヤーだった。
私の特徴としては3拍子揃っている上に野球センスだったり、投手や捕手としての特別な能力を揃えているような選手が好みのようである。いわゆる4拍子も5拍子も揃っているプレーヤーに「天才性」を感じるようである。
皆さんは甲子園大会を見ていてこの選手は「天才」だなあ。と感じた選手はいますか?いたら是非コメントお願いします。もちろんプロ入りしていない選手でも良いですし、甲子園に出ていない選手でも良いですよ。お待ちしています。
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コメント
ミーハーですが松坂大輔です。天才というより怪物と呼ばれてましたけど笑
実力とスター性のどちらもズバ抜けてました
確かに上本は天才肌の選手ですね、感覚というか独特の感性で現在も誰にも真似できない打ち方ですしね。
私は年代的に松山商業の水口ですかね(後に近鉄に入団)甲子園での最多安打を記録したと思うのですが・・・・右打者ですがほぼ毎試合で猛打賞で右に左にヒットを軽く打っていて、またショートの守備も良かったのを見て凄いと憧れてましたね。
投手なら世代的にはダントツで桑田真澄ですね(理由は全てを兼ね備えたtheピッチャーでしたね)
>saboさんへ
松坂は高校球界のレベルを引き上げた高校球史に残る選手ですからね。一応今回の記事は「怪物」タイプではなく「天才」タイプと言う括りで書かせてもらったので外させてもらいました。まあ何が「怪物」で何が「天才」なのか定義ははっきりしていませんが…
> kさんへ
水口の名前はよく聞きますね。私はリアルタイムで松山商業時代を見ていないのですが、プロでも「いてまえ打線」を渋く支えていましたもんね。
桑田もPL学園時代をリアルタイムでは見ていない世代なのですが、「天才」という言葉が最も似合うのはやはり桑田ですかね。ちなみにダルビッシュも「天才」だと思うのですが、高校時代のイメージは「悪童」なんですよね。異端児の雰囲気が物凄かった記憶があります。それでいてカッコいい。とんでもない投手でした。